
『質の良い卵胞』というと、IVFによる胚移植を連想されることでしょう。
IVFなど、高度先進生殖医療にも鍼灸の活躍する場面はありますし、そのことについては後述いたします。
当院では、卵巣の持ち主である母胎の状態が良ければ、おのずと質の良い卵胞が出来るものと考えています。
全身の状態を改善し、疲れやストレスに負けない健全な体を目指し、また冷えや腰痛などといった婦人科に関連する症状をなくすことによって、質の良い卵胞が得られるものと考えます。
卵胞の成長に影響のあるプロラクチンというホルモンがあります。このホルモンは体内での母乳の分泌を助ける働きがありますが、卵胞の発育に深く関わる性ホルモンの抑制も行います。
体が妊娠に向かない、適さないと体自身が判断したような場合、血液中のプロラクチン値が上昇します。もともとは育児中(授乳期間中)であるために妊娠を避ける意味で性ホルモンの活動を抑えるプロラクチンが上昇するのだろうと私は考えます。
(プロラクチンは性腺刺激ホルモン=GnRHを抑制するため、結果的に卵巣刺激ホルモン=FSHや黄体化ホルモン=LHが抑制される)
たとえば生活のリズムを規則的にして、偏食をなくし、飲食物・衣服などで冷えを防ぐような良好な生活を心がければ、きっと『妊娠しても大丈夫な体』ということで、プロラクチン値も下がるでしょう。
当院の鍼灸治療では対ストレスの治療を行い、体にリラックスできる環境を学習させることによって高プロラクチン血症や潜在性高プロラクチン血症に対応しています。
体外受精では多くの場合、凍結受精卵による胚移植を行いますが、融解すると移植に使えないくらいに損傷してしまうようなケースなどの場合、まずご自身のお体の状態を見つめ直してみてはいかがでしょう? きっと、冷えや腰痛、肩こり、頭痛などといった症状があるのではないでしょうか?
何度も体外受精をしても子宝に恵まれない方でも、鍼灸治療を気長に受けられているとごくまれに自然に妊娠される方がいらっしゃいます。
卵管が閉塞している。子宮外妊娠などで卵管を摘出してしまった。抗精子抗体がある。精子の状態が非常に悪い、などといった本来の体外受精の適応以外で体外受精をされる方が多い中、まれにでも鍼灸を行っていると自然妊娠されるケースを経験します。
その原因を当院のような鍼灸院レベルで追求することはまず不可能ですが、下記のように考えます。
冷えやストレスといった状態を改善した結果、
・着床しやすい子宮の環境になった?
・卵胞の質が良くなった、受精しやすくなった?
・卵管の機能が向上した?
<着床しやすい子宮とは?>
着床しやすい子宮とは、冷えのない温かみのある下腹部に収まっています。 その中にある子宮の内部はもちろん柔らかくて十分な厚みのある内膜に覆われています。
以下の点があれば、ぜひ鍼灸治療をおためしください。
・生理痛がひどい
・いつも足、腰に冷えを感じている
<高プロラクチン血症を改善して良い卵胞を>
血液中のプラクチン値が高いと排卵をコントロールする脳の視床下部の 働きが弱くなり、 その結果卵巣での卵胞の発育がうまくおこなわれないと考えられています。 プロラクチンが性腺刺激ホルモン(GnRH = FSHやLHホルモンより上位の性ホルモン)を抑制するからと言われています。
これは普通に薬剤での治療も行われていますが、やっかいなのは潜在性高プロラクチン血症という、夜間だけなど一日の一部分だけプロラクチンが高かったりするものがあります。
こういったプロラクチンの異常にはストレスの関与もありますので、鍼灸治療の出番は大きいでしょう。
当院で治療している患者さんの中では、頭頂部に浮腫があって、頭皮が異常に柔らかい人がいます。こうした方は例外なく固くて冷たい下腹部をしています。強い肩こりがあっても自覚していない方も多く、肩こりの改善と腹部の柔軟化は比例しているように感じます。
もちろん、腹部に温かみが出てきて、柔らかくなれば妊娠はしやすくなります。
<卵管は培養室?>
卵管は卵子の輸送のほかに重大な役割があります。
卵子と精子が受精しやすい環境を作り、また受精後は受精卵を培養しながら子宮まで届ける役目があります。卵管に満たされる自然な卵管液は、体外受精での培養液(多くは施設ごとの企業秘密)よりもはるかに質がよいということです。
当院で不妊治療を行っていると、特に排卵誘発剤を長く使っていた場合などで目立っていた頚管粘液の減少が改善していきます。
卵管液も頚管粘液もエストロゲンによる作用が重要であると言われており、鍼灸がエストロゲンの発動を助けているのではないかと考えます。
よい子宮環境作りも、良い卵胞を得ることも、また培養室としての卵管の働きを改善することも、まずは母胎の状態の改善が必要です。
冷えのない、血行の良い状態を目指しましょう。
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