「不妊症・子宝治療」カテゴリーアーカイブ

星状神経節レーザー スーパーライザー

当院では鍼灸治療の他に、不妊症特に体外受精における卵子老化に対する補助治療法としてレーザー治療を行っています。

写真では、星状神経節ではなく少し上部の上頸神経節を狙っています

 

写真は首の前にある交感神経節の一つである星状神経節へ低反応レーザーであるスーパーライザーを照射しているところです。

照射しているところは赤く一見衝撃的ですが、多少温かく感じる程度で、決して熱くはありません。

星状神経へレーザーを照射することにより、血管を収縮させている交感神経の緊張を緩め、手足の血行や脳内の血流量を改善する効果があります。

この治療法により、卵巣の働きをアップさせ、質の良い卵作りを目指します。

また星状神経だけではなく、腹部の特定の照射点からレーザーを照射することにより、さらに質の良い卵作りを目指しています。

これら星状神経節レーザー照射と腹部レーザー照射は卵の質の改善だけではなく、子宮への血行を改善し、子宮内膜を厚くしたり胚移植時の着床率を高めます。もちろん自然妊娠にも効果が高いです。

上記は無治療安静時、鍼灸治療後、温熱療法後、SGL後(当院と同じスーパーライザー照射後)の脳の血流状態をキセノンCTで断層撮影したものです。

いかにレーザーの効果が優れているかお分かりになると思います。

このレーザー治療法は、当院では不妊症のほか、突発性難聴や老人性難聴、耳鳴り、花粉症やアレルギー性鼻炎などの耳鼻科疾患にも応用しています。

不妊治療 ぜひご夫婦でご説明をお聞きください

お子様の妊娠、出産を希望されて来院した際、当院ではなるべくわかりやすく、またじっくり時間をかけてこれから行っていく治療などについて説明させていただいています。

たいてい奥様一人でこの説明を受けているのが現状ですが、なるべくご主人様も一緒にお聴きいただきたいと思っています。

ご夫婦そろって最初にお話を伺うと、ご夫婦間で気づかないなにかの問題点を見つけられることもありますし、その後の治療もスムーズで成績にも良い影響が出やすくなります。

ぜひご夫婦でご来院ください。

卵子老化に対する治療

体外受精を何度か行ってもなかなか良い結果が出ない方が当院にはよく来院されます。
その方たちは、卵子の老化に対する改善を希望されているわけですが、今年になって40代で体外受精での妊娠反応陽性で、しかも新鮮初期胚移植でも判定日に4ケタの高hCG値となり、双胎(双子)妊娠となったかたがいらっしゃいました。

高齢ゆえ2個の胚を移植し、どちらかの胚が着床し育ってくれれば良いという判断でしょう。またやはり高齢ゆえ、受精後の胚の分割培養は体内に委ねた方がより自然で育ちも良いとドクターは考えたのでしょう。これは当然のことでしょう。

移植した胚のほか、残り1個はそのまま培養を続けたのですが、とても良い胚盤胞に育って凍結できました。

双子の方は、判定日の翌週には胎児心拍も確認できました。
通常は翌週は胎嚢確認できればいいくらいですから、本当に生命力の強い卵だったようです。

高齢での双胎妊娠は、出産までなかなか気が休まることはありませんが、ぜひ元気な双子ちゃんを出産していただきたいと願っています。

難治性のPCO(多嚢胞性卵巣)について

肥満を伴わない、男性化が見られないPCOがアジア人種、特に日本人に多く、当院にもやせ形ですらっとしたPCOの方が多くいらっしゃいます。

こうしたタイプは多くは月経不順も軽度で、長くても45日くらいで来潮される方がほとんどです。

一方、筋肉太り、肥満、多毛などの男性化が見られるPCOの方も一部にはいらっしゃいます。

こうした方は、月経の周期も非常に長く、たとえば次の月経まで何もしなけれな100日を超したりするかたがおられます。
なかなか月経が来ないので、産婦人科の外来で注射をしたりしてリセットされる方も多いことでしょう。

鍼灸を行ってもなかなか月経の周期が整わない、また鍼灸をしながらの人工授精や体外受精でもなかなか妊娠されない方には、肥満型や筋肉太りのなどの方が多いです。

もしBMIが25以上の肥満傾向がある方、筋肉太りだと思われている方は体重の5%くらいの減量を目指してダイエットや運動などをされると改善することがあります。
もちろん鍼灸をしながらダイエットをなどを行うとさらに良いと思います。

肥満のPCO方の脂肪細胞にはアディポネクチンという血漿蛋白が低下しており、これがインスリン抵抗性を引き起こし結果的に未熟な閉鎖卵胞を多くしている、という事です。

数年前の不妊カウンセリング学会の発表では、クロミッドの効きにくくなったPCOの方が5~10%のダイエットにより、またクロミッドによる排卵誘発が有効になってきた、という多症例の報告もありました。

多嚢胞性卵巣でもし肥満傾向があれば、ぜひダイエットをおすすめいたします。やせ型が多い日本人のPCOであっても、やはりPCOはインリン抵抗性と高LH環境、高アンドロゲンが関与しますので、適度な運動は大切です。

またPCOであっても鍼灸は卵の質を改善します。
順調に排卵されるようになった時に『良い卵』になっているように、鍼灸をおすすめいたします。

写真が増えました

お生まれになった赤ちゃんの写真をずっと貯めておりましたが、つい最近やっとプリントしました。

わざわざ赤ちゃんをお連れくださった皆様、ありがとうございます。大変うれしいです。

当院の若手二名もこの写真を見て頑張ってほしいです。

盛岡で講演してきました

11月27日の日曜日は、岩手県盛岡市で開催された全日本鍼灸学会東北支部B講座にて講演させていただきました。

講座は3部構成で、私は一番最後、第三部でした。

講演第一部は、盛岡医療福祉専門学校の専任講師である村上陽児先生による、交流分析の講義でした。
さまざまな人間の性格などの分析について、発展すると経絡などの分類にも関連してきます。

講演第二部は、青森県鍼灸師会の橋本博明会長による、変形性膝関節症の治療について。
しっかりした診察による鑑別と病態の把握があると、たとえば手術の必要のあった患者さんでも、その必要がなくなるほど改善するかたがいらっしゃる、というものでした。

私は講演三部。

座学と実技で120分。
やはりというか、時間がもう少し欲しいな、と思いました。

実技では当院ではあまり行いませんが、中髎穴刺鍼法と、通常よく行う陰部神経刺鍼法、三陰交~箕門刺鍼通電法を行いました。

最後には皆さんで記念撮影し、盛岡駅まで懇親会を行いました。

写真は、上2枚は全日本鍼灸学会東北支部支部長の中沢良平先生(郡山市・一寸法師ハリ治療院院長)より頂きました。
毎度、お心遣いありがたく思います。

研究、研修風景

毎週火曜日に研究で来院していたお二人の先生との研究風景です。

もっぱら当院の不妊治療や一般の神経痛や腰痛などの治療を見学していただき、時間が空いた時に講義で使ったスライドを用いながら解説。

また、新しい治療法の開発を研究しております。

下の写真は、郡山からお越しになられている鍼灸サロンLiberaの益子先生、はりきゅう今泉治療院の今泉先生と子宮・卵巣の血行改善を目的とした新しい刺鍼法を試しているところです。

 

モデルは、はりきゅう今泉治療院(郡山)の今泉先生、術者は鍼灸サロン・Libela(郡山)の益子先生
モデルは、はりきゅう今泉治療院(郡山)の今泉先生、術者は鍼灸サロン・Libela(郡山)の益子先生
正しい位置に刺鍼できているかどうかエコーで確認しますが・・・
正しい位置に刺鍼できているかどうかエコーで確認しますが・・・

刺鍼した鍼が正しい位置に刺入できたかエコーで確認していますが・・・もともとさかごの確認用のプローブですから、よく見えず(汗)
なぜか患者さん飛び入りで楽しく?研究しておりました。

別な日の風景です。
週に2回ほど当院に勉強しに来ている訪問鍼灸・鍼龍の関根先生に、陰部神経刺鍼法を練習していただいています。
この刺鍼法は当院での不妊治療の要になっています。

女性では卵巣機能の改善があり、卵質の改善やレーザーと組み合わせると子宮内膜の改善が得られます。
また男性では男性不妊に効果があり、特に精子の運動率の改善が得られます。

11月5日、6日には茨木県つくば市で、日本では27年ぶりに開催された国際学会(世界鍼灸学会連合会学術大会)に当院から参加したスタッフです。

この学会では、オーストラリアのウエスタンシドニー大学のキャロライン・スミス教授による、体外受精での鍼灸の効果を大規模なRCT(ランダム化比較試験)を用いて得られた中間報告がありました。

研究は、胚移植前後に行った1~2回での鍼治療で妊娠率に変化があるかどうか?というものです。
報告では、胚移植を行った患者さんに対して特に心理面でのプラスの効果が見られた、というものでした。

胚移植前後だけに行う鍼治療というのは、日本国内で一般に行われている『一回ごとの治療を積み重ねた効果』ものではありません。中長期的に鍼灸を行った研究の成果が今後発表されることを期待します。

当院の治療についてその3(福岡で講演してきた内容メモ)

鍼灸治療は、専門医の西洋医学的治療とは異なり、一回ごとの治療効果の積み重ねによって効果を蓄積していくことを目指します。

当院に妊娠希望で来院される方の効果を見ていると、

・20代では1週間以内の治療を続ける。
・体外受精などで採卵の成績を向上させるとか、卵の質を改善する場合は2週で3回以上の治療を反復継続させる。
・38歳以上では、週に2回程度の治療を継続させる。

特に卵の質の改善に関することは、治療開始から3~4ヶ月間は治療の間隔は2週で3回~1週に2回以上の治療で良い効果が見られます。

たとえば、

・同じ採卵のための誘発方法で、採卵数が増える、胚のグレードが改善する。
・子宮内膜の厚さが改善する。

このような効果が得られやすくなります。

下記の図は、福岡での講演でお話しした治療の効果のイメージです。

お話ししたテーマは不妊症に関しての効果ですが、これは神経痛でも腰痛でも肩こりなど、当院で扱うすべての疾患や症状に当てはまります。

一回鍼灸を行って得られた効果は、ある程度の期間で薄れていきます。
不妊治療に関してですと、1回の治療の効果は1週間以上経過するとだいたい元に戻ってしまします。

そのため、一週間を過ぎないうちに次の治療を行うのが良く、前回の治療効果が残っているうちに次の治療を行っていくと、やがて妊娠可能な状態とか、卵の質が良くなる卵巣の状態や、子宮の内膜が厚くなる子宮周辺の血行改善の得られた状態になっていきます。

体の状態そのものを改善していきますから、ある程度体の状態が良くなると、その後は週に一回程度の治療でも良い状態を維持できるようになります。