月経痛・PMS(月経前症候群)と鍼灸
なぜ妊娠できないか 月経痛について
その月経痛、子宮内膜症体質では?
未妊・不妊期間が長い=月経の回数を多く経験する=起こりやすい子宮内膜症体質
子宮内膜症という病気がありますが、これはたとえば重度になれば卵巣や卵管の癒着を引き起こしたり、卵巣にチョコレート嚢種が出来たりします。
軽症な子宮内膜症は診断されること自体が少なく、主な症状である月経痛だけで済まされるケースが多いようです。
つまり、単なる月経痛・生理痛と思っていても、軽度な子宮内膜症である場合があります。
妊娠しにくい体質としては、この軽症な子宮内膜症などが腹水の免疫を過剰にし、妊娠しにくい体質を作っています。
東洋医学ではこの体質を瘀血(おけつ)と呼びます。当院でも症状を訊き、舌診や腹鍼で診たてを行います。
上の図は、ハンス・エバーズという、ヨーロッパ生殖学会の会長を務めた方が、不妊症に子宮内膜症が関わったとされる割合を調べたものです。年ごとに割合が多くなったのは、増加したのではなく画像診断が進んで診断率が上がったからだそうです。
子宮内膜症の確定診断は、ずっと昔は手術で腹腔内を目視して診断していたそうで、そういった検査自体が少なかったからだそうです。
卵巣がんの腫瘍マーカーであるCA-125が35以上で陽性ということですが、それ以下の場合ははっきりと子宮内膜症と診断されることはないようです。
なお2025年4月現在、不妊どころか中学生、高校生で子宮内膜症と診断され、ピルを服用しながら鍼灸治療に来院する方が何人かおられます。
子宮内膜症は確実に若年齢化しているようです。
子宮内膜症の症状は?
子宮内膜症の症状は主に月経困難症として、月経痛、月経時の頭痛、腰痛などとして出現します。また初潮時ではなく年々強くなってきた、という特徴があります。
この痛みは子宮を攣縮させるプロスタグランジンという発痛物質のせいで起こされます。
もし子宮内膜症であれば、これだけの不妊の原因がある
子宮内膜症であるなら、腹腔にある腹水の免疫異常が起こりやすく、以下のような不妊の原因があるという研究があります。(カッコ内は研究者名、論文発表年)
- 卵管の卵子捕獲能抑制(Suginami ,et al,1986)
- マウス初期胚発育抑制(Prought ,et al,1990)
- ハムスターテストによる精子受精能低下(Aeby,et al,1996)
- 精子先体反応低下(Armugam,et al,1994)
- 精子運動能低下(Curtis,et al,1993)
月経痛がすべて子宮内膜症と診断されるわけではありませんが、結婚し妊娠を希望される年代で月経痛を訴える場合は、高い確率で子宮内膜症に罹患している可能性があります。
痛み止めの薬の服用が不妊の原因に
月経痛の治療では痛み止めの服用が一般的ですが、プロスタグランジンの働きのひとつに、卵への精子の誘導があります。痛み止めでプロスタグランジンをブロックすると、卵めがけて精子が泳ぐことができず、受精にくくなると言われています。
また非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)服用は排卵を抑制する事が知られています。https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/di/digital/201604/546451.html
鍼灸は子宮内膜症の痛みにも良い効果があります。痛みにも効いて不妊治療に効果の期待できる鍼灸をお勧めします。
PMS(月経前症候群)とPMDD(月経前気分不快障害)と鍼灸について
PMS(月経前症候群)とは月経の前10日あたりから、胸の張り、頭痛、腹痛、肩こり症状など多彩な症状が起きるもので、月経が起こるとすっきり治ってしまうものです。
そのうち、うつ症状、イライラ、不安感・緊張感など精神症状の強い部分をPMDD(月経前気分不快障害)と呼びます。
月経痛、子宮内膜症同様に東洋医学ではこの体質を瘀血(おけつ)と呼び、不妊の原因にもなります。
PMSもPMDDも、ホルモンのアンバランスは関係なく、排卵をさせないようにピルなどを使うと症状をの発生を防げることから、原因は黄体ホルモンにあるようです。
ほか原因は、ストレスや過労など誘因になりやすいことから、もとももと寝不足、肩こり、頭痛体質など持っているとPMSやPMDDが起こりやすいと言えるでしょう。
当院では、婦人科に効果のある鍼灸を行うほか、積極的に肩こり首こりを治療していきます。PMSやPMDDの症状のある方は、ぜひ鍼灸治療をお試しください。
多くの方は、週1回の治療を4~5回で改善します。
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