痛みを主にした疾患 腰痛や神経痛など、頭痛、胃の痛みなど、

 

●腰痛、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎椎間関節症、筋膜性腰痛症 など

痛みを訴える疾患症状では、腰痛がいちばん当院の来院の頻度が高いようです。

 

腰痛の原因は多彩であり、労働による疲労、良くない姿勢によるもの、 20~30代では椎間板ヘルニアが多く、症状の激しい患者さんが多いようです。

 

また近年は精神的なストレスによっても腰痛が発症することが知られています。

 

症状の強い場合には、整形外科での治療を第一にして、その次の手段として鍼灸治療を選ぶべきと考えますが、鍼灸も良い効果があります。

 

椎間板ヘルニアの鍼灸治療の場合、ヘルニアの痛みのせいで、痛みのある方の足全体の血行が悪くなり、痛みのほかに冷たく感じたりすることが良くあります。

 

鍼灸治療を行うことにより、ヘルニアを起こしている椎間板付近の炎症がおさまりやすくなり、また足全体の血行が改善することにより、症状が良くなっていきます。

 

労働や良くない姿勢によるものは、筋肉の柔軟性を取り戻せるような鍼灸治療を行います。

 

ストレスによって起きていると思われる腰痛は、体全体の元気を取り戻す治療も同時に行います。

 

通常、足まで痛みやシビレがある場合は20回程度、腰までの痛みの場合は10回程度の治療が必要なようです。

 

 

 上は、2007年東北鍼灸学会で、【腰痛】を講演した際のテキストです。
 よろしかったらお読みください。(PDF・422キロバイト)

 

 

 

●坐骨神経痛、腰部脊柱管狭窄症(単に、脊柱管狭窄症とも)

下肢に痛みやシビレ感を訴える坐骨神経痛や、近年多くなってきている腰部脊柱管狭窄症にも、鍼灸は有効です。

 

 

脊柱管狭窄症の症状は坐骨神経痛と症状が大変よく似ていますが、一定距離の歩行や、また背筋を伸ばして立ったまいると、下肢に痛みやシビレが現れ、腰をかがめて休むと、短時間で症状が軽快するという特徴があります。

 

坐骨神経痛の原因は、多くは腰椎付近にあります。

脊椎や脊柱といった、背骨に関係する場所が原因であることが多く、骨が原因=手術しないと治らない、のようなイメージがありますが、決してそうではありません。

整形外科などでも、痛み止めの薬などで、ほとんどは内科的な治療を行なっています。

 

また腰部脊柱管狭窄症の原因も、多くは腰椎・仙椎付近の神経の炎症にあります。

鍼灸治療は腰椎、仙椎付近の血行の改善を促し、炎症を和らげて症状の消失を早めます。

 

 

腰部脊柱管狭窄症については、こちらのページでも書いています。

 

 

 

●疲労性の腰痛

40代以降は、慢性的な腰痛が大変多くなり、これは鍼灸治療が一番効果があるようです。

 

体を支える腰椎付近の筋肉などの慢性的な疲労や、腰椎の老化による変形などが出てくる年齢ですが、痛みがあるときは集中的な治療を行い、また改善したあとでも疲労回復を意識した管理的な治療を月に2回程度行うと、腰痛の再発がずっと少なくなっていきます。

 

 

 

●関節の痛み

膝の関節痛、水のたまる膝の関節痛、関節炎、ひじの痛み、手首の痛み、足首の痛み、捻挫、などに鍼灸は特に有効です。

 

鍼灸は炎症を起こしている関節の血行を改善し、炎症を鎮めます。

 

 

●骨粗鬆症

特に女性の場合、60代以上になってくると骨粗鬆症(こつそしょうしょう)による腰椎の圧迫骨折などが多くなってきます。

この年齢での急な腰痛の発症の場合で、通院が困難なくらい重症な場合は整形外科での診察や治療が第一となります。

 

しかし鍼灸治療もとてもよい効果があり、骨粗鬆症が慢性的な経過をたどっている場合など、背骨付近の筋肉の血行を改善し、慢性の疼痛を和らげ、治癒を促進する働きがあります。

 

 

●モルトン病

足の骨の指の間にしこりができ、そのために痛みを起こすモルトン病には鍼灸はとても良い効果があります。積極的に手術をすすめられている方でない限り、多くは3~5回程度の治療で効果が現れます。

 

足の骨の間にできている繊維性のしこりは、鍼灸で消え去ることは考えにくいのですが、それによって起きている炎症による痛みなどの症状は患部の血行を改善することによって軽快していきます。

 

この疾患については、自宅でのお灸も良い効果がありますので、通院の合間に自宅でのお灸をとくにおすすめ致します。

 

 

 

●頭痛・肩こり

肩が凝って痛む、筋・緊張性頭痛、偏頭痛はともに鍼灸が良く効きます。

特に筋・緊張性頭痛は原因となっているストレス状態や肩こりも同時に治療しますので、原因療法にもなります。