「不妊症・子宝治療」カテゴリーアーカイブ

第2回オンライン不妊症セミナーを開催しました

7月21日(日)は福島県鍼灸師会夏季学術講習会のため、休診となります。

7月28日(日)は、午前中診療いたします。
(前日までのご予約をお願いいたします。)

8月の診療案内
https://sanpei89in.com/blog/?p=4552
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昨日、7月14日(日)は日曜日で、海の日という祝日でした。

わが鍼灸師会での、今年第2回となるオンラインによる不妊症セミナーをこの日開催しました。

第1回目は2月開催でしたが、全国や海外からの参加申込がたくさんあり、びっくりしました。海外で活躍する日本人の鍼灸師の先生。ぜひ日本鍼灸を世界に広めてください。

当日は、約3時間のZoomを使ったセミナーでした。

・内容
第1部
・なぜ痛む月経痛
・月経トラブルの社会損失
・普通の月経痛と不妊になりやすい月経痛
・痛み止めからの解放が妊娠体質へ
・あらゆる不妊の原因・子宮内膜症とは

第2部
・排卵障害について
・若い女性に多い多嚢胞性卵巣について
・欧米と違う日本人・アジア人種の多嚢胞性卵巣
・基礎体温の見方とタイミング指導について

経営ミニ講話
・ベテラン鍼灸師を蝕むマンネリの恐怖

こんな内容でお話しさせていただきました。

すべてレコーディングして、後日のアーカイブ視聴もできるようにしましたが、ワタクシ普通だと思ってましたがだいぶ訛ってんですね(;^ω^)

 

 

うれしかったこと 2024年7月3日

今日は蒸し暑く、朝からエアコンを入れてました。

いよいよ梅雨に入ってしまったのでしょう。

午前中のんびり診療を行い、午後の1人目の、中華料理屋さんの

ご主人を治療している最中、

『無沙汰してます』と、小柄な女性が入ってきました。

もう何年も前。何度も何度も体外受精を行ってもなかなか妊娠できなくて鍼灸に通っていた方でした。

隣県の大学病院に通い、何度も採卵を行っていましたが、妊娠できないばかりか卵も採れなくなって、困っていた方でした。

鍼灸は真面目に通い、また採卵で卵が採れなかった。もうダメなのか、と気落ちする姿に慰める言葉もなく、できる限りの治療を行っていました。

今であれば、有効な鍼灸治療の技術もいくつかありますし、採卵の成績が飛躍的に良くなるレーザー治療も行っていますが、その当時は今ほど当院の治療も誇れるものがなかったのでした。

高単位のhMG注射の注射でダメ、クロミッドでの低刺激もダメ。当時、使い始める施設が出始めたフェマーラを使い、なんどか採卵し、やっと胚移植まで漕ぎつけました。

無事胚移植後、患者さんの来院がすっかり途絶えました。

当然、結果はダメで、やっと採卵できて移植ができて、もうあきらめたのだろうと思っていました。

ところが、その時に妊娠して無事出産し、その子が5歳になったそうでした。どうしても鍼灸に通っていたことが忘れられず、今日はお礼に来てくださったのだそうでした。

私はすぐ人の名を忘れるのですが、その方の名はずっと気になっていて忘れていませんでした。

知子さん、今日はお子さんの写真を見せていただき、ありがとうございました。このことを励みにして、これからもいろいろな治療法を研究していきます。

胚移植後~妊娠初期の出血について

7月の休日診療案内

<休診>
7月7日(日) 全日本鍼灸学会盛岡講座のため
7月21日(日) 福島県鍼灸師会夏季学術講習会のため

<日曜・休日診療>
7月14日(日) 午前8時~正午まで
7月15日(月・祝) 午前8時~正午まで
7月28日(日) 午前8時~11時まで

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着床後に子宮から出血を訴える方が割合多くいます、

特に、体外受精の胚移植後の妊娠者に多い印象がありますが、一番心配なのは進行流産で、出血量が多くなったり先決であったりする場合は要注意です。

現在当院で無事妊娠し、妊娠20週越えの安全圏まで行く途中に、出血を訴えていた方は3人いました。

うち1名は妊娠8週で、もう1名は自然妊娠で11週。1名は12週。3人とも着床後から出血を訴えていました。

子宮の内膜に胎盤になる絨毛組織が根を張ると、小さな血管を壊して広がることがあり、それが血腫になって出血を起こすことがあります。

ほとんどは心配ないもので、やがて吸収されるようになります。

ただし中にはおおきな血腫となって胎盤をはがすこともありますから、血腫が見つかったり、出血がある時はあまり体を動かさないほうが良いです。

当院では、妊娠前から使っていた三陰交などのツボのお灸を勧めています。三陰交に灸を行うことによって、血腫が吸収されやすくなる印象があります。

6月30日(日)午後は、男性不妊の症例発表で日本東洋医学会福島県部会 学術総会へ

7月の診療案内 →

5月・6月・7月は学会と研修が重なって大忙しです。

今週末6月30日(日)は、郡山市での日本東洋医学会福島県部会の学術集会に参加します。

日本東洋医学会はそもそも漢方を扱う医師の学会です。

会津医療センターの、三潴忠道・元教授、鈴木雅雄教授の長年のお骨折りで、我々鍼灸師にもお声がかかるようになりました。

毎年、鍼灸のセッションを入れたいという安斎会長(福島市・安斎外科胃腸科医院)、佐藤事務局長(福島市・天神橋クリニック)の要望もあり、この度郡山で開催される学術総会で団sネイ不妊の鍼灸の効果を1例報告ですが、やらせていただくことになりました。

下の画像ですが、発表のスライドの最後の考察のものです。

健康な200カップルの累積妊娠率を追ったものですが、ほとんどのカップルは6ヶ月で妊娠をされるようです。

しかしなかなかな妊娠しないカップルがあり、そこは男女ともに原因はあると思いますが、男性の要因が大きいのではないかと思っています。

これも考察のスライドです。

聖マリアンナ医科大学時代の岩本教授(現・国際医療福祉大李プロダクションセンター教授)の、厚生労働省の委託研究で、『すでに子がいるカップルの夫の精液所見は?』という研究でした。

日本人の正常な精液濃度は、1ミリリットルあたり5,000万匹とか言われていますが、実際に子がいる方の場合は1ミリリットルあたり1億2千万匹いることが分かりました。

また画像下部に書いてますが、岩本教授の別の研究で、未婚の妊娠を問わない18歳から24歳の227名の平均では、1ミリリットル当たり6,800万匹だったそうです。

精子の数は多ければ多いほど妊娠しやすく、それは岩本教授の研究に出ているのだと思います。

また妊娠しにくいカップルの中には、1ミリリットル当たり6,800万を引き下げる少ない精子の方もいらっしゃるでしょう。

当方の、1例報告での精液所見の推移です。

中途半端に良くない精液所見の方が90日程度週に2回治療して驚くような改善をしています。

全く精子がいないなどの場合は手術で精子を見つけて体外受精などありますが、少ない精子を増やす、運動率を改善するなどということは、今の医療ではなかなか難しいのです。

男性不妊には、鍼灸を絶対おすすめします。

また、医師に褒められるほど優秀なら別ですが、奥さまが不妊治療を受けられているなら、ご主人もぜひ当院の鍼灸治療をぜひ受けてください。

うれしかったこと

昨日はとても嬉しい事がありました。

カルテを見ると、4年以上も通われている方。

個人情報を伏せても、あまり書けないほど様々な事がありました。

大学病院のご紹介。不成功を数え様々な治療を乗り越えてのやっとの妊娠。

ご出産の日を楽しみにしていての、突然の不幸。

治療に復帰しても、なかなか妊娠せず。

さすがに初診から4年経ち、年齢的に厳しくなって来たところ。

今度はしっかり妊娠して、昨日は胎児心拍も確認できました。

初診時から4年経っていても、卵巣の機能があまり衰えておらす。やはり鍼灸は効果があったなでしょう。

帰ってきた赤ちゃん。しっかり育ちますように。

第73回全日本鍼灸学会のこと(3) PMS(月経前症候群)、PMDD(月経前気分不快症状)についての日本産科婦人科学会ガイドラインについて

第73回全日本鍼灸学会(宮城大会)では、実にエキサイティングなセッションを企画してました。

全日本鍼灸学会と、日本産科婦人科学会の事実上の共同企画であるセッションも、名誉なことに私がコーディネートさせていただきました。

全日本鍼灸学会・日本産科婦人科学会特別共同企画
「月経前症候群・月経前不快気分障害診断治療管理指針コンセンサスミーティング ~鍼灸師の皆様のご意見をお聞かせください」

日本産科婦人科学会女性ヘルスケア委員会委員である、近畿大学東洋医学研究所教授である武田卓先生と、明治国際医療大学講師の田口玲奈先生の登壇でした。

鍼灸院でも普通に扱う『月経前症候群=PMS』(生理前に頭痛や腰痛、イライラが強くなるとか)と、『月経前気分不快障害=PMDD』不安・緊張、情緒不安定、怒り・イライラなど出現』について、日本産科婦人科学会でのガイドライン作成について鍼灸師の方々に意見を伺うというセッションでした。

PMSやPMDDについての解説を行い、非薬物療法での章で鍼灸の記載について、フロアの鍼灸師の皆さんから『こんな起債で良いか』と意見を伺うものでした。

実際にフロアから意見を上げてくるのは、大学医学部の先生方が多く、順天堂医学部の大学院の先生だとか、そういった方々が鍼灸の基礎研究をされていることに、ちょっと嬉しかったり。

当院では不妊をよく扱いますが、それ以外このように産科婦人科領域でも知識を深めています。

第73回全日本鍼灸学会のこと(2)難治性不妊

5月の全日本鍼灸学会では、『生殖医療における鍼灸の役割(難治性不妊の治療の現状と未来)』と題したシンポジウムも企画しました。

日本での鍼灸による不妊治療の草分け、名古屋の明生鍼灸院の木津正義先生(写真右)と私(三瓶)のダブル座長。

生殖医療専門医は、福島県立医大・生殖医療センター病院教授の菅沼亮太先生。

菅沼先生からは、生殖医療の歴史から、アメリカ生殖医療学会の鍼灸を推奨するガイドラインを紹介いただきました。

当院でも大変難しい患者さんでお世話になっているドクターです。

また、生殖医療カウンセラーでは、同じく福島県立医大・生殖医療センターのカウンセラーである本田明奈先生。

本田先生からは、カウンセラー業務を通しての様々な知見をご発表頂きました。

最後のシンポジストは、四国・香川県丸亀市の厚仁病院生殖医療部門から登壇いただいた、松田尚香先生

すでに生殖医療の中で活躍する鍼灸師としての立場から、実際の鍼灸を取り入れたチーム医療についてお話しいただきました。

第73回全日本鍼灸学会のこと(1)

先月末に開催した学会の話を数話書いて行きたいと思います。

この学会は、世界鍼灸学会連合(WFAS)に加盟している日本最大の鍼灸学会です。

年に一回学術大会を開催しています。

9年前に郡山で第64回大会を開催し、次は仙台に回って来ました。

大会の会頭は東北大の高山教授。私は実行委員長を仰せつかり、準備期間はほぼ4年。

立場上、大会の企画に深く関与することができたので、不妊のセッションを多数企画しました。

僭越ながら、『不妊鍼灸の特別演題入りとこれから』と題し、400人定員の会場で教育講演1を講演させていただきました。

不妊症に対する鍼灸治療は、今やしっかりしたエビデンスがありますが、そのほとんどは海外のものばかりです。

日本から質の高いエビデンスを発信する必要がある、という内容でお話ししました。

座長は、同じ福島県郡山市で鍼灸サロンLiberaを開業する益子勝良先生。不妊症に関する卓越した知識と経験から座長をお願いしました。

もし郡山近辺で不妊治療を受けられる際は、益子先生をおすすめいたします。(郡山市 富久山 鍼灸サロンLibera)

もちろん、白河市近辺の不妊症の鍼灸治療は当院へどうぞ!

講演の要旨は↓こちら(^^♪

11月12日のスライドを作っております