「研究会・勉強会・研修会参加」カテゴリーアーカイブ

夏の勉強・浮腫むくみ、接触鍼

7月9日(日)は、日曜診療を休んで師会の夏季学術講習会へ。

一応は主催者ですから、早めに行って会場の設営をします。

まずは皆さんと朝のミーティング。

今回もハイブリッド開催。つまり会場開催とオンライン(Zoom)の併用です。しかも10日間の見逃し配信(アーカイブ)付きの、大サービス。

第1部講師は、福島県立医科大学会津医療センター 病院教授の宗像源之(むなかた もとゆき)先生。

演題は『浮腫診療の基本』でした。

夏になると多い浮腫。さまざまな原因がありますが、その鑑別について勉強させていただきました。

第2部は、接触鍼という非常に微細な鍼刺激で行う実技。

講師ははるばる富山県からお越しいただいた、鍼灸 夢恵堂の津田昌樹先生。

刺すか刺さないか、そのような弱い刺激ですが自律神経に働きかける『ポリヴェーガル理論』などもご紹介いただきました。

会場はやたら広くて参加者もまばらですが、オンラインも入れると100名近くの参加者がおります。

コロナが変えた講習会運営です。

今年度初の開業塾

5月14日の日曜日は、午前中は自分の研究と数人の治療をしました。

午後からは、愛弟子3名を含めて当院会場で12名、リモートで4名の16名で開業塾を行いました。

テーマは、不妊症患者さんへの問診の仕方。

しっかりした知識を持ってこそ、充実した問診が実現します。

累積妊娠率の話から、卵胞発育のメカニズムを話しながら、問診の進め方を講義しました。

我々の鍼灸治療は体質の改善です。妊娠しやすい体質へ改善させる治療は長期にわたる場合がありますが、副作用はないし、もっとも進んだ分野である生殖医療を補完することができます。

私は、同じ志を持った仲間には隠さずなんでも教えます。

同じ志とは、設け主義を否定し患者第一、日本鍼灸を守り育てていく仲間です。最低でも、地元鍼灸師会に所属していることが条件です。

今年は、この私塾である開業塾のほか8月にカナケンさんの商用セミナー講師(仙台)、11月に北九州市・産業医科大学で開催される日本伝統医療看護連携学会でシンポジスト登壇。同じ11月に仙台市で開催される全日本鍼灸学会東北支部学術集会で講師をつとめます。すべて専門である不妊症治療です。

採卵成績が4倍向上した方

専門医での不妊治療に健康保険が適用になり、早1年が経ちました。

体外受精など高度生殖医療の場合、採卵の回数ではなく、初回1児あたり胚移植6回までが健康保険が適用となるようです。

そうすると、採卵・培養、胚移植の流れも大きく変わってきたように感じます。

1回の採卵で複数個採卵できた場合、健康保険適用の6回以内に妊娠できるよう、なるべく少ない回数の胚移植で妊娠できるように初期胚ではなくなるべく胚盤胞まで培養し、移植することが多くなったように感じます。

また、胚盤胞を目指して培養を続けるにも途中ですべての卵子の分割が停止するなどリスクがある方は、初期胚を2個くらいの複数移植を行うケースも見られるようになりました。

つまり、やはり、採卵の回数は多くなっても、胚移植の回数はなるべく少なく、というように患者さんの経済的負担を軽くするように配慮しているのでしょう。

昨年10月末から当院に来院されている方は、卵巣にチョコレート嚢腫もあり採卵しても卵質が良くなかったようで、1回目の採卵で6個採卵できて、すべて胚盤胞を目指して培養を続け最終的に1個の胚盤胞を凍結できたそうです。

ただしその胚盤胞を移植しても妊娠できなくて、採卵成績の改善・卵質の改善を希望されて当院でしっかり6ヶ月治療しました。

しっかり鍼灸を行った6ヶ月後の採卵では8個採卵できて、5日目胚盤胞が2個、6日目胚盤胞が2個。合計では4個の胚盤胞になりました。

前回6個採卵→1個胚盤胞 今回8個採卵→胚盤胞4個
※誘発法、使用薬剤などは全く同じ

当院でのレーザー+鍼灸は、効果の差はあってもこのように採卵成績や卵質の改善に効果があります。

ただし、治療の頻度は非常に厳密で、年齢にもよりますが最低7日に1回以内、治療開始時は3~5日に1回の治療を3ヶ月続け、その後7日以内に1回を続けていくようにしています。

たまにしか治療に来ない、というのではなんの効果もありません。

この内容は、当院主催の不妊治療研究会『開業塾』で今度の日曜日、5月14日(日)に講義します。

大きな学会運営の記憶(3)

そろそろこのシリーズも終わりになります。

8年前の日本最大の鍼灸の学会、全日本鍼灸学会の64回大会、ふくしま大会です。

ビッグパレットふくしまを全館借り切って開催し、3階のプレゼンテーションルーム(一番会場費が高い部屋)では、医師向け鍼灸講座。

学会の会員は、鍼灸師だけではなく医師も多く参加します。

鍼灸に興味があるけど、どうやって治療するのかわからない、という医師向けに、鍼灸実技の初級コースを企画したのでした。

 

写真が小さいですが、昨年ご逝去された当時福島県立医科大学理事長兼学長であった、菊地臣一先生の特別講演もありました。師につくときは愚直に、、には、大勢の聴講者が感銘を受けたと聞きました。

 

下の写真は、私が企画した不妊症のシンポジウムの打合せ。
左から、中村一徳先生(なかむら第二針療所)、矢野忠先生(明治国際医療大学学長)、森本義晴先生(日本IVF学会理事長・当時)、鈴木裕明先生(明生鍼灸院)、木津正義先生(明生鍼灸院)、田口玲奈先生(明治国際医療大学)、三瓶、です。

当初、不妊のセッションを学会で開催したいという私の願望でしたが、64回も開催した大きな学会で、不妊症をテーマにした演題はなかったということで、学会本部から非常に難色を示されました。

しかし、すでに不妊鍼灸という分野もあり、専門にしている鍼灸院も多くある。そろそろ学会としても取り上げるころではないか、と、福田文彦先生(学会学術部・明治国際医療大学特任教授)から助け舟を出していただき、シンポジウムなら、ということで企画が通りました。

さて、では医師はどうするか? 鍼灸の学会に登壇してくれるドクターは?ということで、せりえ鍼灸室(日本でレディース鍼灸トップ鍼灸院)の小井土善彦先生に、IVFなんば、IVF大阪、IVFグランフロント大阪クリニックを経営し(この3つを合わせると世界最大の不妊治療施設になるらしいです)、しかも日本IVF学会理事長でもある森本義晴先生を紹介していただきました。

8年前の当時から、鍼灸院に来院する不妊症の患者さんは、何度も体外受精を繰り返しているような方が多かった、という事情がありました。

こうした対策で、卵子の若返り、子宮内膜の改善を鍼灸治療で行っていきますが、そもそもこうした難治性の不妊治療は体外受精などの高度生殖医療があってのものです。

鍼灸だけで難治性不妊患者が妊娠できるわけではないのです。

今ですと、シンポジウム打ち合わせはZoomを使ってリモートで行いますが、当時はそんなものはありませんでした。私がコーディネーターになり、登壇者の講義内容をすり合わせしました。

懇親会では、日本IVF学会理事長の森本先生と意気投合しまして(;^ω^) こんな写真が。。。

懇親会では、宴の始まりに日本一の美声と言われた郡山第五中学校の合唱を披露していただきました。この歌声がすごく、泣いた方もたくさんおられました。

準備3年。3日間の学会が終わり、大会実行委員会で記念撮影をしました。

来年の5月24日(金)~26日(日)に、第73回全日本鍼灸学会宮城大会となって、ふたたびこの学会が東北に戻ってきます。仙台国際センターを借り切って開催しますが、私は大会実行委員長を仰せつかりました。

もちろん、私からもセッション企画をいくつか提案させていただき、順調に準備が進められています。

来年、このブログで開催記を書いていきたいと思います。

大きな学会運営の記憶(2)

前回の続き、第64回全日本鍼灸学会ふくしま大会の1日目、朝のミーティングの続きですが。。。

当院に入職・嫁に入る前の美智先生です。

この数年後に、我が家に嫁に来るとは思わなかった(;^ω^)

実行委員のユニフォームはポロシャツですが、色分けで階級が決まっているという超カースト制度。

クローク係は鍼灸学校を卒業したばかりの、和樹先生。

緑色は最下級グレードでした(笑)

大会事務局で、しらかわんと一緒に学会会頭の三潴先生。すでに8年前の写真ですが、今も変わらないですよ。

本当にいろいろ面倒見ていただいて、大会開催までこぎつけました。

一般口演発表、学生発表は全部で300題近く。全部ポスター発表でした。

こちらもポスター。明生鍼灸院の鈴木院長が熱心に見入っています。発表者はIVFなんばで鍼灸を行っている粉川先生だったような。

実は、私も鍼のメーカーであるセイリンさんに依頼されて、セイリンさんの展示ブース前でミニセミナーをやらせていただきました。

たしか、パイネックスという貼り付けり鍼を使ったつわり症状の治療を披露したように覚えています。

今思い返しても、楽しかったなぁ、と思います。

このシリーズはもう1~2回あります。

新年最初の研修会 全日本鍼灸学会郡山講座 1月15日

1月15日の日曜日は、所属している全日本鍼灸学会の郡山研修でした。

14日夜に学術委員会があり委員の先生方が集まるので、私は自腹を切って会場近くのホテルに前泊でした。

遠方の委員は宿泊費が出るんですが(;^ω^)

ホテルのフロント前の、正月の飾り。賑やかでいいもんですね。

翌日は、福島県立医科大学 地域・家庭医療学講座の豊田先生の講座を拝聴しました。

会場は学生さんもいて、リモートを入れれば100名以上の参加者でした。

私は学会役員でもあるので、Zoomのリモートの参加の管理をしました。

第2講座は、森之宮医療大学の仲西教授による、嗅覚・味覚障害の鍼灸治療でした。

右が仲西教授、左は座長の福島医療専門学校の手塚先生でした。

実技は非常に多くの時間を使い、明日から使える技術のオンパレードで、見ごたえたっぷりでした。

鍼灸が効果のある疾患、症状を知り、守備範囲を広めること

新年1発目の勉強会は、所属している全日本鍼灸学会の東北支部の研修会になります。

1月15日(日)郡山労働福祉会館で開催されますが、役員でもあるのでいろいろ準備もあります。

内容は3部構成で、それぞれ受講すると認定ポイントが付きます。

講演1 <B講座> 10:30~12:35
「ポートフォリオとは」 – 教育に携わる方へも –
講師  福島県立医科大学医学部 地域・家庭医療学講座 医師 豊田喜弘 先生

講演2 <A講座> 13:05~14:15
「味覚・嗅覚障害と鍼灸」
講師  森ノ宮医療大学 医療技術学部 鍼灸学科 教授 仲西宏元 先生

講演3 <A講座> 14:25~15:55
「味覚・嗅覚障害の鍼灸治療」(実技披露含む)
講師  森ノ宮医療大学 医療技術学部 鍼灸学科 教授 仲西宏元 先生

講演1の、福島医大 地域・家庭医療講座の豊田先生の講座は、2年前の冬に聴講させていただきました。家庭医療についての講座ですが、さまざまな疾患や症状で、プラ入り・ケアとして接することが多い鍼灸師はぜひ聞いてほしい内容でした。

今回は学生さんの参加をターゲットにしているので、内容はポートフォリオという聞きなれない言葉の内容です。ポートフォリオとはもともと金融業界の言葉だそうですが、教育にも使われる言葉で学習成果などを積み上げて行き、指導などに役立てるものだそうです。

すでに鍼灸治療を行っている者にとって無用の知識であるようですが、こうしたものを知って日常臨床を行うと、いろんな場面に役立つと思うのです。

●▽治療専門とか、たとえば鍼灸治療でも不妊治療専門とかスポーツ鍼灸専門とか見かけますが、専門性を謳っていてそれ以外は全くダメ、というのでは、その専門性にも疑問が出ます。

私は40年近い鍼灸師人生を振り返り、あらゆる広範な知識があって、その上に専門性があると思っています。

講演2,3は味覚や嗅覚障害の鍼灸治療ということで、森之宮医療大学の仲西教授の講義です。しかもうれしい鍼灸実技付き。

痛みやしびれなどの痛覚障害、耳鳴りや難聴といった感覚器障害以外に、嗅覚や味覚障害といった方面にも鍼灸は効果がありますが、その原因や効果の機序を知る機会はあまりありません。

こうした基礎を知り、しかも効果的な鍼灸治療の実技が付くのですから参加しない手はありませんね。

この日の講座をすべて受講すると、A講座2ポイント×2=4,B講座1ポイント×1=1 の合計5ポイントを取得できます。

5年間で80ポイント以上獲得すると、学会の認定試験を受けることができます。この試験に合格すると『全日本鍼灸学会 認定鍼灸師』となります。

私は昨年認定試験を受け、無事に認定鍼灸師になることができました。

認定鍼灸師制度は更新制のため、5年間に様々な研修を受けてポイントを貯め、更新のための認定試験を5年ごとに受験することになります。

鍼灸師免許は更新制のない身分免許なので、陳腐化しないようにこうした勉強が必要になってきます。

当院の今年の学術活動は

今年は、下記のような状況で学会や研修会に参加いたします。

1月15日(日) 全日本鍼灸学会東北支部郡山B講座
コロナ後遺症を見据えた、嗅覚・味覚障害の鍼灸治療になります。

コロナ感染拡大で講師の先生が福島まで来れない場合は、なんと三瓶が大阪の森之宮医療大学へ機材を持っていき、郡山までネット中継することになっています(;^ω^)

4月23日(日) 福島県鍼灸師会春季学術講習会
コロナ後遺症に対する鍼灸治療で、会津医療センター鈴木雅雄教授の講義があります。

6月9日(金)~11日(日) 第72回全日本鍼灸学会神戸大会
その翌年の2024年の学会73回大会は仙台で、三瓶が実行委員長です。

6月未定 全日本鍼灸学会 盛岡A講座

7月未定 福島県鍼灸師会夏季学術講習会

9月未定 東北鍼灸学会盛岡大会

11月未定 全日本鍼灸学会東北支部学術集会(仙台)

12月未定 第18回日本鍼灸師会全国大会

12月17日(日) 福島県鍼灸師会冬季学術講習会
筑波技術大学 鮎沢教授 茨木県立医療大学 石山助教を招聘しての、脳神経外科・頭痛の特集を予定しています。

だいたいこんな一年間の研修予定です。

そのほか、個人的に勉強したい講習会などをネットで学習となります。昨年は不妊を中心に5回くらい参加しています。

そのほか、スポーツボランティアが2回、鍼灸体験教室(郡山保健所)が1回あります。なかなか忙しいです。

あと、当院主催の開業塾を年間で4回ほど。

自分が講師を務める学会や講習会ですが、1件だけ打診がありました。看護系の学会ですが、もしかしたら講師で登壇するかもしれません。でも九州だからなぁ、、遠いなぁ。