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第50回東北鍼灸学会が開催されました

9月18日(日)、19日(月・祝)の二日間にわたり、第50回東北鍼灸学会学術大会福島大会がわが福島県鍼灸師会の担当で開催されました。

学会頭は、福島県鍼灸師会会長の中沢良平先生(郡山市・一寸法師ハリ治療院
学会副会頭は、同副会長の佐藤今一先生(矢吹町・あけぼの鍼灸院
私(三瓶)は同じく鍼灸師会副会長でしたので、大会実行委員長を仰せつかり、準備期間1年を掛け、盛大な大会となりました。

特別講演1は、福島県立医科大学付属病院 性差医療センター部長の小宮先生をお迎えし、私は光栄なことに座長をさせていただきました。座長というか、役員の役得としてご講演の打ち合わせ時間に、小宮先生には日常診療での様々な疑問点、特に不妊、多嚢胞性卵巣についてのいつも持っていた疑問点についていろいろご教示を頂きました。

特別講演2は、同じく県立医科大学会津医療センター附属病院副院長 漢方医学講座教授の三潴忠道先生にお願いいたしました。座長には県鍼灸師会の中沢会長が務められました。
会津医療センターでの漢方診療の実際、また国内初となる公立医科大学での鍼灸師の公費による研修制度は前期2年後期3年の研修医と全く同じシラバスで、これからの日本鍼灸のあり方を強く提言していただきました。

月曜日祝日の市民公開講座では、東洋医学の知恵を込めた『経絡ストレッチ』を、帝京大学医療技術学部スポーツ医療学科非常勤講師である朝日山一男先生にお願いし、座長はもともと朝日山先生と親交のあるいわき市・たけのこ鍼灸館の永山剛士先生にお願いしました。

ほか、アスリートの鍼灸による緊急処置では、JOC日本オリンピック委員会医科学強化スタッフである大高茂先生による講演で、鍼灸サロンLiberaの益子勝良先生

体幹・体の捻じれと経絡の概念を関連付けたダイナミックロト・セラピーでは創始者の溝口哲哉先生に3時間半にわたる講演をお願いし、県鍼灸師会青年委員長・訪問鍼灸 鍼龍院長の関根美智先生に座長を務めていただきました。

通常の学会発表にあたるポスター展示・発表では、いわき市の永山剛士先生のほか、一寸法師ハリ治療院の太田友理香先生が福島県代表として発表されました。司会・座長はいわき市・しゅう鍼灸院の柏原修一先生が務めました。

東北各県青年部の企画では、2020年開催東京オリンピックを視野に入れたスポーツ鍼灸のワークショップを行い、講師には呉竹鍼灸臨床研究所所長の古屋英治先生、座長は福島県立盲学校教員の矢吹淳先生にお願いいたしました。

昨年は第64回全日本鍼灸学会の準備や運営を2年がかりで。今年は東北鍼灸学会を1年がかりで。
この3年はホントにバタバタしております。

学会の写真が集まりましたら、紹介いたします。

公開講座のお知らせ

9月19日(月・祝)・13:00より郡山市 ビッグパレットふくしまで東北鍼灸学会・福島県鍼灸師会の主催で下記無料公開講座を開催いたしますので、ストレッチ、スポーツ、妊活や健康にご興味のある方はぜひご参加ください。

講師は帝京大学スポーツ医療学科非常勤講師の朝日山一男先生
クリックで大きくなります

日時:平成28年9月19日(月・祝) 13:00~15:00

会場:ビッグパレットふくしま

参加無料!

演題:こんなにも便利 知らなかった『東洋医学』日常生活から競技者・スポーツ愛好家へ経絡ストレッチのすすめ

講師:帝京大学医療技術学部スポーツ医療学科 非常勤講師 朝日山一男先生

東洋医学の知恵満載!、経絡ストレッチの実演です。

配布修了間近 原坊の朝顔の種

2011年の震災の年から配布している『原坊の朝顔の種』を、先月から無料配布しています。

残りは僅少で今年の配布もそろそろ終わりとなります。

この朝顔の種をいただいて、学会や研究会で縁のあった全国の先生方や当院に通っていただいている方に配り続け、どのくらいの方に行きわたったことでしょうか。

東京の親友、アキュラ鍼灸院(徐大兼先生)でも配布されています。

原坊の朝顔の種の送り主さん
http://sanpei89.rakusaba.jp/diary/diary.cgi?no=908

もう男女お二人のお子様のお母さんになられました。

次回、当院での配布は来年4月~6月を予定しています。
それまでに子宝に恵まれた方は、また種をお分けください。

なお、今年は10月に日本鍼灸師会全国大会(福岡)で講師として1講座を担当します。お聴きに来てくださった先生方へ会場で配布したいと思います。

 

過去5年間の不妊治療の成績

3月20日に京都で開催される不妊鍼灸ネットワーク公開講座の資料として、過去5年間に、妊娠を新患として来院された391名の女性方のデータをまとめてみました。

現在治療継続中、また5回以内で通院の中断をされた46名と、5回以内で妊娠された方は当院の鍼灸治療の効果を論ずるデータにはならないものとして、除外しました。

非妊娠は、妊娠がされないまま鍼灸をあきらめた方で、通院が一か月以上ない方で、その後の経過は不明です。

年齢やそれまで受けていた治療、治療回数の分類まで至っておりませんが総妊娠率は62%となりました。

そのうち、専門医による診察、検査を行ってなかった方や、タイミング指導(服薬あり、なし)や検査中から当院で鍼灸治療を行った方のデータは下記となりました。

配偶者間人工授精(AIH)、非配偶者間人工授精(AID)未満の方は153名いらっしゃって、それらの方の妊娠率を上に掲げました。

現在治療が進行している27名、また5回以内での治療中止(脱落)30名、5回以内での妊娠2名の合計32名を除外すると、総妊娠率は76%となりました。

ただし自然妊娠は65%で、残念ながら人工受精で妊娠された方は4%、体外授精まで行って妊娠された方は7%となります。

下記は初診時に人工受精をされていた方75名のグラフです。

除外は10名(5回以内で脱落9名、5回以内で妊娠1名)で、継続中は14名。

一方、総妊娠率は65%で、自然妊娠は31%、引き続き人工受での妊娠は20%、体外授精までステップアップしての妊娠は14%となりました。

数度の人工受精で妊娠されなかった場合、すぐまたに続けず、しばらくの期間鍼灸を行って自然妊娠した方がかった印象を裏付けるグラフとなりました。

下記は、初診時に体外授精を行っていた方の163名のグラフです。

さすがに除外の方は少なく、5回以内での治療中止(脱落)は母数(163名)と多かったものの7名となり、5%となりました。

治療継続中34名を抜いた治療が完結したグラフは、妊娠が61名で50%、妊娠しなった方が同じく61名で50%になります。

IVFグループは非常に難しい方が多かったにもかかわらず、妊娠された方の3分の1近くの19名、15%の方は自然妊娠されています。

これは驚くべきことですが、実は体外授精は卵管がない、精子がない、精子の運動が全くないなどの絶対的不妊にだけ行っているものではなく、原因不明不妊の多くに行っているという現状を表していると思います。

またこうした原因不明不妊の多くに、当院で行っている鍼灸治療の効果があったという事だと理解しています。

この5年間のカルテを整理し、データをまとめるにあたっては不妊鍼灸ネットワーク会員である、いわき市・はりきゅうはしもとの橋本修一先生に手伝っていただきました。
この場を借りて御礼申し上げます。

はりきゅう はしもと 橋本修一先生
〒972-8321 福島県いわき市常磐湯本町三函183-4
電話番号 0246-44-3246

 

不妊鍼灸ネットワーク公開講座 3月20日

お彼岸の真っただ中、京都で不妊鍼灸ネットワークhttp://www.kodakara.org/ の第二回公開講座が開催されます。

すでに100名の受講申し込みがありましたが、10名程度再募集を行う事になりました。

受講希望の方は、http://www.kodakara.org/kensyu/2015koukai_kyoto.html

をご覧ください。

・第一講義で三瓶が当院で日常行っている治療と対応を担当するほか、

・排卵障害、PCOSでアキュラ鍼灸院の徐大兼先生、

・着床率向上の話で、なかむら第二針療所院長 中村一徳先生、

・ほか、会員発表5題

特別講演は、JISART認定医療機関である醍醐渡辺クリニックよりドクターと培養士さんの講義があります。

・「不妊治療におけるラボワークの実際」
醍醐渡辺クリニック培養室長 木下 勝治 先生

・「クリニックにおける不妊治療の現状」
醍醐渡辺クリニック院長 渡辺 浩彦 先生

以上を予定しています。

全日本鍼灸学会東北支部研修会

昨日の日曜日は、全日本鍼灸学会東北支部の研修で福島市に行きました。

昼から親戚の入院見舞いのため途中退席になりましたが、国際メディカルテクノロジー専門学校時代の教え子が講師であったため、時間いっぱいまで聴講してきました。

講師は益子勝良先生です。
栃木県出身で、この11月に郡山市富久山町で開業されました。
出身校である国際メディカルテクノロジー専門学校を卒業され、東京の名門・後藤学園に通い鍼灸専門学校の専任教諭の免許を取られ、母校で教鞭を執っておられました。

鍼灸科学科長、教務部長まで務められたあと、退職して開業されました。

開業された鍼灸院は、

鍼灸サロンlibera(リベラ) http://libera89.com/
福島県郡山市富久山町久保田字石堂68-16
電話050-3690-1128
診療時間10:00~19:00(受付18:00まで)
休診日:水曜日

今後は当院と不妊症分野で提携をします。

5月・全日本鍼灸学会 公開講座のお知らせ

来る5月22日(金)~24日(日)の三日間にわたり、郡山市のビッグパレットふくしまを貸し切りで、全日本鍼灸学会(http://jsam.jp/)の第64回学術大会が開催されます。

大会ホームページ http://taikai.jsam.jp/
Facebook  https://www.facebook.com/64fukushima

地元鍼灸師会の役員でもありますし、もともとこの学会の会員でもあるので光栄なことに大会事務局を仰せつかりました。

その準備に2年前から会議や視察などをはじめ、実際の開催まで一か月を切りました。

福島県立医科大学会津医療センターの漢方医学講座の三潴教授が大会会頭で、わが福島県鍼灸師会会長の中沢先生(郡山市・一寸法師ハリ治療院)が大会実行委員長。大会の大蔵省である財務担当は同じく鍼灸師会の佐藤副会長(矢吹町・あけぼの鍼灸院)。

大会の内容は非常に質の高いもので、国内はもとより海外からの参加も多いようです。

この三日間で延べ参加数は約6500名。
この学会に参加しないでのんきに診療している鍼灸院が福島県内にあったら、それはもう『当院は勉強や研修はしないダメ鍼灸院です』といっているようなものです。

大会に参加できるのは、鍼灸師や医師、歯科医師、それらの学生となっていますが、最終日24日・日曜日の午後からは市民公開講座を準備しております。

市民公開講座 5月24日(日)13:00~16:00
どなたでも無料で参加できます!

クリックでPDFのパンフレットが表示されます

なお、大会運営に深く関わるものとして、不妊症のシンポジウムを企画しました。

大会二日目の午後のゴールデンタイムに、不妊症に対する鍼灸のエビデンス(効果の根拠)についてですが、たいへんな豪華キャストでお送りいたします。

シンポジウム2
「不妊症と鍼灸治療」
シンポジスト(発言順)

「統合医療を用いた生殖医療最前線」
HORACグランフロント大阪クリニック院長
日本IVF学会理事長 森本義晴 先生

「エビデンスからみた世界の不妊鍼灸の現状」
明治国際医療大学
臨床鍼灸学講座助教  田口玲奈 先生

学会指定発言
「不妊に対する鍼灸治療のエビデンスを求めて
~中リョウ穴刺鍼および陰部神経鍼通電を用いた鍼灸治療の効果~」
明生鍼灸院 副院長 木津正義 先生

「臨床現場における不妊鍼灸の質向上への取り組み」
不妊鍼灸ネットワーク会長
なかむら第二針療所 院長 中村一徳 先生

座長もW座長で非常に豪華です。

座長・明治国際医療大学特任教授 矢野 忠 先生
(形井秀一筑波技術大学教授とともに、日本に“レディース鍼灸”という言葉を作った先生)

座長・明生鍼灸院院長 鈴木裕明 先生
(おそらく国内外最多の鍼灸による不妊症の学会研究発表を行った鍼灸院グループの総帥)
なお、名誉なことに私・三瓶はこのシンポジウムのコーディネーターと司会をさせていただきます。

また、このシンポジウムは国内で初めて不妊症に関する鍼灸のエビデンスを論じるものとなりました。

これまで200万人の不妊症の方を診療された日本IVF学会理事長であり、世界最大の不妊診療グループであるIVFジャパン理事長の森本先生も、『不妊症には、特に卵子の改善には統合医療が必要で、とりわけ私は鍼灸に非常に期待している』と語られています。

学会の準備でこれまで当院の患者さまには多大なご迷惑をおかけしておりましたが、学会が終了しましたら祝祭日の診療も再開いたしますので、もうしばらくお許しください。

5月21日(木)午後から24日(日)までは、当院では副院長と参加しますので、休診とさせていただきますことをお許しください。

不妊治療にレーザー治療を取り入れました

平成27年4月1日より、当院ではこれまでの鍼灸治療に加え、低出力レーザーによる治療を始めました。

当院で使用するレーザーは、体内に豊富な血液や水分に影響されない波長の光(レーザー光)を目的とする神経節などに照射することにより、緊張している交感神経を緩和させ、その支配領域の血行を改善することができます。

頸部 星状神経節への低出力レーザーの照射

適応は実に多彩なのですが、当院では特に下記の治療に使用します。

  • 難治性不妊での、卵巣機能改善、子宮機能改善
    特に数回の体外授精などを行っている方
    採卵の成績が良くない方
    排卵障害、黄体機能不全
    卵子の質の改善
    胚移植時に子宮内膜が薄いなど
    卵巣機能不全高齢不妊(38歳以上)の場合
    多嚢胞性卵巣、月経不順
  • 耳鼻科系疾患
    突発性難聴、難聴、耳鳴り、めまい、メニエール病等
    花粉症、アレルギー性鼻炎等

たとえば、写真のように頸部の星状神経節へレーザーを照射した場合、ストレスなどで緊張した交感神経を抑制することにより、脳内の血行が大きく改善することが期待できます。

星状神経節へのレーザー照射前

レーザー照射前の脳の血行の状態ですが、レーザーを3分間照射すると、下の写真のように血行が改善します。

レーザー照射3分後の脳内の血行の改善状態 写真はいずれも東京医研株式会社・スーパーライザーでの効果

 

婦人科のホルモンで大切な卵巣を働かせる卵巣刺激ホルモン(FSH)や、卵巣内で成熟した卵胞から排卵を起こさせるための黄体形成ホルモン(LHホルモン)などは、脳内の脳下垂体から分泌されます。

また脳内にあって脳下垂体をコントロールしている視床などは、ストレスに大変弱いことが知られています。

脳内の血行改善があれば、こうしたホルモンの働きが正常になりやすいのです。

また星状神経節への照射のほか、患者さんによっては卵巣周辺の血管網への照射も行います。

通常、卵巣や子宮への血行の改善のための鍼灸は腰部から行うことが多く、腹部からは膀胱などが邪魔をして直接の治療ができません。

レーザーを使うと、鍼と違って直接に無侵襲で治療が可能となります。

特別な場合を除いて、この治療は通常の治療料金での範囲で行っています。(通常の鍼灸治療に、追加料金なしで行っています)

レーザーの刺激は全くの無痛で、腹部の場合は温感が少しあるくらいです。