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鍼灸治療のエビデンス(効果の根拠) その4 脳血流の改善の効果について

当院では、患者様同士と当院従業員の院内感染を防ぐ観点から、当分の間、風邪症状(のどの痛み、せき、くしゃみ、発熱、悪寒、倦怠感など)のある方の来院の自粛をお願いいたします。

3月の診療案内 →

 

鍼灸のエビデンスの第4回は、脳血流を改善する効果について、です。

脳血流の改善は、脳血管障害(脳梗塞、脳出血など)の後遺症への治療効果を示唆します。

また、脳の中心部の血行改善は視床~脳下垂体などへの血行改善が期待でき、ストレスの改善を示唆します。

ストレスについての鍼灸の効果は、おいおいと別の機会に書いていきたいと思います。

今回は脳全体への血行改善の根拠(エビデンス)です。

脳血流の改善の要点は、、、↓

・脳局所血流は代謝性調節と神経性調節がある

・麻酔ラットにおいて顔や手足への鍼灸刺激は大脳皮質局所血流を増加させることが示されている。この機序には頭蓋内のコリン作動性血管拡張神経が関与する。

・健常者において手足の経穴(ツボ)への鍼刺激が脳血流を増加させることが示されている

更に詳しくは、下記リンクより文献をご覧ください。
実に多くの基礎研究があります。

もっと詳しく、鍼灸が脳血流に及ぼす作用 →

 

脳血流の改善は、痛みや不安などを軽減または解消し、老化を遅くする効果につながります。

当院では腰痛や肩こり、不妊治療などあらゆる治療で脳血流の改善を意識した治療を行っています。

痛みや不安、しびれなどのあらゆる苦痛など、脳で感じています。

鍼灸治療は、全身の状態を改善して疾病を治していきますから、あらゆる疾患の治療には、脳血流改善の改善を行う必要があります。

お子様のおねしょ・夜尿症に

当院では、患者様同士と当院従業員の院内感染を防ぐ観点から、当分の間、風邪症状(のどの痛み、せき、くしゃみ、発熱、悪寒、倦怠感など)のある方の来院の自粛をお願いいたします。

久しぶりに治療日記です。

数年続くオネショ、夜尿症で小学校高学年生が通われています。

オネショしても目が覚めず、それが毎晩毎晩、ずっと続くという超重症例です。

通常の小児鍼では歯が立たず。

そもそも小児科の治療でも全く効果がなかったといいます。

ならば必殺技で。

足の厥陰肝経という経絡にある、大敦(だいとん)というツボの取穴を少しずらした位置で、線香を使った灸を行います。

そのほかのツボも使いますが、熱さを感じる手前で線香を離すを繰りかえします。

効果絶大で、治療は週に2回。2週目からオネショ回避率50%を越えてきました。

いつか学会で発表しましょう。

深谷灸法の名穴です。

※当院のベッドシーツは治療後毎回アルコールで清拭できる抗菌シーツを使用しています。

冬は精液測定は慎重に

当院では、患者様同士と当院従業員の院内感染を防ぐ観点から、当分の間、風邪症状(のどの痛み、せき、くしゃみ、発熱、悪寒、倦怠感など)のある方の来院の自粛をお願いいたします。

当院では、第1の得意治療として不妊治療を標榜しております。

女性が治療に来院するのが非常に多いですが、男性不妊も対応しています。

男性不妊は端的にいえば精液・精子の状態を改善することを目的にしています。

そのほかは性交障害やEDなどにも対応します。

女性不妊では複雑なホルモン測定など、血液検査が必須となりますが、男性の精液測定は射精された成績を顕微鏡で調べるだけですので、割合簡単に評価できます。

この日の測定は30代の方でした。
(患者様には許可をいただいて掲載しています)

測定してみると、精液濃度(数)や総運動率に問題なさそうですが、厳冬期に当院まで1時間かけて射精した精液を持ち込まれたため、全体の印象としては『運動率はあるが、直線運動がすくなく全体的に元気が少ない印象がある』という感じでした。

精液を持ち込んで検査する場合、冬季は精液の容器はやや温めた状態のほうが良いようです。

温度としては、37度を越えないくらいで良いでしょう。
容器をタオルなどで覆い、その上から使い捨てのカイロで温めると良いようです。

当院には精液を測定評価できる設備があり、常に客観的なデータを蓄積して男性不妊のみならず、不妊症に対する鍼灸治療を行っています。

令和4年 3月の診療案内

当院では、患者様同士と当院従業員の院内感染を防ぐ観点から、当分の間、風邪症状(せき、くしゃみ、発熱、悪寒、倦怠感など)のある方の来院の自粛をお願いいたします。

 

令和4年3月は下記の通りの診療となります。

・日曜診療
3月6日(日)、3月27日(日)
※午前8時~正午まで受付診療します。

 

・休診日
3月13日(日)福島県鍼灸師会監査会のため
3月20日(日)、21日(月・祝)社会研修のため

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・月・火曜日(完全予約制)
朝8時30分~正午/午後2時~6時30分

・水・金曜日(完全予約制)
朝8時30分~正午/午後2時~7時00分

・木曜日(完全予約制)
朝8時30分~正午/午後は休診

・土曜日(完全予約制)
朝8時00分~正午/午後2時~4時00分

・日曜日・祝祭日
朝8時00分~正午/午後は休診

 

 

休診日  木曜午後、日曜日の午後特に指定した祝祭日

電話 0248-27-1846

※当院の鍼灸師は、 日本鍼灸師会および全日本灸学会、福島県鍼灸師会、日本東洋医学会、日本災害医学会の正会員です。

 

※当院の院内感染防止、衛生対策について
http://www.sanpei89in.com/tex/eisei.html

※旧ブログ
https://ameblo.jp/sanpei89inn/

※さらに旧ブログは、下記にあります。 http://sanpei89.rakusaba.jp/diary/diary.cgi

※スタッフブログ
鍼龍 https://ameblo.jp/3pei89in/

※産まれました(出産報告・休止中)
http://sanpei89.rakusaba.jp/diary2/diary.cgi

不妊治療後、妊娠した場合の病院選び

2月の診療案内(日曜休日診療含む)→

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本日は日曜診療で午前中診療をしておりました。

うれしいことに、最後の凍結卵1個で妊娠判定陽性!の方がおられました。

当院では、黄体期後半や基礎体温表で確認して必要がある場合は通常の電気鍼を多用する治療から、仰臥位では置鍼を多用する『流産予防』の治療に切り替えることが良くあります。

黄体期の後半は広義の妊娠を疑う必要があります。

妊娠した時とそうでない場合は、当院の場合は明らかに治療を変えるのですが、それは理由があります。

不妊はそれ自体は病気ではありませんが、ホルモンの分泌状態や子宮の機能は『結婚したらすぐ妊娠した』普通の方より弱いことを考えています。

もし鍼灸を行ってそれらの働きを補い妊娠されたとしたら、さらに妊娠を維持する機能を補う治療を当院では考えます。

ですので、『もう大丈夫』という時期まで鍼灸治療をすすめます。

具体的には、自然妊娠で35歳未満の方の場合は妊娠第12週までに週に1回程度で、それで無事ご卒業となります。

35歳を越えている場合や、体質的に流産しやすいとされている多嚢胞性卵巣(PCOS)の場合や体外受精による妊娠の場合は、妊娠第12週までは毎週1回鍼灸治療を行い、それ以降は2週に1回の鍼灸治療を妊娠第20~24週まで行います。

過去に流産を繰り返した方の場合は、妊娠第30週を越えるまで行う場合もあります。

1月には、当院通院5年越え、体外受精で胚移植16回目にして妊娠され妊娠時44歳を越えた方が45歳越えで無事ご出産されましたが、妊娠第34週まで鍼灸を継続されました。

不妊にはさまざまな原因がありますが、明らかな原因が判明していない方が多く、加齢による因子が非常に多いので、妊娠後はやはり流産には気をつけねばいけないと思います。

妊娠できたからと言って、『結婚したら簡単に妊娠できた』方と同じではないのです。

ですから、出産まで妊婦検診を行う病院は『時間的に通いやすい場所にある』『何かあったらすぐに受診できる距離にある』ところを選ぶべきです。

『施設が新しくて奇麗だから』『食事が良いから』など、そういうことで選んではいけません。

不妊治療で授かった場合、私としては24時間対応の産婦人科のある総合病院をおすすめします。

通常の自然妊娠の場合、特に高齢などリスク因子がなければ、大きな総合病院ではなく、開業されている産科医院などでももちろん大丈夫です。

 

原稿を執筆しました(福島県鍼灸師会 広報誌:広報ふくしんかい)

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当院では、患者様同士と当院従業員の院内感染を防ぐ観点から、当分の間、風邪症状(せき、くしゃみ、発熱、悪寒、倦怠感など)のある方の来院の自粛をお願いいたします。

私が会長を務める一般社団法人福島県鍼灸師会では、毎年1回、一般県民を対象に、広報誌を発行しております。

一般県民とはいえ、配布先は県内病院やこれまで講師をお願いした医師や大学教授などがほとんどで、ほかに全国の鍼灸師会事務所や、鍼灸学校卒業生へ寄贈しています。

バックナンバーも含め、ネットで見ることもできますので、ぜひご覧ください。

毎年、会長挨拶や匿名会員を装っていろいろ書いています(笑)

広報ふくしんかい第94号(最新号)
http://fukushima-harikyu.jp/files/koho/koho/kouho_94.pdf

バックナンバーは下記からどうぞ!
https://fukushima-harikyu.jp/prmagazine

 

 

 

原坊の朝顔の種【不妊治療・妊活の縁起物】配布開始です

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当院では、患者様同士と当院従業員の院内感染を防ぐ観点から、当分の間、風邪症状(せき、くしゃみ、発熱、悪寒、倦怠感など)のある方の来院の自粛をお願いいたします。

毎年配布している妊活の縁起ものである『原坊の朝顔』の種の配布を今年も開始しました。

 

当院にこの縁起物が来たのは東日本大震災の年で、11年前になります。

当事、不妊で鍼灸治療に通われていた方が仙台の病院で頂いたものを、妊娠してもう安心という時期に入って当院にお礼にくださったものが始まりで、翌年から配布を始めて今年で10年を迎えます。

この朝顔の送り主さんの記事はこちら
(2011年11月のご出産あいさつ)
https://sanpei89.rakusaba.jp/diary/diary.cgi?mode=view&no=119

当院だけで育てたのでは皆さんにお配りできないので、当院に通って妊娠を目指してる方や無事卒業した方など、大勢の方が里親になって朝顔を育てて、当院に種を持って来て下さってます。ありがたいですね。

原坊の朝顔とは、サザンオールスターズの桑田さんの奥さんの原由子さんに起源があります。

桑田夫妻は長らくお子さんに恵まれなかったそうです。ネットで調べると様々なところで書かれています。

当院では正真正銘の、そもそも5組のファンクラブの方に配った朝顔の種の子孫です。

昨年里親さんが愛情たっぷり込めて育てくださった貴重な種をたくさん入手できました。

講演を頼まれた際、聴講してくださった先生方に配ったりもしています。

芸能人も多数通う、かの有名な東京・渋谷のアキュラ鍼灸院(院長の徐大兼先生は私の盟友です)でも当院由来の朝顔の種を配布しています。
https://www.acuraclinic.com/other/2013/04/25/

 

鍼灸治療のエビデンス(効果の根拠) その3 神経血流の改善の効果について

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痛みの鎮痛効果、痛み止めだけではなく、筋肉の血流を改善して疲労や痛みを改善する鍼灸の効果について、その1 その2と書いていきました。

今回は、神経血流の改善の効果について鍼灸の働きを書いていきたいと思います。

・アドレナリンによる神経収縮 → 末梢の血流減少
末梢神経血管の血管収縮神経には、アドレナリン作動性の神経繊維が存在すると言われている。
この神経が活動すると、神経末端よりノルアドレナリンが放出され、血管平滑筋のα受容体に作用して血管を収縮させ、局所神経血流を減少させる。
逆にこの神経の活動が低下すると血管は緩んで拡張し、局所神経血流は増加する。

・血管拡張神経の活動 → 神経血管の拡張
血管拡張神経には遠心性のコリン作動性血管拡張神経と求心性の血管拡張神経があると考えられている。
求心性の血管拡張神経は、求心性神経の逆行性興奮によって起こるもので、軸索反射機転によるものと考えられている。
すなわち、逆行性興奮により求心性の神経末端からカルシトニン遺伝関連ペプチド(CGRP)が分泌され、それが末梢神経血管のCGRP受容体に作用して血管を拡張させる。
※鍼灸刺激により軸索反射を介し、CGRPの分泌が起こり、神経血管の拡張→神経血管の血流改善が起こる。

 

特にしびれや冷えなどの改善=末梢神経血管の神経性調節について

・アドレナリン作動性の血管収縮神経の末端からノルアドレナリン(N A)が分泌され、血管のα受容体に作用すると末梢神経血管は収縮して局所神経血流は減少する。

・一方、コリン作動性の血管拡張神経の末端からはアセチルコリン(ACh)が分泌され、ムスカリン受容体に作用すると末梢神経血管は拡張して局所神経血流は増加する。
※鍼灸刺激は、コリン作動性神経を活性化させ、アセチルコリンの分泌を増やす効果があります。

・求心性神経を逆行性に興奮させる軸索反射機転により神経末端からCGRPが分泌され、CGRP受容体に作用すると末梢神経血管は拡張して局所神経血流は増加する。
※鍼灸は刺入部位付近から支配領域の脊髄より軸索反射を起こし、CGRPの分泌を起こして血流を改善します。

もうちょっと知りたい方には、当院ホームページ内の下記ページをご覧ください。

しびれなど、神経の血流改善に対しての鍼灸治療の効果の根拠 →