不妊と妊娠後の鍼灸

お盆明け。

昨日は送り盆。我が家のご先祖様は無事に帰られたでしょうか。

盆中は2日間しか休まなかったので、夏休みとか盆休みとか、そういう感じはなく、ただただ暑い毎日でした。

あと40分で店仕舞いですが、ちょっと診療日記を書いてみます。

本日は、20代に卵巣チョコレート嚢腫の手術歴があり、月経周期25日ということで、高FSH・低AMHが疑われたために早めにARTを受けられるよう、隣県の某大学附属病院リプロダクションセンターを紹介させていただいたいただいた方の来院。

リプロダクションセンター紹介後、自然妊娠し、しかし化学流産。鍼灸続行しまた妊娠し、現在は妊娠18週になりました。

ご出産は郡山の高級ホテル並みということで大人気の●▽バースクリニックということでした。ここ凄い人気で、当院卒業の方も何人か今年出産されるようです。

続き、和樹先生の患者さんでPCOSの方。某医大生殖医療センターまで紹介させていただきましたが、積極的な治療を始める前に自然妊娠されたようで、この方ももう妊娠20週くらい。

その前に、排卵障害・PCOS気味で専門医でクロミッド → hMG → レトロゾール(フェマーラ)と続け、卵が出来なくなってきた方のご来院。

この方も辛抱強く鍼灸を続けていたら卵が育つようになり、レトロゾールを使って排卵誘発し、何回目?かの人工授精で妊娠でした。

しかし基礎体温を見たり、経過を見るとどうも人工授精ではなくその数日後のタイミングで妊娠した可能性が濃厚な。

この方も妊娠33週になり今回は逆子でご来院です。
ご主人ともども根気よく鍼灸を続けての快挙でした。

本日最後から二人目の患者さんは、40歳をちょっと越えたARTを受けていた患者さんでした。

仕事も忙しく、十分な頻度の治療はできなかったのですが、6月の採卵で凍結できた卵が良かったのでしょう。

今月の早期胚移植でめでたく妊娠陽性となりました。

鍼灸で卵の質が改善したとか、子宮の内膜が厚くなったとか、鍼灸の効果はありますが、妊娠や出産を目指すことが目的で、卵や子宮が目的ではありません。

例えば早期の流産の原因の大部分は受精時の偶発的な染色体異常ということになっていますが、実はその割合は7割で、残り3割にホルモンの異常などがあります。

もし鍼灸で卵の質や子宮の厚さが改善するのならば、それはホルモンや自律神経を含めた体全体を改善するからです。

妊娠した後も鍼灸を続けると、必ず妊娠した体には良い効果があるはずです。

本日は40代の妊娠例が出ましたが、高齢妊娠につきものの早産は、当院で鍼灸を行っている方ではほとんどなく正期産になる方ばかりです。