2月23日(日)は、正午まで診療いたします。
日曜診療は原則的に前日までの事前予約が必要ですが、
ちょっとだけ空きがありますので、当日急患は対応いたします。
2月24日(月・振休)は、正午まで診療いたします。
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着床改善に鍼灸が効果があると、どこからか聞いたのか、
体外受精の胚移植を行った後から鍼灸を開始したい、という問い合わせがあります。
当院では、こうした問い合わせに『胚移植の後から鍼灸を行っても効果がないから、もし妊娠反応が陰性だったらそこから治療を始めてはどうでしょうか』とお答えしています。
胚移植からだけの鍼灸は、ほとんど効果はない
命のある胚盤胞であれば、融解して細胞分裂が再開し、胚移植から数時間後~遅くても1日後には着床に入ります。
胚移植後1日や2日経ってからの鍼灸は、何の効果もありません。
もし胚移植後、1~2日後になって鍼灸を行い妊娠したら、それは鍼灸はやってもやらなくても妊娠したのでしょう。
もっとも原因不明の初期の流産を繰り返すような方の場合は、流産予防としての効果は少しはあるかもしれませんが。
何度も移植して妊娠できない場合はほとんどは胚(受精卵)が原因になります。その場合は採卵前半年くらいから鍼灸をはじめ、良い卵が得られるようにした良いと思います。
胚移植成功を目指すなら、最低1ヶ月前から鍼灸を始める
当院では、胚移植の成功率を高める治療を、胚移植の最低1ヶ月前からを勧めています。早いほど良いです。
そのエビデンスは
PubMed(NIHが管理している医学論文の公開データベース)で調べると、体外受精に鍼が効果がある、としているのは、ほとんどが胚移植前や、胚移植前+胚移植直後のセットです。
めぼしいところで台湾産婦人科学会で発表した2020年の論文(RCT)では、Influence of acupuncture on the pregnancy rate in patients who undergo assisted reproduction therapy
Effectiveness of acupuncture on pregnancy success rates for women undergoing in vitro fertilization: A randomized controlled trial
(日本語タイトル:体外受精を受ける女性の妊娠成功率に対する鍼治療の有効性:ランダム化比較試験)
結果:72人の胚移植実施者を36名の鍼治療群と無治療群に分けて胚移植を行った結果、判定日でのβ-hcg検出(妊娠)率は鍼治療群は63.9%、無治療群は33.3%だった。
この時の鍼治療は、1回目は胚移植の1週間前、2回目は胚移植の30分前、3回目は胚移植の30分後で、胚移植後の鍼灸のみではおそらく効果はなかったでしょう。
胚移植直前(25分)・直後(25分)の鍼はPaulusの2002年の報告でも鍼群に効果ありという論文があります。
実際に胚移植の直前30分や25分、直後30分や25分の鍼灸は、日本では無理でしょう。
当院では胚移植に備えての鍼灸としては1~2ケ月の治療期間で10回ほど行うことを勧めています。
明日は第3回オンライン不妊症セミナー開催
明日は福島県鍼灸師会主催で、私が講師で第3回オンライン不妊症セミナーを開催します。
https://fukushima-harikyu.jp/archives/info/2025_02_23
参加者もど~んと増えて嬉しい限りです(^^♪