「鍼灸の効果のある疾患」カテゴリーアーカイブ

鍼灸治療のエビデンス(効果の根拠) その1 痛みについて

2月の診療案内(日曜休日診療含む)→

当院では、患者様同士と当院従業員の院内感染を防ぐ観点から、当分の間、風邪症状(せき、くしゃみ、発熱、悪寒、倦怠感など)のある方の来院の自粛をお願いいたします。

鍼灸治療は様々な症状に対応できますが、鍼灸治療が効果を現す科学的な根拠について時々書いていきたいと思います。

鍼灸は長い歴史に基づく経験によって培われてきた医療ですが、『科学的ではない』などよく言われます。

実はそれは大きな間違いで、今現在までに判明している鍼灸の効果の根拠(エビデンス)は実に多くの分野で分かっています。

最近、時間があるときHPにこれら鍼灸のエビデンスについて少しづつ書いております。

第1回は、痛みに対する鍼灸のエビデンスを紹介します。

なお、今回から紹介するものはほとんどが『基礎研究』です。

ネズミやウサギを使って、痛みの軽減や神経の興奮、血流の変化があったとすると、その効果の検証のために、ある神経を切断したり血管を遮断したり、危険性のある薬剤や放射線を使用して効果が再現するか調べます。

こうした研究は生きた人間に出来る研究ではありませんが、非常に大切な研究です。

実際に人間に行う場合は『臨床研究』と呼びます。
これは同じ症状の群にある治療法を行い、一方の違う群に違う治療を行い効果の比較を行ったりします。

 

鍼灸の鎮痛効果については下記の通りです。


・鍼灸刺激はポリモーダル受容器をはじめとする各種感覚受容器を興奮させ、鎮痛効果をもたらす。

・鍼灸の鎮痛機序には、末梢の血流改善、脊髄後角でのゲートコントロール、上位中枢からの下降性抑制系が関与する。

・各種内因性オピオイドが末梢性・中枢性に関与する。

・広汎性侵害抑制調節(DNIC)の機序により、鍼灸刺激の即時的鎮痛現象を説明することができる。

痛みは、
感じる方の感受性が強いと同じ痛みでも強く感じる。
この感受性を低くする(閾値を上げる)ことについて、ポリモーダル受容器を興奮させる働きが鍼灸にはあります。

また脊髄レベルで痛みの信号の入力を抑制する『ゲートコントロール説』や、『鍼麻酔』の研究で知られるようになった内因性のオピオイド(体内にあるモルヒネ様物質)の分泌や、最近は広汎性侵害抑制調節(DNIC)と呼ばれる現象のかかわりが強く言われています。

広汎性侵害抑制調節(DNIC=diffuse noxious inhibitory controls=ディーニック)とは、疼痛部位と異なる身体部位に(鍼や灸などの)侵害刺激を入力することで疼痛部位の閾値が上昇する現象のことを言います。

痛みは炎症や疲労蓄積、冷えやストレスなどさまざまな原因があります。

今後解説する鍼灸のエビデンスについて、血行改善や脳循環改善なども書いていく予定ですが、こうした複合的な働きにより『鍼灸は単なる痛み止めではない』と言えます。

疲労が蓄積して起こる筋肉の凝りの痛みには、凝りの血行改善を。冷えにも血行改善を。脳内で痛みを感じる慢性痛には脳内の血行改善を行い、鍼灸は常に原因を治しながら痛みを減じていきます。

もうちょっと知りたい方には、当院ホームページ内の下記ページをご覧ください。

痛みに対しての鍼灸治療の効果の根拠 →

 

 

 

 

 

 

うつ病 うつ状態 関連する疾患の鍼灸の効果

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当院では、患者様同士と当院従業員の院内感染を防ぐ観点から、当分の間、風邪症状(せき、くしゃみ、発熱、悪寒、倦怠感など)のある方の来院の自粛をお願いいたします。

 

やる気が出ない、寝つきが悪い、眠れない。興味があった趣味に没頭できない。食べても美味しくない・・・

そういう状態になったことはないでしょうか?

うつ病は『心の風邪』とも言われ、軽いものも含めればだれでも一生のうちには罹るかもしれない。そういう身近な病態です。

うつ病、と診断されなくとも、頑固な肩こりや腰痛に潜在的にうつ病の方は多いです。ストレスはこうした慢性病に多く潜んでいます。

上記、こんな会話を患者さんと治療中にしました。

ストレスには鍼灸が良い効果があります。

当院での鍼灸治療は、脈を診て全身の調整をしながら肩こりや腰痛の治療をします。

実はうつ病を改善する治療、予防する治療も同時に行っているのです。

NHK健康 鍼灸によるうつ病の治療

https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1132.html
 

 

鍼灸による、うつ病改善のエビデンス

https://www.ejim.ncgg.go.jp/doc/pdf/h55.pdf

上記は世界で研究している論文をメタアナリシス(統計的解析)したものです。

 

 

鍼灸によるセロトニン・ドーパミンの濃度の変化 世界の研究から

※クリックで大きく表示されます。

表ではさまざまな世界の研究者たちの結果が掲載されてます。

ピンクのマーキングは、セロトニンやドーパミンが鍼灸刺激によって上昇したことを確認した研究です。

痛みやしびれなどの苦痛や、心理的ストレスが長期間存在すると、脳内ではさまざまな変化が起こります。

幸せホルモンと言われるセロトニン、体の活動に関するドーパミンなどの物質も減り、やがて痛みなどの苦痛が慢性化し、またうつ傾向に陥り、病気の治癒が遅くなっていきます。

鍼灸治療は痛みなどの症状を和らげながら、脳内の減少したセロトニンやドーパミンの分泌を増加させ、うつ傾向からの脱却やうつ病の予防を行うのです。

 

 

 

 

円形脱毛症 単発型・長期罹患例・重症例の鍼灸の効果

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円形脱毛症は当院で良く扱う得意疾患です。

長期罹患例(3年以上~)、単発型の重症例(脱毛面積は後方から見て約70%)の症例の紹介です。

担当鍼灸師は三瓶和樹先生です。

 

1)初診時です

脱毛部の輪郭がはっきりしているのが長期罹患例の特徴です。
少し白髪の発毛が見られますが、長く成長しないそうでした

 

 

2)治療開始から2ヶ月治療16回目くらいです。

灸の跡がありますが周囲に発毛が多く見られるようになりました。

また白髪でも長く成長しているようです。

効果が現れ発毛がしっかりしているので、患者さんに治癒の自信をもって通院していただけています。

 

 

3)治療開始後11ヶ月後の写真です。

いかがでしょう?
白髪の発毛からしっかりした黒毛に変わっています。

脱毛部位から生え始めるのは白髪がほとんどですが、幹部の血行が改善してくると毛髪の栄養が改善し、黒毛が多く生えるようになります。

 

 

4)治療開始13ヶ月目の写真です。

治癒までもう一息!というところまで来ました。
写真の撮り方が上から見下ろすように撮ってしまっています。

資料性が乏しい写真を撮らないように!と注意しました。

こういった写真は必ず同じ角度や大きさになるように撮らないとダメです。

 

 

5)治療開始から16ヶ月目の写真です。

ほぼ完全に治癒しました。

経験上、ここまで改善すると再発した方はおりませんが、念のた経過観察を含め、治療の頻度を落としてもうしばらく治療を継続します。

もちろん患者さんは大喜びでした。

円形脱毛症の治療は、1週に1回とかのんびり治療すると、せっかく発毛が見られても成長せずに弱い毛のままであったり、抜けてしまいます。

1週に2回以上しっかり治療することで治っていく方が非常に多いです。

治療は患部の治療だけで、1回2,000円と安価に設定していて、1ヶ月当たり16,000円程度です。

例えば10ヶ月継続して16万円程度。

この金額ではウィッグ(カツラ)すら買えません。

 

 

 

 

 

 

 

スライド完成

年末年始の診療案内 →
(ついでに休日診療案内も)

12月になりました

実に早いもんです

12月は講義を2つ担当していまして

1つは12日(日)午後
大阪府鍼灸マッサージ師会様と
大阪府鍼灸師会様の
合同で開催している
『鍼灸師のための周産期ケア講座』
https://www.osmk.osaka.jp/syusanki_seminar2021.html

第1講座は
『誰にも聞けない月経のお話』
講師:長岡崇徳大学 看護学部
柳原 眞知子 教授

ワタクシは第2講座担当ですが

 

 

 

 

大学教授の後に講師やるのかぁ。。。

 

 

 

 

それ絶対間違ってるよなぁ(;^ω^)

 

 

とりあえず

まじめにスライド作ると・・・

月経関連の
月経痛とかPMSとかの諸症状で

ものすごい経済損失があり

しかもたかが生理痛でということで

病院とかに行かないで
我慢している方が8割

 

 

原発性とも続発性とも

月経痛には非常に鍼灸は効果がありますが

例えばエストロゲン依存性疾患である
子宮内膜症などは

根治を目的にした鍼灸はあり得ません

結婚していないとかまだ若いとかで
妊娠を希望されていないのであれば

積極的に専門医を受診し
ピルなどを服用した方が良いでしょう

 

 

もし結婚をしたとかで妊娠を希望した際は

ピル服用を中止すれば妊娠できます

今年もピル服用後に不妊治療でいらした方が

何人かいましたが

みなさん案外スムーズに妊娠されました

 

 

無駄に排卵させないという意味からも

ピル服用はおすすめです

 

 

不妊治療の最後の砦ともいえる

ART=高度生殖医療でも

子宮内膜症の進行した際に多い
チョコレート嚢腫などがあると

卵の質が問題になったりして

なかなか大変なケースが多いようです

不眠、睡眠障害、眠りの質改善に

鍼灸はいろんな病気や症状に対応できますが、こんな症状にも良い効果があります。

  • 夜中に何度も目が覚める、
  • トイレで何度も起きる場合がある
  • そのたびに、なかなか眠れなくなる、
  • そもそも、寝つきが悪い、
  • 睡眠導入剤を服用して寝ている、
  • それでも夜中に目が覚める
  • 翌朝は、非常に体調が悪い
  • なるべく、睡眠導入剤などやめたいと思っている、

睡眠に関する不調は、当院の患者さんでも大変多いです。やはり中年期以上になってくると、訴える方が多くなります。

眠れなくなる不安、夜を迎える不安。

当院では首肩こりを改善し、また脈状などから気血の巡りを改善するツボに鍼や灸を行い、週に1回程度、重症の方は当初週に2回程度を続けていると、一カ月くらいで大変良く眠れるようになります。

当院では伝統的な鍼灸のほか、低出力レーザーを使用して体にたまっていくストレスを緩和させる治療も同時に行います。

毎日少しずつたまっていく睡眠負債。鍼灸で解消してみませんか(^^)/

睡眠に関するお問い合わせも受け付けております。
三瓶鍼療院 http://www.sanpei89in.com/
電話0248-27-1846

JISRAM東京研修 その1

先日、山形へ行った次の日の9月18日は、東京での研修でした。

この日はライフワークである不妊や生殖医療についてなので、非常に楽しみにしていました。

会場は、渋谷のヒカリエ。
11階の展望台から見る、富士山。

第一講座は、不妊症とは一見関係ないと思われる、リウマチの話で、大阪の中島先生の講義でした。

一昔前は、進行性で骨変形が不可避であったリウマチでしたが、近年、MTX(抗がん剤・メトトレキサート)、生物学的製剤などの出現により、しっかりした医療を受けていれば、生活の質を高く保っていられる例が多い、という事でした。

ただし、こうした高価な薬が効くにも、もともとの体の状態も良くしておくことが必要であり、鍼灸は『薬が効く状態にすることができる』という事でした。

これは体外受精などでの排卵誘発にも言えることだと思います。
高価な注射などで排卵誘発するにも、体の基礎的な状態を良い状態にしてくことで、質の良い卵が採卵できる、という事だと思いました。

 

お灸の局所効果 ケロイド跡や美容にも

以前、もう5年、、、8年位前になるか、転倒してお尻を強打して内出血を起こした常連さんの治療を行った際に、許可を得て撮影させていただいた写真です。

内出血を起こした場所の血行改善を目的に、鍼を打った後に小さな灸を行った次の日の写真です。

赤矢印が灸を行った場所で、小さな灸の跡がお分かりだと思います。

灸のまわりに皮下出血が吸収されて、まるく色が抜けているのが分かりますね。

局所に行った灸は、このような血行改善の効果があります。
もちろん免疫などの調整で全身にも効果があります。

下は、胸元にケロイドができてしまい、かゆいのでお灸を、と希望された患者さんの写真です。これも許可を得て撮影し、ネットでの使用も許可を頂きました。

ケロイドの中央付近に灸を行っていましたが、やはりケロイドが薄くなるという効果がありました。

帝王切開などで出来てしまったケロイドにも効果があるでしょう。

当院の患者さんで、もしかゆいケロイドがある場合には、ぜひご相談ください。

灸はこのような美容治療的な効果もあるようです。

 

謎の下肢痛

かれこれ7回ほど治療に来院されている高齢のご婦人。

右の股関節付近と右の下腿外側の痛みが主訴でした。

数年前に腰部脊柱管狭窄症の手術を行い、それまでの腰痛から解放されたとのこと。

2年前から今回の症状が現れたそうな。その時も来院し、3回か4回の治療で緩解されました。

右の股関節を動かすと、左に比べるとかなりの制限がありました。腰の手術の後にこの様な症状が出る方は時々います。

原因はよく分からず、もともと股関節に問題があったのか、高齢ゆえの運動不足のせいなのか。

近々、遠くに家族ぐるみで転居されると言い、いつになったら治るのかと焦っていましたが(^_^;)

めでたく治る見込みが見えて来て、症状もだいぶ改善したようでした。

転居さきの周りには、よく知っている先生がたくさんいますから、一番腕が良くて優しい先生を紹介したいと思います。

ますますよくなって下さいね!

当院では、腰痛や坐骨神経痛の治療も得意です。ぜひご相談ください。

白河市 三瓶鍼療院 電話0248-27-1846