東北鍼灸学会にて

8月31日、9月1日に、第55回東北鍼灸学会が開催されました。

東北6県の鍼灸師会で開催する年に一回の学会で、仙台の仙台赤門医療専門学校が会場でした。

各県代表の一般口演発表では、那須塩原市・西那須野の赤田山はり・きゅうマッサージ接骨院の高橋吉明先生が、医療連携をテーマに発表されました。

ご夫妻での発表、お疲れ様でした。

赤田山はり・きゅうマッサージ接骨院
栃木県那須塩原市上赤田238−437
電話0287-46-5598

赤田山はり・きゅうマッサージ接骨院の髙橋先生夫妻は、お二人とも私の愛弟子です。当院独自の不妊鍼灸も深くすべて伝授しています。

卵質の改善、採卵成績の改善に用いるレーザー機器、超音波治療器も完備して非常に高価の高い卵巣機能改善も行っています。

 

学会理事会での豪華弁当!

私は役員なので、学会理事会で美味しい豪華弁当をいただきました。

懇親会では、利酒コンテストがありました。

楽しい学会でした。

来年は福島県で開催になります。

不妊鍼灸・患者さんへの対応 いろいろな思いの患者さん

9月の診療案内
https://sanpei89in.com/blog/?p=4594

9月8日(日)は午前中診療します。
9月22日(日)、23日(祝)は休診となります。
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カナケンセミナーや、わが福島県鍼灸師会でのオンライン不妊症セミナーで話した内容をもうちょっと書いていきます。

不妊治療を受けに患者さんが来られるわけですが、みなさん当たり前ですが妊娠出産を希望しておられます。

しかしごく一部ですが、すっかり妊娠をあきらめていらっしゃるかたもおられます。さまざまな治療を行ったけど、妊娠できなかった、という方もいらっしゃるし、そもそも夫が非協力的で、専門医の治療に進めない、という方もこれまでいました。

中には体外受精まで行ったけど妊娠できなくて、姑さんに『うちの息子はどこも悪くないんだけど妊娠できないから』と言って、お嫁さんを連れて来たこともありました。

諦めたけど、鍼灸だけでも続けていれば、周囲への『私はまだ頑張っているんです』という言い訳にになる、と考えたのででしょうか。真面目に通われる方もおられます。

ところが、そうした患者さんを治療していると、体調がよくなり妊娠できるかもしれないと前向きになり、また専門医での治療を目指す方がおられます。

またそうした中に自然妊娠される方が、少なからずおられます。

当院の不妊治療の特徴は、人工授精を行っている方、体外受精を行っている方でも自然妊娠される方がおられることです。

鍼灸を受けに行くことが苦痛ではなく、楽しみになるような対応が必要です。多くのストレスを抱えている患者さんを癒していければ生殖機能は高まると考えます。

12月か1月に、第3回オンライン不妊症セミナーを開催したいと思いますが、その時にまたこれらの患者さんへの対応を復習してお話ししようと思っています。

不妊鍼灸・患者さんへの対応・流産編(2)

鍼灸師の教育課程では、『死』についての学習がないか、あってもごくわずかと思います。

流産は不妊で治療されていた方にとっては、自身の死、家族の死にも値するのではないかと感じます。

体外受精では、凍結胚を移植するとき『子供を迎えに行く』と思われる方もいらっしゃいます。凍結した胚の写真を見てわが子のように『可愛い』と声に出すかたもおられます。私には全く不思議ではなく、当たり前に思います。

流産、死をどう受け入れるか。

以前に不妊鍼灸ネットワーク時代に、不妊症専門看護師の菅野先生(ファテリティクリニック東京・看護師長)の講義を受けたことがありました。

その時のテーマがキューブラー・ロスの著書の抜粋からの、流産について、でした。

死=流産を受け入れるまでの心理状態のプロセスをまとめたものが、『死の瞬間』に書かれています。

流産してしまって、それですべての治療を終了する方もおられます。一方、新たに治療に踏み出す方もおられます。どちらが正しいということはありません。

術者としては、患者さんがから治療復帰の連絡を待つことしかできません。

 

不妊鍼灸・患者さんへの対応・流産編

9月の診療案内
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9月8日(日)は午前中診療します。
9月22日(日)、23日(祝)は休診となります。
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8月25日に東京の八丁堀・日本鍼灸福祉専門学校で開催された、カナケン・セミナーでお話しした内容をもうちょっと書きます。

ちょうど今日は、学会で発表できるような自然妊娠の方がいらっしゃいました。無排卵・無月経で長期の治療になりましたが、鍼灸を行いながら専門医を紹介し、転院してカウフマン療法を行い、人工授精(4回目)周期に自然妊娠した方でした。

お年も40歳が近づいてきた年齢。郡山から頑張って鍼灸に通った甲斐がありました。

無月経は第1度、第2度とありますが、鍼灸だけで再度月経が来るのはなかなか難しいです。

この患者さんも専門医によるしてホルモン療法を行いました。その後は鍼灸の効果だったか、持続的に順調に自然排卵が続くようになりました。

妊娠され、順調に続くことを願うばかりですが、鍼灸は妊娠継続に良い効果があります。もうちょっと鍼灸は続けます。

さてカナケンセミナーでの話。

せっかく妊娠しても、流産されることが良くあります。

特に、不妊症だった方が自然妊娠した場合、流産される方は特に多いと感じます。それは、妊娠出来なかった原因にホルモンがあり、鍼灸でホルモンが改善して妊娠したとしても、出産できるまでの回復までにもう一歩!という時期だったかもしれません

初期の流産の7割は偶発的な染色体の異常が原因と言われています。つまり流産の7割は受精の時に運命が決まる、ということだそうです。

しかし、残り3割に黄体機能不全などホルモンに原因があります。だから改善途中の妊娠だから流産が多いのかもしれません。

流産は大変つらいですが、当院では鍼灸治療を開始する前に『鍼灸を開始して1回目や2回目の妊娠は、流産することが多い』と説明します。これは流産した際にはとても言えないからです。

流産はとても辛いことですが、妊娠しなければ流産もしません。多くの鍼灸院には一人目の子供が授からない(原発性不妊)の方は多いと思います。

そのほとんどの方は、化学妊娠(胎嚢確認まで至らない妊娠反応のみ)すらない方ばかりなのです。

妊娠できた現実は事実として受け入れ、妊娠を喜ぶのではなく『夫婦ともども妊娠でっきる体であった』事を喜んで、安心していただきたいと思います。

流産はとてもつらいものですが、妊娠できたからこそあり得る不幸です。次の妊娠に向けて治療の時期を逃さないでほしいと思います。

流産して失意の底におられる方がもし読まれておりましたら、まずは一言お見舞い申し上げます。治療者側の一意見として、まずはご容赦下さい。

カナケン 不妊症セミナーでお話しした内容の一部

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9月1日(日)は東北鍼灸学会出席で休診となります。
9月22日(日)、23日(祝)は休診となります。
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8月25日は早朝だけで診療し、午後1時から東京の八丁堀にある東京医療福祉専門学校で(株)カナケンさんのセミナー講師をしてきました。

講義時間4時間の不妊症のセミナーです。

実技が1時間くらい。ほかパワーポイントを使った座学が3時間でした。非常に長いセミナーですが、これでも伝えきれません。

何枚かスライドを紹介します。

 

妊娠カップルの精液所見像

もう何回かこのブログでもお伝えしていますが、WHOの精液基準が下限基準値であることを伝えるための資料です。

聖マリアンナ医科大学教授時代の現国際医療福祉大学教授の岩本先生の貴重な研究です。

すでにお子さんがいるカップル(正確には妊婦さんのパートナー)の精液所見を研究したものです。

全体で、1ミリリットル当たり1億2千万くらいの精子となっています。

ところが、妊娠を問わない、18歳から24歳までの男性を調べると平均は6千800万ということでした。この平均でも十分な精液濃度ですが、この中には平均を大きく下回る精液所見の方がいるはずで、その方が例えば妊娠率を大きく下げている原因になっている、という話をしました。

もちろん、当院で行っている男性不妊の治療法も紹介しました。

 

基礎体温表の解釈・基礎体温で気を付けること

最近は、スマホのアプリで記録している方も多い基礎体温ですが、奇麗かどうか、気にする必要はありません。2層になっていればOKとします。

ただし、月経周期が25日以下の方は要注意。高FSH・低AMHが予測され、自然妊娠ばかり狙って長期間治療すると手遅れになることがあります。

早めの医療連携が求められます。

 

タイミング指導について

排卵日を狙って性交を行うと首尾よく妊娠を狙えそうですが、実は排卵日に射精して受精すると80%以上の確率で流産する。
出展は→(Wilcox AJ et.al. Hum Reprod 13: 394-397, 1998)

なお、上記の出展はオックスフォード大学出版局の生殖医療学術誌です。

一番妊娠率が高いのは、排卵2日前のタイミングということですが、性交回数が少ない(5回未満)だと、やはり流産率が高い。

排卵して基礎体温も高くなり、もはや妊娠に関係ない黄体期にも性交を行うと、妊娠継続を助ける働きがある。
出展は→(Science 1995; 270: 630 / Mol Hum Reprod 2006; 12: 301 / Biol Reprod 2009; 80: 1036 / Hum Reprod Update 2009; 15: 517 (Review) / J Reprod Immunol. 2010; 85:121)

実に多数の学者の研究結果があります。

一番良いのは、月経がすっかり終わったら一日おきに10回性交を行うと良いと思います。患者さんへのタイミング指導に役立ててほしいと思いました。

 

継続した治療の必要性を説く

私たち鍼灸師の治療は体質改善であり、西洋医学的な治療は周期ごとで治療が完結するのに対し、長期にわたって治療を繰り返して体質を向上させる、というものです。

一回治療を行うと、まぁ1週間は治療の効果があると思いますが、1週間以上経過すると、治療を行う前と同じあたりに体の状態が戻ります。

図では、右肩上がりの太実線が、破線で下がるように下がります。

破線が下がりきる前に、つまり、1週に1回を過ぎないように、とか、卵の質の改善や、採卵成績を向上させる場合などは2週で3回から週に2回の治療を必要とします。

なぜ必要なのか、このような図を使って説明すると良い、ということをお話ししました。

不妊期間が長いと、病に親しむ状態の方も多いです。
いかにやる気スイッチを入れるか。モチベーションを高めるか。

大切なことだと思います。

真面目に通われている方には妊娠する方も多いですが、そうでない方にはやはり妊娠は少ないです。

限りある時間を大切に有効に使い、鍼灸だけで妊娠が出来なくても、場合によっては専門医による薬や高度な治療が効きやすくすることも目標にしています。

不妊と妊娠後の鍼灸

お盆明け。

昨日は送り盆。我が家のご先祖様は無事に帰られたでしょうか。

盆中は2日間しか休まなかったので、夏休みとか盆休みとか、そういう感じはなく、ただただ暑い毎日でした。

あと40分で店仕舞いですが、ちょっと診療日記を書いてみます。

本日は、20代に卵巣チョコレート嚢腫の手術歴があり、月経周期25日ということで、高FSH・低AMHが疑われたために早めにARTを受けられるよう、隣県の某大学附属病院リプロダクションセンターを紹介させていただいたいただいた方の来院。

リプロダクションセンター紹介後、自然妊娠し、しかし化学流産。鍼灸続行しまた妊娠し、現在は妊娠18週になりました。

ご出産は郡山の高級ホテル並みということで大人気の●▽バースクリニックということでした。ここ凄い人気で、当院卒業の方も何人か今年出産されるようです。

続き、和樹先生の患者さんでPCOSの方。某医大生殖医療センターまで紹介させていただきましたが、積極的な治療を始める前に自然妊娠されたようで、この方ももう妊娠20週くらい。

その前に、排卵障害・PCOS気味で専門医でクロミッド → hMG → レトロゾール(フェマーラ)と続け、卵が出来なくなってきた方のご来院。

この方も辛抱強く鍼灸を続けていたら卵が育つようになり、レトロゾールを使って排卵誘発し、何回目?かの人工授精で妊娠でした。

しかし基礎体温を見たり、経過を見るとどうも人工授精ではなくその数日後のタイミングで妊娠した可能性が濃厚な。

この方も妊娠33週になり今回は逆子でご来院です。
ご主人ともども根気よく鍼灸を続けての快挙でした。

本日最後から二人目の患者さんは、40歳をちょっと越えたARTを受けていた患者さんでした。

仕事も忙しく、十分な頻度の治療はできなかったのですが、6月の採卵で凍結できた卵が良かったのでしょう。

今月の早期胚移植でめでたく妊娠陽性となりました。

鍼灸で卵の質が改善したとか、子宮の内膜が厚くなったとか、鍼灸の効果はありますが、妊娠や出産を目指すことが目的で、卵や子宮が目的ではありません。

例えば早期の流産の原因の大部分は受精時の偶発的な染色体異常ということになっていますが、実はその割合は7割で、残り3割にホルモンの異常などがあります。

もし鍼灸で卵の質や子宮の厚さが改善するのならば、それはホルモンや自律神経を含めた体全体を改善するからです。

妊娠した後も鍼灸を続けると、必ず妊娠した体には良い効果があるはずです。

本日は40代の妊娠例が出ましたが、高齢妊娠につきものの早産は、当院で鍼灸を行っている方ではほとんどなく正期産になる方ばかりです。

8月25日 東京のカナケンセミナー資料を作りながら

9月の診療案内
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8月25日(日)は、東京開催のカナケンセミナーのため朝7時半~8時まで3名限定で診療します。
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不妊で、人工授精を繰り返していてなかなか妊娠せず、当院で鍼灸を続け無事妊娠。

ただし習慣性流産もあり、当院で妊娠後すぐ流産。あきらめずに鍼灸を続け、2ヶ月後にまた自然妊娠。

習慣性流産の患者さん

先日は、妊娠38週まで鍼灸を続けられ、もう大丈夫でしょうといことで無事卒業。今月が出産予定です。

もし陣痛が弱かったり、出産予定日を過ぎるようなら、鍼灸に来てくださいと話しておきました。

お腹の中のお子さんは、ちょっと大きめの女の子だそうです。私もお役に立てたようで何よりです。

ブログに書いていませんが、もう4年超も通われている方がいます。体外受精でやっと授かり、ところがもう安心してよいころ死産してしまいました。

すべての治療を中止されていましたが、また鍼灸や体外受精に復帰され、苦労しましたがまた妊娠されました。

もうちょっとすると胎動が感じられる週数になります。

大事を取られ、まだ週一回の鍼灸を続けられています。

8月25日は東京で不妊のセミナーを依頼されていますが、不妊治療は患者さんと一緒に様々な障壁を乗り越えていくものだと思っています。

辛いこともたくさんあります。でも生まれた赤ちゃんを見せていただいたりすると、そんな辛いことをはるかに越えた嬉しさと充実感を感じます。

講義の資料を作り、メモ欄にこれから気づいたことを書き溜めていき、聴講される先生方にいろいろお伝えしたいと思っています。

 

令和6年 9月の診療案内

<休診>
9月1日(日)東北鍼灸学会宮城大会のため
9月22日(日)23日(月・振替休日)

<日曜・休日診療>
9月8日(日)午前8時~正午まで
9月15日(日) 午前8時~正午まで
9月16日(月・敬老の日)午前8時~正午まで
9月29日(日)午前8時~正午まで

日曜診療について
原則前日までに予約をお願いいたします。
(ご予約のない場合は休診となります)

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・月、火、水、金曜日(完全予約制)
朝8時30分~正午/午後2時~7時30分
※遅くとも当日午後6時までにご連絡下さい。

・木曜日(完全予約制)
朝8時30分~正午/午後は休診

・土曜日(完全予約制)
朝8時00分~正午/午後2時~4時00分

・日曜日・祝祭日(完全予約制)
朝8時00分~正午/午後は休診
(休日などは予告なく診療時間が変わることがあります)

日曜診療は、ご予約のない場合は休診、または正午前に終了いたします。