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多嚢胞性卵巣の不妊について


7月17日のオンライン不妊症セミナーにお話しする内容は、ざっと下記の通りです。

福島医大の産科婦人科学講座の講師で、生殖内分泌が専門の山口明子先生が講演第一部。

私は講演第二・三部の2コマ180分でした。

多嚢胞性卵巣の方は非常に多く、しかし、厳密には医師側の診断基準を満たさないボーダーの方も多い。

クロミッドで卵が育ち、排卵していたが、だんだん卵が育たなくなってきた、と言う方が良く鍼灸に来ます。

以下、長いですがご一読ください。

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ある患者さんの話。

多嚢胞性卵巣(PCO)のある方です。

クロミッド1錠で卵胞発育が見られましたが、だんだんと発育しなくなり、やがて2錠に増えました。

それでも妊娠せず、クロミッド2錠に増えました。

だんだんそれでも発育卵胞が見られなくなり、やがて注射での排卵誘発になり、それでも妊娠しないので当院に来院されました。

こういう患者さんが鍼灸院にはよく来院されます。

しばらく(3~5ヶ月)鍼灸単独で治療を続けていると、自然に排卵したりするようになります。

本日は1月12日(水)。

昨年5月より多嚢胞性卵巣による不妊で鍼灸治療で来院されていた方がいまして、この方もこのパターンでした。

しばらく鍼灸をつづけて昨年末に、いつも大変お世話になっている那須塩原市の石塚産婦人科様へ紹介させていただきました。

今回の診察では、クロミッド1錠でしっかり卵胞発育があり、ちゃんと自発的に排卵していたそうでした。

やるね鍼灸!(^^)/

 

 

さて、

昨年(令和3年・2021年)12月26日に私が会長を務める一般社団法人福島県鍼灸師会の冬季学術講習会で講演した内容の要旨を掲載します。

多嚢胞性卵巣では、ざっと下記のような問題を抱えて鍼灸院に来院するケースが目立ちます。

 

経口薬が効かないなら注射で排卵誘発すればいいじゃん!となるわけですが、そうすると今度は多数の卵胞が発育してしまう危険があります。

何が危険というと、まず多数の卵胞が発育して排卵すると、通常1つの卵子が受精して1人の赤ちゃんが育つのですが、多数の卵子が受精生する多胎(たたい)妊娠になる可能性があるのです。

双胎=2人=双子までならば正常に出産し、赤ちゃんが正常に育って行くことが多いですが(それでも高齢妊娠だと難しいことがあります)、品胎(3人妊娠)以上になると、非常に危険な妊娠になります。

ゆえに、多数の卵胞が育つと、その周期は妊娠しないように避妊や性行は中止、積極的な治療は中止となります。

また卵巣過剰刺激症候群(OHSS)となり、血栓症が起こりやすくなったり、非常に危険があります。

刺激が少ないと卵胞が育たず、刺激が強いと多数の卵胞が育つというのが多嚢胞性卵巣(PCO)の特徴です。

クロミッドなど薬に慣れてしまって、錠数が多くなったり注射に移行したようなケースの場合、鍼灸治療をしばらく続けると、また弱い刺激でも卵胞が育つようになります。

ヨーロッパやアメリカなどと違い、日本人などアジア人種でのPCOは少し発症のメカニズムが違い。欧米に多い男性化は少なく、むしろ体重やBMIが正常な方が多いようです。

男性化=高アンドロゲン状態よりも、隠れ糖尿病などインスリン抵抗性体質による、高LH(黄体形成ホルモン)状態の方に問題があって、中途半端な発育卵胞(FSH=卵胞刺激ホルモン依存性ではなく、LH依存性の初期の発育卵胞)が多数育ってしまいます。

 

 

脳下垂体からは、卵を作る時期にはFSH(卵胞を作らせるための『卵巣刺激ホルモン』)が多量に出て、卵が出来ると排卵させるためにLHホルモン(黄体形成ホルモン)の急激な放出(LHサージ)が起こります。

これは脳下垂体より上位の視床(間脳)からのGnRH(性腺刺激ホルモン=ゴナドトロピン放出ホルモン)のパルス分泌の速さなどのリズムで決まります。

 

鍼灸は、子宮や卵巣の血行を改善するだけではなく、脳に働きかけてさまざまなホルモンや物質を分泌させる働きがあります。

ちょうど昨日はNHKで鍼灸を含む東洋医学をテーマにした番組が放映されました。その中でも鍼灸が脳内に効果を表すシーンがありました。

『心地よい』日本式の鍼灸は、脳の報酬系を賦活させて痛みなどの症状を緩和させているだろう、と、スウェーデンのトーマス・ルンデバーグ博士が2006年の京都の国際学会で発表しています。トーマス・ルンデバーグ博士はノーベル医学生理学賞の選考委員会のあるカロリンスカ研究所の研究者です。

ついでに言うと、カロリンスカ研究所とは名前は研究所ですが世界最大の医科大学だそうです。

鍼灸で脳内の報酬系、たとえば報酬系で代表的な物質は『幸せホルモン』と言われているセロトニンや、よく知られたドーパミンがあります。

これらのホルモンが鍼灸によって変化することが世界中の論文で証明されています。上のスライド画像がそうです。

赤いマーキングは日本の福田文彦先生の研究です。

上の写真の、真ん中の方が福田文彦先生です。

右は私(三瓶)ですが、左の方は精神科医の山田朋樹先生。
山田先生は横浜市立大救急救命センターで長らく救急医として活躍されていました。
参考URLhttps://www.tbs.co.jp/houtama/last/071216.html

救急救命センターに運ばれる救急患者には自殺未遂の方が多いそうです。山田先生は自殺=希死念慮の研究で有名な方で、うつ病の専門医です。

脳の研究をしている福田先生、うつ病専門医の山田先生は、和福島県鍼灸師会の創立70周年の際に、講演をお願いし、終了後に三人で郡山駅のなかにある『もりっしゅ』で懇親会二次会を楽しんだのでした。

自然に鍼灸や精神科医療へ話が移るのですが、鍼灸は心療内科領域に非常に効果がある、という内容の話をしていました。

実際にセロトニンやドーパミンを誘導するにはかなり刺激の強い『痛い』鍼刺激が必要だったりしますが、それは単発での刺激で、数カ月も鍼灸を続ける場合は、やはり『心地よい』日本式の鍼灸が必要だろうと思います。

そこで当院の出番です。

なにしろ、講師の鍼灸治療ですから。

心地よい鍼灸、非常に大切です。当院で一番大切にしているところです。

当院の発祥は約70年前。

上の写真でだいたい50年くらい前のものです。

当事は温泉マッサージから始まっての鍼灸院でした。つまり心地よい、気持ち良い、という治療をモットーにしていたのです。

経絡治療のようでそうでなく、盲目の鍼灸師でしたが非常に治る患者が多かった。盲目の父の治療を、幼少のころから私は手伝ったりしていました。

往診は、父の手を引いて患者さんの家まで歩きました。患者さんの顔色や吐しゃ物の色を教えたり、そんな手伝いでした。

子供ながらに、病人を治す父を見て育ちましたから自然に跡を継ぐ決心をしたんだと思います。

PCOを含め、不妊治療では下記のスライドのようなスタンスで鍼灸を行っています。

鍼灸は非常に不妊に効果があります。しかし、薬のような確実性は少ないように思います。

鍼灸治療を継続することで、当初効果があった薬が効きにくくなってきたような場合、鍼灸によって回復したりします。その時期を見計らってまた専門医での治療を再開したり、そういった方向で治療をしていきます。

PCOについての当院での対応です。

体質をおおざっぱですが2つに分け、それぞれの治療を行いながら体外受精などでの採卵成績を改善するエビデンスのある陰部神経刺鍼を行ってパルス通電するなどの治療を行い、良い成績を得ています。

多嚢胞性卵巣(PCO,PCOS)の方は、ぜひご相談ください。

https://www.sanpei89in.com/tex/funin0.html

日曜日は、鍼灸師会の総会と講習会

4月28日(日)朝8時~正午まで診療します。

4月29日(月)郡山シティーマラソン大会ボランティア参加のため休診となります。

令和6年 5月・GWの診療案内 https://sanpei89in.com/blog/?p=4346

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4月21日の日曜日は私が会長を務める福島県鍼灸師会の総会でした。

午前中に総会を行いました。会長が議長を務めるので、私が議長に。

午後の講習会が始まる前に、1年間しっかり研修を受けた会員の方へ、公益財団法人 東洋療法研修試験財団の生涯研修修了証、同理事長表彰、福島県鍼灸師会会長表彰を行いました。

午後からは療養費の研修会と、美容鍼の講習会を開催しました。

講師は、『ハリウッドスタイル・上田式美容鍼』の上田隆勇先生。Youtubeでも超有名な先生です。https://www.youtube.com/watch?v=0SsYnJR_FHQ

講習会では毎度おなじみの盲導犬。 これでもお仕事中です(^^♪

講習会が終わってからは、皆さんで講師の上田先生を囲み懇親会を。

やはり飲み会は楽しいですね。

次は4月29日の月曜日、郡山シティーマラソン大会へボランティア参加です(^^♪

不妊症オンラインセミナー終了しました

2月もそろそろ終わりになります。

1年は早いものですね。

2月23日の天皇誕生日は、午前中診療し、午後からは当院からZoomをつかった不妊症のオンラインセミナーを開催しました。

なんと参加申し込みは60名超!

3時間超のセミナーで、3回予定のうち第1回。

しかし、開始からアーカイブ用に録画するはずが、、忘れてました(;^ω^)

3時間超講義で話し終わり、録画しなかったスタートから1時間をもう一回話し、録画しておいて編集して仕上げるという荒業に。

しかもどこまで話したか覚えておらず、多めに話して録画したので、合計で1人で5時間を話しました。

我ながらよくやりますな(^^♪

次回は夏に、子宮内膜症と多嚢胞性卵巣(PCO)を重点的にしたセミナーを開催します。

 

2月23日午後はオンライン不妊症セミナーを開催します

令和6年 2月の診療案内
https://sanpei89in.com/blog/?p=4207

2月23日(金・祝)は午前中診療いたします。

25日(日)はいわきサンシャインマラソンボランティア参加のため休診になります。

日曜診療は、原則前日までの予約をお願いいたします。
(日曜当日に電話いただき、私が電話に出れば当日予約でもOKです)
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2月23日は、午前中診療し、午後1時半から全国の鍼灸の先生を相手に不妊鍼灸のセミナーを主催します(^^♪

やっとこスライドが出来上がりました。

時間までの待ち受けは、このスライド。
zoomで皆さん参加するオンラインですが、このスライドのBGMは、東京ディズニーランドのメインエントランスのBGM。

心ウキウキするようなBGMを心がけました。

スライドのトップ。表紙は↓こちら。

わが治療院受付にあるフェルトのコウノトリです。

今回全国の鍼灸師が対象ですが、すでに50人以上参加申し込みがありました。

海外の鍼灸師の先生も参加申し込みがありました。

講義頑張りますよ~(^^♪

21日日曜日は全日本鍼灸学会東北支部の研修でした

1月28日(日)は、前日までのご予約の方に限り、正午まで診療いたします。

令和6年 2月の診療案内
https://sanpei89in.com/blog/?p=4207
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1月になり今年初めての研修会は1月21日(日)郡山での全日本鍼灸学会東北支部の研修会でした。

しっかり研修して認定ポイントを貯めないと、学会の認定が更新できなくなるので必死です(;^ω^)

第1講座は福島医大・地域・家庭医療学講座の豊田先生が講師で、家庭医療について勉強しました。

会場は郡山の福島医療専門学校の鍼灸科学生もたくさん参加し、大賑わいでした。

第2,3講座は、関西医療大学の坂口俊二教授による、冷え性と鍼灸治療でした。

なかなかとらえどころのない冷え性。冷え性のある方女性のは、妊娠した場合優位に早産になりやすいというデータがあるようです。

また冷えの強い女性は、分娩時間も長くなるのだそうでした。そのデータも示されました。

安産には冷え性の改善も大切なようです。当院でも単なる冷え性と軽く扱わず、少しでも改善を試みるようにします。

研修が終わって白河に戻り、西那須野の髙橋先生夫妻とグリル銀座で夕食。

毎度のステーキ&ハンバーグですが、おいしかったです。

下記にリンクのある、習慣性流産の患者さんですが、その後も順調です。責任がありますから当院でも治療前後に経腹エコーで確認しますが、胎児心拍もしっかり見えています。

習慣性流産の患者さん

 

 

 

日曜日は講習会でした

12月・年末年始の診療案内 →
https://sanpei89in.com/blog/?p=3963

12月24日(日)正午まで診療します。

今年は12月30日(土)正午まで診療します。

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年末感も何もない師走。

12月17日(日)は、日曜診療を休ませていただいて福島県鍼灸師会の冬季学術講習会でした。

前日の16日に講師の先生と忘年会を。

筑波技術大学教授の鮎澤聡先生と、茨城県立医療大学助教の石山すみれ先生、銀の森治療院の渡邊健先生、コリとる鍼灸サロンの三村聡先生、一寸法師ハリ治療院の中沢良平先生と私の6人。

ホテルのロビーにはクリスマスの飾りがありました。

翌日は講習会ですが、講師の先生にしっかり楽しんでいただけたようでした。

翌日、第1講座。

「つながりで生きる鍼灸- 健康・生命・宇宙 – 」
講師:筑波技術大学保健科学部 保健学科
鍼灸学専攻 教授 鮎澤 聡 先生

哲学、科学、医学、鍼灸。さまざまなテーマの入り組んだ、対辺濃い内容でした。

現役脳外科のドクターで、鍼灸を指導している医師です。

2次会のカラオケでは、研修医時代に苦労した勤務の替え歌で全員大爆笑でした。

 

第2、3講座の3時間は

「片頭痛を対象とした医鍼連携モデルの構築を目指して」
「頭痛に対する鍼灸治療の実際」
講師:茨城県立医療大学 保健医療学部
医科学センター 助教 石山すみれ 先生

頭痛の鍼灸診療の権威で、今年10月に鍼灸界にある2大タイトルのうちの一つ、代田賞(事務局・森之宮医療大学)奨励賞を受賞されました。

詳細な片頭痛を主とした頭痛の解説、分類、そして丁寧な鍼灸治療実技と、素晴らしい講義でした。

鍼灸界にある2大タイトルと書きましたが、もう一つは高木賞です。今年の高木賞(奨励賞)は、わが福島県鍼灸師会の渡邊健先生が受賞されました。

講師の石山すみれ先生、渡邊健先生の二人は、筑波技術大学で鮎澤聡先生のご指導を受けた門下生でした。

前夜の懇親会は、そのお二人の祝賀会も兼ねていました。

この日の鮎澤先生石山先生とも、また数年後、おそらく私が会長を退いたころ、また講習会に講師で来ていただくことを約束してくださいました。

 

講習会後は、コロナでずっと開催できていなかった会員の意見交換会を開催しました。

意見交換会とはいえ、会員相互の親睦会です。この時期ですと忘年会ですね。

今年は退任した理事の慰労会も兼ねました。記念品はパーカーの万年筆。

今年も活気ある活動を展開出来て、入会者もありました。

次年度はこれまでの会員の皆さんの活動のおかげで、大量入会が期待できます。

ここまで活気ある鍼灸師会に育ったのは、経験豊かな先輩役員のおかげでもあります。

これからも開業鍼灸師の立場から日本鍼灸を守る本会のため、力を貸していただきたいと願っています。

 

11月12日の講義内容

11月の診療案内です。
https://sanpei89in.com/blog/?p=3746

11月3日(金・祝)は、午前中のみ診療します。
11月4日(土)は、朝8時~10時までの受付診療となります。
(※午後から会津医療センター三潴忠道教授の最終講義と記念祝賀会へ出席します)

11月5日(日)は、朝10時~正午まで受付診療します。
あらかじめご予約をお願いいたします。

11月12日(日)は、本日のブログの記事の通り、学会で講演しますので休診となります。

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11月12日(日)は、仙台で全日本鍼灸学会第39回東北支部学術集会が開催されます。

そこで不妊症に関する講義を依頼され、時間を見てはスライドを作成しています。

講義の対象は学生や不妊鍼灸のビギナーです。

不妊鍼灸を行うためには、様々なことを学ぶ必要がありますが、まず、不妊鍼灸に関するエビデンスを知ることが必要だと思います。

何しろ、まだまだ不妊鍼灸にエビデンスはない、と、俗世間では信じられているからです。

持ち時間は質疑応答(10分)を入れて1時間、正味50分です。 なので、講義の時間は不妊鍼灸のイロハ。

大事なところだけお話しし、今後勉強していく方向をお示しすることとします。

鍼灸治療を受けに来る妊娠希望、挙児希望のカップルへは、鍼灸治療は2つを目指します。

1)自然妊娠できる、出産できるような体つくりを行う。

鍼灸治療は東洋医学です。未病治を掲げる東洋医学は、偏った体質を中庸に戻すことを目指します。

ながらく妊娠できない、ということは、医学的に問題が見つからなくても加齢や生活習慣の偏りを抱えていることがあります。

2)西洋医学的治療の補完を目指す

例えば西洋医学的に治療を行っていても、なかなか妊娠しない方もいます。

何度も体外受精を受けているが、なかなか妊娠できない。採卵を行うが胚盤胞まで到達できない。卵の質が悪い、など、最先端の治療を受けていてもなかなか妊娠できない方が鍼灸院にはよく来ます。

こうした方へ、一定期間鍼灸を行うと、良い卵が採卵できるようになったり、胚盤胞での凍結ができるようになったりします。 鍼灸は、西洋医学のお手伝いもできるのではないか、ということをお示しします。

実際に、鍼灸治療により採卵成績の改善が認められた研究や、その内容を紹介します。

もう8年前になりますが、鍼灸の大きな学会を郡山で開催しました。

その際、私は不妊症についてのセッションを提案しましたが、『不妊鍼灸にはエビデンス(根拠)が乏しい』ということで、『それでもまぁシンポジウムなら、』ということで、学会の特別演題で企画していただきました。 https://sanpei89in.com/blog/?p=2988

あれから8年。というか、準備を始めたのがさらに2年以上前ですから、今から10年以上前になります。

その後の10年で世界中でこのように不妊(infertility)に対する鍼灸(acupuncture)のエビデンスが増えました。

たとえば2022年にでたシステマテック・レビューでは、

27のサブ研究で合計7,627人を比較したものがあります。

鍼灸を行った場合、シャム鍼(偽の鍼)、無治療グループと比較するとRR(=relative risk, risk ratio:リスク比)が1.34とあり、鍼を行わないと1.34倍出生できない。1.43倍臨床妊娠(胎嚢確認)できない。こうした結果になった研究があります。

臨床妊娠率のオッズ比を表すプロットでは下記となります。

不妊鍼灸を勉強しようとする初学者の皆さん、学生の皆さん、 不妊鍼灸にはエビデンスがあります。

しっかり勉強して良い結果を得て、学会でどんどん発表しましょう。

そして日本からたくさんの質の高い研究を世界へ発出していただきたいと思います。

そういった内容で11月12日は仙台国際センターで講義します。

日曜日はまたも勉強会

月初めの東北鍼灸学会、翌週の開業塾。

そんでもって、17日は鍼灸師会の青年部の講習会でした。

ツボとツボを結ぶ流れ、線のようなものを『経絡』と言いますが、目で見えるものではありません。

人体解剖を何度も行って来た鍼灸師の先生がいらっしゃいます。またその方が非常に文才があり、絵心があり、ライフワークである解剖学と本来目に見えない経絡をテーマに素晴らしい本を上梓されました。

実に素晴らしい講演でした。

私たち普通の鍼灸師は皮膚の内側を見ることはありません。ご遺体と言えど人体の奥深くまで見る事ができると、いろいろな気づきがあると思います。

それにしても、世に名前の通った先生は、鍼灸をとても愛していらっしゃると感じた1日でした。