3月20日は金曜日で、この日は夜7時半までの受付診療でした。
お勤め帰りの方も多く、また遠方からの方も多いので、必然に終了時刻も遅めとなり、9時過ぎに閉院。
夜9時49分発の夜間高速バスに乗って京都へGO!
京都駅八条口着は朝の6時過ぎ。はっきり言ってこのトシにはきつい!(笑)京都タワー下の銭湯で朝風呂に入り、研修会場である本能寺会館につきました。
本能寺って言ったら、あの本能寺です。
今日は朝の9時半から夕方5時半まで、昼食時にもランチョンセミナーを行うという超スパルタの研修です。
不妊症の基礎講座をわが不妊鍼灸ネットワークの木津先生、秋森先生から講義していただきます。
会長挨拶のあと、基礎講座1(婦人科・不妊の基礎)は、名古屋の明生鍼灸院副院長の木津先生からの講義でした。
基礎講座とはいえ、多くのデータに裏打ちされた科学的な側面から鍼灸院に訪れる不妊患者さんの概要や、治療の効果などについてお話しいただきました。
陰部神経刺鍼法による採卵成績の向上は、だれでも追試できるような解説でした。毎度ながら、企業秘密のない講義でした。
群馬県高崎市で秋森指圧鍼灸院を開業されるネットワーク会員の秋森徹二先生より、基礎講座2(不妊の基礎)を講義していただきました。
治療する上で、技術や知識よりも優先すべき『命に係わる治療家としての意識』について、特に勉強になりました。
中村会長(なかむら第二針療所院長)と徐事務局長(アキュラ鍼灸院院長)と私、三人で立ち上げた不妊鍼灸ネットワークですが、それ以前にも秋森先生からはいろいろ教えていただくことも多く、この京都でも多くのことを学ばせていただきました。
昼食時には、寸暇を惜しみランチョンセミナーを行いました。
LLLT(低出力レーザー治療)を鍼灸に取り入れ、驚異的な採卵成績向上や、着床率向上、妊娠率向上を上げられている中村会長(なかむら第二針療所院長)とスーパーライザー開発元の東京医研さんによる講義でした。
低出力レーザー療法(LLLT療法)による老化卵子に対する治療を学びます。早発閉経や卵巣機能不全、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などによる稀発月経や無月経に、当院でも今年四月から導入いたします。
昼食もゆっくり食べられない、非常~なスパルタンさです。
私もこの日は朝から夕方まで司会だったんで、これまた厳しかったです。
食休みなしの勉強が続きます。
その後会員の症例発表へ。
大阪・ガイア針灸室の堀口院長による症例発表。
心に残る症例、という演題で発表していただきました。
症例報告2は、東京・八王子の翠明館治療室の神薗先生による発表。甲状腺機能障害を伴う不妊症の症例 という発表でした。
甲状腺障害を持つ不妊の方は割合多く、ときに流産などの原因にもなることがあります。
この分野の勉強もこれからは必要でしょう。
つづいて明治国際医療大学臨床鍼灸学部助教の田口玲奈先生による講義です。
世界の鍼灸による不妊症治療のエビデンスを紹介していただきました。
鍼灸を含む代替医療を取り入れている不妊症を扱う医療機関は相当に多く、国民の期待が裏付けられていると思う反面、効果のエビデンスはあまり多くなく、今後、日本から世界へ向けた日本独自のエビデンスの構築が必要であると、強く感じました。
続いて当院でも行っている、子宮環境改善の中リョウ穴刺鍼法の元祖、明治東洋医学院専門学校の本城久司先生による骨盤内に影響を及ぼす鍼灸治療という演題で講義していただきました。
もともと慢性前立腺炎や難治な膀胱炎などに行っていた中リョウ穴刺鍼法は、子宮の血行を改善するエビデンスとして明生鍼灸院によって確立されました。学会の発表回数もたいへん多く、陰部神経刺鍼法による老化卵子対策、卵子の質改善、採卵成績改善と並んで、当院でも不妊治療の核として行なっている手技です。
この日はオリジナルの本城先生よりアップデートした手技をたっぷり見させていただきました。
閉会の言葉は、鍼灸による不妊症では日本一の症例を誇る鈴木総院長からの総括でした。商売っ気が独り歩きする分野で、まず学ぶべきものが先にある、と述べられておりました。
とても学ぶことの多かった京都研修。
今回も不妊症に関してたくさん学んできました。
学んだことはすべて当院でも患者さんに還元いたします。