当院の治療の特色


当院の鍼灸治療について

当院の鍼灸治療は、独自の太極療法です。

治療方針を立てる上で、経絡治療や中医学的弁証論治を取り入れますが、当院で行っている治療法をあえて区分けすれば太極(たいきょく)療法という、体質や病状を細かなパターンに分けてツボを組み合わせる治療法です。

当院創始者・三瓶悌一は常時雇用していた数名の温泉マッサージ師と多数の湯治客を施術し、長年指圧マッサージすることにより体表のコリや陥凹、隆起や変形などから日本人の体質や様々な病状の特性を把握していったといいます。

病状の把握や治療方針の決定には脈診や舌診も積極的に用いますが、経絡治療や中医学的弁証論治ではありません。

 

当院での病状の診察と把握、説明について

当院では患者様の病状や治療方針の説明にはなるべく平易な説明を心掛け、難解な東洋医学的な言葉は使わず、西洋医学・現代医学的な説明を行うようにしています。

また診察では問診を非常に大切にし、必要があれば近郊の開業医や総合病院、あるいは遠くても大学病院へ紹介し連携をします。

問診などでは、福島県立医科大学・会津医療センターで総合内科学講座の総合診療を年に毎年一回福島県鍼灸師会の定期講習会で欠かさず学び、知識のアップデートをしています。

 

当院での不妊治療について

当院の鍼灸による不妊治療は、先代の三瓶悌一のころから行っていました。

『不妊治療・不妊症』という言葉があまり一般的ではなかった当時は『子宝はり』と言って行っていたようです。

現在は国内の有志鍼灸院が集まって『不妊鍼灸ネットワーク』を作り、仲間で様々な勉強会を行い、のちに『一般社団法人JISRAM(日本生殖鍼灸標準化機関) 』となった後でも院長・三瓶真一は副会長を長年務め、現在は監事(監査役)を行っています。

当院ではJISRAMで得たエビデンスのある不妊治療を鍼灸で提供します。

 

 

鍼灸治療のエビデンス(科学的根拠)

痛みに対しての鍼灸治療の効果の根拠 →

・鍼灸刺激はポリモーダル受容器をはじめとする各種感覚受容器を興奮させ、鎮痛効果をもたらす。

・鍼灸の鎮痛機序には、末梢の血流改善、脊髄後角でのゲートコントロール、上位中枢からの下降性抑制系が関与する。

・各種内因性オピオイドが末梢性・中枢性に関与する。

・広汎性侵害抑制調節(DNIC)の機序により、鍼灸刺激の即時的鎮痛現象を説明することができる。

 

筋肉の血流改善の効果の根拠 →

  • ・鍼灸による体性感覚刺激による筋肉の血流調節の仕組みには、1)脳を介する全身性反射調節、2)脊髄を介する脊髄性反射性調節、3)軸索反射による局所性調節、高位中枢を介する調節などがある。
  • ・鍼通電(電気鍼)刺激の全身性筋血流の神経機序として、交感神α受容体を介して腎臓を含めた内臓血流の増大や減少を起こすことにより、血圧の下降または上昇させて間接的に皮膚および筋血流を増減する。
  • ・鍼灸刺激による(ツボなど)局所の血流増加は、(ツボなどの鍼灸刺激による)体性感覚神経刺激による軸索反射機転によるもので、CGRPを介して筋血流を増加させる。

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なぜ鍼灸治療が痛みに効果があるのでしょうか?

動物実験や基礎研究の分野では下記のような論文があります。

実際の患者さんへ鍼灸を行った臨床研究等については、PuMed(海外)J-GLOBAL、J-STAGE(国内)を参照ください。

 

腰痛など痛みを主とする症状で鍼灸治療を行うと、薬や注射などを使っていないにも関わらず治療直後に痛みが軽減したり消失する場合があります。

慢性痛は、『ガンやリウマチなど明らかな原因疾患を除き、痛みを起こす原因が解決しているにも関わらず現れる痛み』のことを言います。このような痛みの場合、痛みが心理的なストレス増大や患部の血行を悪化させて、新たな痛みの出現を起こします。

このような痛みには鍼灸治療が効果があり、痛みを伝える神経を鍼刺激により遮断させたり、痛みを感じている脳の中枢でモルヒネ様の物質を分泌し、痛みを軽減させたりします。

 

痛みに対しての効果は、下記のように主な4つの働きがあります。

 

1)ゲートコントロール説と鍼鎮痛 (脊髄レベルでの痛みの遮断)

修正ゲートコントロール説

触圧覚を伝える太い神経線維(Aβ繊維)の興奮は脊髄後角SG(膠様質)にある抑制性介在ニューロンを興奮させ、T(伝達)細胞を抑制することで、痛みを伝える細い神r経(Aδ、C繊維)からの侵害性興奮が上位中枢(脳の痛みを伝える中枢=視床など)へ伝わることを抑制する。

出展 : Melzack R, Wall PD : The Challenge of Pain , Penguin Books, London, 222-239,1982

 

 

2)広汎性侵害抑制調節(DNIC)の関与による痛みの緩和 (脳など中枢レベルでの痛みの遮断)

痛み刺激を伝える脊髄後角や、三叉神経脊髄路核の広作動域ニューロンと呼ばれる侵害受容性ニューロンの興奮活動が、全身の様々な組織への(鍼や灸などの)様々な侵害刺激によって抑制される。この痛みの緩和現象はナロキソンの投与で抑制され、脳の部分的破壊後に再現できないことからSRD(延髄背側網様亜核)や視床内側下核の関与が考えられている。

出展 : Le Bars D , Dickenson AH , Besson JM : Diffuse noxius infibitory controls (Dnic)  I. effects on dorsal horn neurons in the rat. Pain 6 : 283-304 1979 / Bing Z, Villanueva L, Le Bars D : Acupuncture and diffuse noxious inhibitory controls - naloxone - reversible depression of activities of trigeminal convergent neurons. Neuroscience 37, 809 - 813, 1990

 

 

3)鍼刺激における内因性オピオイドの関与による痛みの緩和 (脳内でのモルヒネ様物質の分泌)

鍼による鎮痛効果を論じるとき、鍼麻酔を抜くことはできない。文化大革命後、中国で行われていた鍼麻酔による外科手術は、政治的なパフォーマンスはあったがその鎮痛効果はオピオイド(脳内モルヒネ)受容体拮抗薬であるナロキンソンの投与で抑制されることが分かり、これは鍼刺激により脳内にモルヒネ様物質が産生され、これが鍼麻酔の科学的根拠になった。

出展 : Chen XH, Han JS : Analgesia induced by electroacupuncture of different frequencies is mediated by different types of opioid receptors : another cross - tolerance study. Behav Brain Res 47 : 143-149 1992

 

 

4)鍼刺激部位の疼痛抑制 (トリガーポイント)

鍼の刺激部位としての経穴(ツボ)の状況は、索状の硬結(スジばり、こり)や圧痛が存在する。このような特徴は筋筋膜性疼痛患者に見られる、いわゆるトリガーポイントによくみられる。この経穴に鍼刺激を行うとトリガーポイントを不活化させ鎮痛効果をもたらす。

出展 : Sekido R, Ishimaru K, Sakita M : Differences of erectroacupuncture - induced analgestic efffect in normal and inflammatory conditions in rats. Am J Chin Med 31 : 955 - 965, 2003 / Bardry PE : トリガーポイント鍼療法(川喜多健司訳) 医道の日本社 , 77 - 107 1995 / 川喜多健司:侵害刺激としての鍼刺激 - ポリモーダル受容器仮説-, 鍼灸の科学, 医歯薬出版, 395 - 408 , 2000 

 

 

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単に痛み止めだけではない、筋肉の血行を改善して患部の疲労回復や修復を早める鍼灸の働き

 

鍼灸治療は筋肉などの血行を改善し、慢性の疲労による痛みや、たとえばスポーツ選手のトレーニングの疲労回復などに役立っています。

先に書いた痛みに対する鍼灸の効果は麻酔的な効果もあり、下で説明する血行改善の効果は、痛みのもとになっている血行不足や、損傷している筋などの回復の効果を示唆します。

 

慢性の疲労などによる痛みに対する鍼灸の効果

1)坐骨神経痛患肢患部の皮膚温上昇効果

筋の持続的緊張や疲労により筋に代謝産物が蓄積されると、筋に分布する侵害受容器が興奮して痛みを起こすが、その際に筋支配の交感神経が反射性に興奮し、筋の血行を悪化させ、痛みが増悪する。このような場合、筋の虚血を改善することにより。痛みの改善が軽減する。

こうした筋疲労や筋の持続的緊張に、よる筋肉痛などの痛みについて、鍼灸治療が有効で良く当院にも来院する。 木下晴都(1915~1997)らは、坐骨神経痛症状を呈する患者の疼痛部筋への鍼灸刺激により患部の筋肉度が上昇することから、筋血流増加を推定している。

出展: 木下晴都 : 局所疼痛に対する針作用の実験的研究, Ⅰ: 皮膚温 , 筋肉温 , 脈波から検した疼痛に対する針灸の作用機序 , 昭和医学会誌 41: 147 - 156 , 1981

 

 

2)下腿部鍼刺激による下腿血流量の増加

松本勅らはストレインゲージプレチスモグラフィーにより下腿の血流を測定し、下腿部の鍼刺激により下腿の血流が増加することを報告している。

出展: 松本勅 , 篠原昭二 , 池内隆治ら :鍼刺激によるヒト下腿血流の改善 , 明治鍼灸医学 , 6 : 83 - 87 , 1981

 

 

3)動物実験による鍼通電後筋血流量増加

北島敏光らは水素クリアランス方により、イヌの足三里への鍼通電刺激で後肢の筋血流が増加する事を報告している。

出展: 北島敏光 , 緒方博丸 : 硬膜外脊髄通電と針通電刺激による組織血流量 , ペインクリニック ,10 : 472 - 476 , 1989

 

 

4)ヒト血管支配交感神経への関与

鍼刺激は自律神経系に様々な反射性反応を起こすことが知られており、鍼刺激みよる筋血流の増加には筋支配の交感神経が関与していると予想される。実際に鍼刺激はヒト筋血管神経支配の交感神経に反射正反応を起こすことが報告されている。

出展: 森山朝正: 鍼刺激によって人の筋交感神経活動が初期にexcitation , 刺激中にinhibintion を起こす現象の微小神経電図法による検討 , 日本生理学会雑誌 , 49 : 711 - 721 , 1987 / Sugiyama, Y . , Xue, YX ,.Mano, T : Transient increase in human muscle sympathetic nerve activity during manual acupuncture . Jpn . J Physiol . ,45 : 337 - 345,1995

 

 

5)鍼灸刺激によって起こる全身性筋血流改善の神経性機序

麻酔動物を用いて鍼通電刺激による反応をレーザードップラー血流計で観察すると、後肢足蹠への1.2mA以上の鍼通電刺激で強度に依存した大腿二頭筋血流の増加反応が出現する。

出展: Noguchi, E , Osaw H , Kobayashi S , Shimura M , Uchida S , Sato Y , : The effect of electoroacupuncture stimulation on the muscle blood flow of the hindlimb In anesthetized rats : J Auton Nerv Syst 75 : 78 - 86 1999 / 野口栄太郎 , 小林聡 , 大沢秀雄 , 山口真二郎 , 佐藤優子 : 鍼通電刺激によるラット皮膚血流の変化とその神経性機序 -筋・腎血流との比較- : 自律神経 37 , 440 - 448 , 2000 /  野口栄太郎 , 小林聡 , 大沢秀雄 , 佐藤優子 : 鍼通電刺激に皮膚および筋血流反応の神経性機序 : 自律神経 37 , 625 - 627 , 2000

 

レーザードップラー血流計を用い下腿三頭筋の血流を測定し、後足蹠に電子灸刺激装置で透熱灸様の熱刺激を加えた際にも、鍼通電と同様の筋血流増加が下腿三頭筋でも起きる。

出展: 野口栄太郎 , 大沢秀雄 , 森秀俊 , 坂井友実 : 麻酔ラットにおける灸様熱刺激による骨格筋局所血流の変化とその神経機序 : 自律神経 41 , 423 - 430 , 2004

 

上記1)~5)の実験時に同時に腎血流の一過性減少を認めたが、ともに交感神経α受容体遮断薬(フェントラミン)を投与するとこの腎血流減少は起きない。つまり鍼灸刺激(鍼通電刺激、電子灸刺激)は交感神経α受容体を介して腎臓を含めた内臓の血流を減少または増加を起こし、血圧の変化を起こさせたことにより筋血流を増加させたものと考えられる

出展: 野口栄太郎 , 小林聡 , 大沢秀雄 , 内田さえ ,志村まゆら , 佐藤優子 : 鍼通電刺激によるラット骨格筋血流増加反応の神経性調節機構 : 自律神経 36 :56 - 64 , 1999 

 

 

6)鍼灸刺激によって起こる刺激局所(ツボ)の神経性機序=ツボの鍼灸刺激による局所の血管拡張について

Jansenら(1989)は皮弁における血流の測定で、サブスタンスP(SP)やカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)投与時と同様の皮弁部の皮膚血管血流増加反応が、皮弁基部への鍼通電刺激で起きることを報告し、鍼刺激局所で血管拡張物質を介する血増加反応の存在を示唆している。

出展: Janse G , Lundeberg T ,Klaratansson J ,et al : Acupuncture and sensory neuropeptides Increase coetaneous blood flow in rats . Nuroscience Letters 97 : 305 - 309 , 1989

 

 

 

 

 

以降執筆中・・・

 

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