鍼灸治療のエビデンス(効果の根拠) その2 末梢血流の改善(筋肉の血流改善)について

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当院では、患者様同士と当院従業員の院内感染を防ぐ観点から、当分の間、風邪症状(せき、くしゃみ、発熱、悪寒、倦怠感など)のある方の来院の自粛をお願いいたします。

前回は鍼灸の痛みに関しての効果の根拠を書きました。

痛みは、1)原因があっての痛みと、2)原因が解決しているけど痛みだけが残っている痛みに分けられます。

1)は、筋肉の疲労によって血行不良が起こり、筋の栄養・酸素不足によって起きているものや、打撲や損傷などが挙げられます。そのほか、内臓の異常によって起こる内臓痛や、内臓が悪くて腰や背中に痛みが出る関連痛があります。

また腰椎ヘルニアや神経痛なども含みます。

2)は、上記の原因があった頃に痛み出し、すでに原因は治っているにもかかわらず痛みだけが残っている『慢性痛』を言います。

先に書いた
鍼灸治療のエビデンス(効果の根拠) その1 痛みについて

↑以上は、麻酔的効果に関してのもので、特に2)に有効ですが、『鍼を打つと血行が良くなる』という特性は、疲労や血行不良の筋肉を健康に改善させるため、原因を治す原因療法になります。

 

末梢 

末梢血流改善について

鍼を打つと筋肉の血行が改善する効果には、下記の働きがあることが証明されています。

体性感覚刺激による、筋の血流改善効果
1)脳を介する全身性反射調節、
2)脊髄を介する脊髄性反射性調節、
3)軸索反射による局所性調節、高位中枢を介する調節などがある。

当院で多用する電気鍼による筋の血流改善効果
鍼通電(電気鍼)刺激の全身性筋血流の神経機序として、交感神経α受容体を介して腎臓を含めた内臓血流の増大や減少を起こすことにより、血圧の下降または上昇させて間接的に皮膚および筋血流を増減する。

CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)やサブスタンスPなどの科学物質産生による血管拡張
鍼灸刺激による(ツボなど)局所の血流増加は、(ツボなどの鍼灸刺激による)体性感覚神経刺激による軸索反射機転によるもので、CGRPを介して筋血流を増加させる。

鍼灸は単に痛み止めだけでは終わらず、筋の疲労回復や凝り改善を血流の改善から行っているのです。

 

 

もうちょっと知りたい方には、当院ホームページ内の下記ページをご覧ください。

筋の血流改善に対しての鍼灸治療の効果の根拠 →