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JISRAM東京研修 その5

毎度拙文にお付き合いくださいまして、ありがとうございます。

一度に書くと大変な量となりますので、分割してのJISRAM東京研修のレポートとなります。

最後の講座は、古典医学研究家の槇佐知子先生による、『医心方』の生殖医療分野の解説でした。

医心方は、中国・唐の時代に存在した膨大な医学書から、平安時代の鍼博士である丹波康頼が284編?の引用をしてまとめ上げた日本最古の医学書で、1984年に国宝に指定されました。

古代の中国に存在した膨大な医学書の重要部分を引用して作った日本最古の医学全書とはいえ、引用元の文献も中国歴史上の政権交代、戦乱などによりほとんど残っておらず、世界的にも大変貴重な歴史的医学書となります。

医学も現在の科学の一分野ではなく、呪術や迷信、宗教観の色濃いもので、現在の医学常識とはかけ離れた内容であったようです。

当時この医学書を用いたのは、宮中や公家、豪族などの名家ばかりであり、特に世継ぎに恵まれなかったときは家の断絶にも関わることで、大変なことのようでした。

講師の槇先生の語りも大変楽しく、まるでタイムマシンに乗って平安時代の様子をうかがっているようでした。

最後に記念撮影。
全国からのご参加、大変お疲れ様でした。

ちゃっかりと、山下湘南夢クリニックの中田久美子先生と記念撮影していただきました。

今年の残りの研修は、下記となります。

  • 10月8日(日)、9日(祝)日本鍼灸師会全国大会大阪大会
  • 10月15日(日)全日本鍼灸学会東北支部学術集会(発表)
  • 11月18日(日)佐賀県鍼灸師会(講義依頼)
  • 12月3日(日)福島県鍼灸師会
  • 12月10日(日)茨城県鍼灸師会
  • 12月21日(木午後から)福島県立視覚支援学校(講義依頼)

 

 

JISRAM東京研修 その4

研修は、講師のお話を聴くだけの講座と、自らが参加するワークショップ形式の講座がありまして、JISRAMではいろいろな分科会があります。

私が入っている分科会は、男性不妊を研究する『おたまじゃくしの会』です。

ワークショップの模様は↓

女性ばかりが取り沙汰される不妊症ですが、男性に原因があると思われるものは約半数あります。それも、男性に自覚がないケースがとても多く、この場合の妻側の治療はどんどん長期にわたる場合があります。

WHOの精液基準値となる、WHO精液ラボマニュアル2010によると、自然妊娠に必要な最低基準で1ミリリットル当たり1500万匹。これで問題ないとする国内のクリニックも非常に多く、これで自然妊娠しないならば人工授精や体外受精に進みましょう、という事なんでしょうね。

やはり子を授かることは自然の摂理ですから、自然妊娠が一番良いと思います。乏精子症などには鍼灸が非常に効果がありますから、男性にもぜひおすすめいたします。精子の数や運動率が向上します。

JISRAM東京研修 その3

研修その3は、インシデントレポートです。

鍼灸は副作用もない(非常に少ない)安全な医療ですが、もちろん危険防止について学ぶこともたいへん重要です。

研修では、より安全な刺鍼法について、明生鍼灸院・木津先生より提案がありました。

中髎穴刺鍼法という、子宮内膜を厚くする効果がある刺鍼法です。また間質性膀胱炎という極めて難治な膀胱炎に対しても行う手技です。

より安全に刺入するためのハリの長さ、角度について提示がありました。

 

JISRAM東京研修 その2

JISRAM東京研修その2は、山下湘南夢クリニックの培養室長である中田久美子先生による『一流の培養士への道』です。

中田先生は、以前は加藤レディスクリニックの研究室に勤務しており、様々な研究業績を残されました。

『不妊治療はつらくない』(加藤修著)の中に紹介されている、『卵子回帰説』を証明する実験に参加された第一人者でもあります。

卵子回帰説とは、子宮内に移植された胚が子宮内にとどまらず、黄体ホルモン(プロゲステロン)、卵胞ホルモン(エストロゲン)の高低によって、卵管に戻ったり子宮に留まったりする、というものです。

一人前で終わらず、生命を扱う医療者として常に一流の高みを目指す培養士の使命について、常に厳しい研究姿勢をお持ちだと感じました。

私たち鍼灸師も、常にそうありたいと思います。

JISRAM東京研修 その1

先日、山形へ行った次の日の9月18日は、東京での研修でした。

この日はライフワークである不妊や生殖医療についてなので、非常に楽しみにしていました。

会場は、渋谷のヒカリエ。
11階の展望台から見る、富士山。

第一講座は、不妊症とは一見関係ないと思われる、リウマチの話で、大阪の中島先生の講義でした。

一昔前は、進行性で骨変形が不可避であったリウマチでしたが、近年、MTX(抗がん剤・メトトレキサート)、生物学的製剤などの出現により、しっかりした医療を受けていれば、生活の質を高く保っていられる例が多い、という事でした。

ただし、こうした高価な薬が効くにも、もともとの体の状態も良くしておくことが必要であり、鍼灸は『薬が効く状態にすることができる』という事でした。

これは体外受精などでの排卵誘発にも言えることだと思います。
高価な注射などで排卵誘発するにも、体の基礎的な状態を良い状態にしてくことで、質の良い卵が採卵できる、という事だと思いました。

 

山形へドライブ

9月の連休一回目の9月17日日曜日は、入院されている知人のお見舞いで山形へ行ってきました。

台風18号が近づき天気も微妙ですが、一人で行くのも退屈なんで嫁さんを連れていきました(^_^;)

非常にお元気そうで、23日には退院が決まり安心しました。

帰りには道の駅?ではなく、山形市の外れにある『食の駅』に寄って行きました。

山形の農産物や海産物がたくさんありまして、台風が来ていると言うのに激混みでした。

超高級3個で500円のプラム、完熟ブドウ、そして超貴重な、初産みの卵を買ってきました。

翌日18日は、東京で開催される日本生殖鍼灸標準化機関での研修に参加してきます。

 

 

 

ワンコも鍼治療

AFPのニュースですが、上海でのペットのハリ治療の様子が出ていました。

http://www.afpbb.com/articles/-/3140297?pid=19298051

日本では、いろいろお世話になっている千葉の酒井先生が、獣医さんを相手にハリ治療のセミナーなどを開催しておりまして、割と最近はペットのハリ治療ていうのは、ポピュラーです。

なお、酒井先生は不妊治療でも大変実績があります。

千葉の成田で開業されている酒井先生(酒井はり灸院)には、日本鍼灸師会の委員をしているとき、大変お世話になっておりました。今度はワンコの治療法でも教わりたいな、っと!

※なお、当院では獣医師の免許はないので、ワンコの治療はしておりません(;^_^A

お灸の局所効果 ケロイド跡や美容にも

以前、もう5年、、、8年位前になるか、転倒してお尻を強打して内出血を起こした常連さんの治療を行った際に、許可を得て撮影させていただいた写真です。

内出血を起こした場所の血行改善を目的に、鍼を打った後に小さな灸を行った次の日の写真です。

赤矢印が灸を行った場所で、小さな灸の跡がお分かりだと思います。

灸のまわりに皮下出血が吸収されて、まるく色が抜けているのが分かりますね。

局所に行った灸は、このような血行改善の効果があります。
もちろん免疫などの調整で全身にも効果があります。

下は、胸元にケロイドができてしまい、かゆいのでお灸を、と希望された患者さんの写真です。これも許可を得て撮影し、ネットでの使用も許可を頂きました。

ケロイドの中央付近に灸を行っていましたが、やはりケロイドが薄くなるという効果がありました。

帝王切開などで出来てしまったケロイドにも効果があるでしょう。

当院の患者さんで、もしかゆいケロイドがある場合には、ぜひご相談ください。

灸はこのような美容治療的な効果もあるようです。