ふと思い出す患者さん

正確には、元患者さん、になるでしょうか。

なかなか妊娠しなくて、とうとう体外受精まで進み、何度か胚移植を行っても妊娠しない。

本当に妊娠希望だったのか

すっかり諦めていて、親の勧めで鍼灸治療に通い出した40歳目前の奥さんをいつも思い出します。

結果から言うと、二年半を毎週一回欠かさず治療を続け、奇跡的に自然妊娠して出産しました。

周囲に気を遣い、あらゆる治療を受けたけど妊娠出来なかった。でも諦めず私は頑張っているんです。と、とても辛い言い訳を二年半続けていたように、私はずっと感じていました。

この患者さんを連れて来たのはお姑さん

この患者さんを当院に連れて来たと言うのが、夫のお母さん。つまり姑さんでした。

体外受精の排卵誘発は、お姑さんが自宅で注射をしてくれたそうでした。

また当院を勧めて一緒に付き添って初めて来院した際、うちの息子はどこも異常ないんですけどねぇ、とも言いながらの来院でした。

結婚してから15年目の初妊娠でした。

元気な女の子を出産されました。

あの時の気持ちは

あの日から、まじめに来院を続けた持ちは、妊娠を希望しての前向きな気持ちだったのか、あるいは、妊娠はあきらめていたけど周囲に対しての言い訳として通っていたのか。

ふと思い出します。