「不妊症・子宝治療」カテゴリーアーカイブ

習慣性流産の患者さん

昨年の夏頃、とある病院で人工授精を受けているけど、なかなか妊娠できない、と言う方が鍼灸治療で来院しました。

問診票には、過去に2回流産した事がかいてありました。

聞けば無治療での自然妊娠てあったと。

脈診すると明らかな腎虚で、まだ若いけど先天の精が薄いようで、卵巣予備能であるAMHも年齢に比して低く、主治医も治療を急いでいるのだとか。

とにかく、腎を補いつつ、子宮と卵巣の機能改善を狙った鍼灸とレーザーを続け、2か月過ぎると自然妊娠されました。

しかし、妊娠したのを喜ぶ間も無くすぐに流産してしまいました。

胎嚢確認以上の流産2回で習慣性流産といいます。3回繰り返すと不育症といいます。

流産を繰り返すには理由があるのですが、初期の流産の大部分、7割くらいは偶然の染色体の異常で、受精の時に運命は決まるようです。

当院では、流産を繰り返す方には、鍼灸治療を初めて一回目の妊娠時には流産しやすいので、諦めないこと、と最初に良く説明します。

なかなか妊娠出来ない状態が、自然妊娠できるようになった事で、まずは改善したわけです。

さらに体が改善すれば、つまりこのかたの場合、さらに腎虚が改善すれば、出産につながる妊娠ができるようになりますから。そんな説明をしっかりしました。

流産後、3週期過ぎてまた自然妊娠されました。

今度は順調なようで、2週続けて胎児心拍も確認出来ています。

今度は、脈状も良く、胎児の生命力を表す命門の脈もしっかりあります。

出産まで大丈夫と確信しています。

原坊の朝顔の種 今年も配布します

令和6年1月の診療案内
https://sanpei89in.com/blog/?p=4167

1月7日(日)、8日(月・祝)、14日(日)、28日(日)は、
正午まで診療いたします。

1月21日(日)は、全日本鍼灸学会東北支部研修会のため休診となります

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妊活の縁起物として知られる、原坊の朝顔を今年も配布開始しました。

なかなか授からなかった患者様が大切に育てて咲かせ、採った種です。しかもみなさん、当院で治療して1児2児と授かりました。

また鍼灸はしていないけど、朝顔の種を植えて花が咲いたら遠くに嫁いで子供が出来なかった娘夫婦に子供が出来た、なんて方も2~3人いました。

当院に2011年の震災の年にやってきた、サザンオールスターズの原由子さんに由来する本物の原坊の朝顔の種です。

https://sanpei89in.com/blog/?paged=2&s=%E5%8E%9F%E5%9D%8A

当院で毎年配布するほか、不妊セミナーで各地の鍼灸師会や学会などで講師で呼ばれた際、聴講された方へ配っています。

 

2月にオンライン不妊症セミナーを開催します

12月・年末年始の診療案内 
https://sanpei89in.com/blog/?p=3963

12月24日(日)正午まで診療します。

今年は12月30日(土)正午まで診療します。

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患者様には関係のないお話ですが、わが福島県鍼灸師会で2月23日(金・祝)に、オンラインで鍼灸による不妊症治療の3時間セミナーを開催します。

講師は、私(三瓶)がつとめます。

昨年4月から不妊治療に健康保険が使えることになり、不妊治療に来院する患者さんが一変し、何度も体外受精を受けても妊娠できない方、良い卵が育たない・採卵できない方など多くなってきた印象があります。

明日から使える即戦力・知識と鍼灸技術をテーマにして下記の内容でお話しします。

不妊症の疫学 / 不妊症の原因(女性・男性) / 不妊症の治療(一般生殖医療・高度生殖医療)について / PuMedから不妊鍼灸のエビデンスをみる / 生殖内分泌のしくみを知る / 女性不妊各論(排卵障害・PCOS・子宮内膜症・その他) / 男性不妊について / 鍼灸治療が提供できること / 不妊患者さんの特殊な心理状況とその対応について / たっぷり実技あり

遠方まで鍼灸を受けに行かなくても良いように、福島県内や全国にしっかりした不妊鍼灸治療を行える鍼灸院を増やす目的で、当院の技術や知見を開放します。

鍼灸師さんなど、お申し込みは下記よりどうぞ。 https://fukushima-harikyu.jp/archives/info/2024_02_23

全日本鍼灸学会C講座2ポイント、東洋療法研修試験財団生涯研修(臨床)4単位・日鍼会NGKシステム登録となります。  

妊娠しないには、何か理由がある?

12月・年末年始の診療案内
https://sanpei89in.com/blog/?p=3963

12月10日(日)正午まで診療します。

12月24日(日)正午まで診療します。

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少し前まで、日本の不妊症の定義は不妊期間が2年でした。

つまり2年間避妊しないで、普通の夫婦生活を送っていて妊娠しない場合、不妊としていました。

平成27年8月より、日本産科婦人科学会ではこの不妊期間を1年にしました。

累積(自然)妊娠率について

では、結婚して妊娠を希望して、どれくらいで妊娠するのか。

Zinaman MJ, et al. : FertilSteril 1996 ; 65:503より三瓶が作図

健康な200カップルを追跡調査したZinaman MJらの研究です。

英文の論文を翻訳しながら三瓶が上記グラフを苦労して作図しました。

このグラフは、来年2月のカナケンさんの東京?横浜?でのセミナーに使います。

1周期(月経から月経までの1期間)で、約20%。

初の3ヶ月で合計約60%のカップルが妊娠し、その後の3ヶ月でプラス10%で合計70%が妊娠。

その後の6ヶ月でさらにプラス10%で合計84%の妊娠となるそうです。

1年後から2年までの間はたったのプラス4%だそうです。

最初の3ヶ月 60%
その後3ヶ月 70%(+10%)
その後6ヶ月 80%(+10%)
その後24ヶ月 84%(+4%)

そうすると、妊娠を希望して6ヶ月妊娠しない場合は不妊症を疑ったほうが良いと思います。

諸外国の定義では6ヶ月というところもあります。  

 

妊娠できないには、何か理由がある?

グラフから言えることは、『妊娠する(普通の)カップルは最初の3ヶ月でだいたい妊娠する』ということでしょう。

実際に妊娠できない方が専門医に受診すると、様々な検査を受けますが、特に診断されるのが、下記あたりと思います。

  • 排卵障害、多嚢胞性卵巣、
  • 高プロラクチン血症
  • 黄体機能不全
  • 卵巣チョコレート嚢腫
  • 年齢的なもの など

こうした診断をされた方が、特に何もしないでその後自然妊娠される方も多く、こうした診断は絶対的なものではないようです。

また特に診断されない方のほうが多いくらいのように感じます。

 

機能的不妊が多い

つまり、妊娠しないには何か原因はあるが、絶対的な原因と言えるものは少ない、ということです。  

こういうのを機能的不妊、と呼びます。

 

機能的不妊への鍼灸治療

『不妊症』と言えばあたかも病名のように聞こえますが、一定期間妊娠しない状態であり、半健康の状態を改善すると妊娠しやすい体になると言えます。

当院では、鍼灸で首肩こりの改善を行ってストレス状態を緩和させることを最初に行い、次に子宮や卵巣の機能を改善させる治療法を行っています。

 

 

よくある、さかごのケース 治ってた?

12月・年末年始の診療案内
https://sanpei89in.com/blog/?p=3963

12月10日(日)正午まで診療します。
12月24日(日)正午まで診療します。

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さかご(逆子・骨盤位)治療、あるあるの話。

昨日来院された妊娠第34週の産婦さん。

33週の検診時に初めてさかごと診断された方でした。

事前にいろいろお話を伺い、まぁエコーで確認して勝手に治っていればそのままお帰り頂くということで、

まずはお腹を見させていただきました。

胎動もみぞおちあたりが強いということで、触診でも丸く固いものがみぞおちにあり、まぁさかごだろうと。

エコーで確認すると、、、

 

 

 

 

 

 

 

これがまた、しっかり下に頭があって、治っているわけなんですわ(;^ω^)  

 

 

 

 

ほんとね、10人に1人くらいの割合で勝手に治っているパターンがあります。

熟練の産科医でも、さかごの診断にはエコーが必須だそうです。

もちろん治療せず、初診料だけ頂いてお帰り頂きました。

産婦さん大喜びだったのは言うまでもありません。

 

 

 

妊娠後期に、お母さんのおなかの中で胎児の頭が下にあるのが普通というのは、実は割合近年になってから分かった医学的事実です。

西暦1,700年中ごろ、日本の産科医の賀川玄悦とスコットランドの産科医・ウイリアム・スメリーがほぼ同じころに発見したと言われています。

良かったら下記のリンクから、過去に書いたブログ記事をご覧ください。

  ↓ 

さかごの鍼灸治療

昨日は不妊のセミナー講師をしました

11月の診療案内
→ https://sanpei89in.com/blog/?p=3746
※19日(日)、20日(月)が社会研修のため休診になります。
※23日(木・祝)は正午まで診療、26日(日)は午後2時から4時まで診療です

12月・年末年始の診療案内
→ https://sanpei89in.com/blog/?p=3963

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昨日は全日本鍼灸学会東北支部の第39回学術集会でした。

第1講座で、不妊のセミナー講師を務めました。

持ち時間は1時間で、初学者・学生向けの内容でした。

 

なにしろ1時間ですので、皆様に伝わったか心配もありました。

会場で参加されていた会津医療センター附属研究所の鈴木雅雄教授からは、とてもわかりやすかったと言って頂けたので、ありがたかったです。

鈴木雅雄教授からは質疑応答で、鍼の効果を調べる場合ランダム化比較試験RCTで使われるシャム鍼(偽の鍼)について解説していただきました。

明日は仙台で講演してきます。

明日の日曜診療はお休みさせていただき、朝から仙台へ。

郡山と仲間と落ち合い、仙台国際センターで開催される第39回全日本鍼灸学会東北支部学術集会で講演してきます。

初学者、特に学生さん向けですので、これは不妊鍼灸を目指すに興味を持っていただく内容としました。

医療機関と、我々開業鍼灸院では治療の方針が異なります。

一番は、妊娠に適した体つくりを周期をまたいで行っていくということです。

何か月もかかる場合も多いですが、妊娠の先には出産もあります。周期ごとに完結する西洋医学とは異なるところが多いです。

年齢や不妊歴を考慮し、当院での単独の鍼灸治療は3ヶ月~6ヶ月で、もし専門医の治療を受けていない場合は患者さんと相談し、専門医を紹介し医療連携で行っていきます。

たとえば大学病院では福島県立医科大学(附属病院や生殖医療センター)や国際医療福祉大学(附属病院やリプロダクションセンター)に紹介しますが、大病院を受診する際に加算される『選定療養費(大学病院だと,7700円)』が当院の紹介ですと加算されません。

一定期間鍼灸治療を行うと、専門医での治療が奏功しやすい印象があります。

また妊娠した後もしばらく鍼灸治療を続けられると、妊娠期のつわり症状、腰痛、不眠、肩こりなどのマイナートラブルの予防になります。

高齢妊娠だと早産になりやすいですが、鍼灸治療をそのまま続けると早産の方も少ない印象があります。

いずれ、症例がまとまったら数えてみたいと思います。

那須塩原市、矢板市、宇都宮市栃木県北の方は、ぜひ那須塩原市の赤田山はり・きゅうマッサージ接骨院へ。

明日は那須塩原市の赤田山はり・きゅうマッサージ接骨院の髙橋夫妻もリモートで聴講してくれるそうで、ありがたいです。

西那須野・塩原インターにほど近いところで開業されている赤田山はり・きゅうマッサージ接骨院の髙橋先生夫妻は、当院の一番弟子で、非常に勉強熱心です。

治療院では老化卵子・卵子の質の改善に鍼灸治療を合わせて必須なレーザー治療器(スーパーライザーPX)を備えています。

京都の盟友である中村一徳先生(なかむら第二針療所)は、ながらくこのスーパーライザーPXで、採卵成績改善、卵質改善の研究を行い、大きな成果を残されました。

那須塩原市周辺、栃木県北の不妊でお悩みの方は、ぜひ行ってみてください。

赤田山はり・きゅうマッサージ接骨院
〒329-2748 栃木県那須塩原市上赤田238−437
電話: 0287-46-5598

 

 

 

 

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原坊の朝顔の種

昨日夕方、患者様が朝顔の種を持って来て下さいました。

その患者様は、赤ちゃんからするとおばあちゃんです。

長らく赤ちゃんが授からない娘さんのために、当院で配布していた朝顔の種を大切に育てたそうです。

この種を含め、今年赤ちゃんを授かった方からの朝顔の種がたくさんありますので、来年の2月からまた配布を始めます。

当院では2011年から配布しています。

昨年の記事をぜひご高覧下さい。

https://sanpei89in.com/blog/?p=2164