「不妊症・子宝治療」カテゴリーアーカイブ

子宮内膜症と不妊、とくに着床阻害について(不妊鍼灸ネットワークでの講義内容)

もう10年前になりますが、不妊鍼灸ネットワークを設立し、全国の仲間で勉強していた頃。

子宮内膜症がどのように不妊に深く関わるか、について話させていただきました.

10年前ですから、感慨深いものがあります。

ーーーー

 

名古屋での私の講義の持ち時間は30分。
テーマは『子宮内膜症で』と、明生鍼灸院の木津先生からお題を指名されたので、今回は着床を阻害する要因としての子宮内膜症に絞ってみました。

三瓶が口を開くと、あぁまた子宮内膜症か、、、と、参加者によっては5回も6回も聞かされていると思います。

それでも、原因不明不妊が難治性不妊の大部分を占める昨今の情勢の中、子宮内膜症を知れば知るほど、妊孕性を向上させるという曖昧な鍼灸の効果の一つに、この子宮内膜症がもたらす月経痛の改善効果があると思うのです。

着床とは、子宮の内膜に受精卵が接触した時から始まる一連の生理的生物的な反応ですが、その後の妊娠継続も含めて実に不思議で精巧なものです。

本来、授精した卵は母体にとっては異物であるはずです。
夫側由来の遺伝子と何かしらのエッセンスがあり、普通ならば母体が排除にかかります。

たとえば人体に無害なスギの花粉が鼻粘膜に接触すれば、花粉症の方は鼻炎を起こして花粉を排除しようとします。

話がそれましたが、妊娠や特に着床を阻害する子宮内膜症の話に戻ります。

子宮内膜症と不妊症・全体像
子宮内膜症と不妊症・全体像

子宮内膜症の女性不妊に及ぼす影響は実に様々です。
子宮内膜症に罹患すると、通常よりも腹水が多くなり、腹水中の免疫が亢進します。
この免疫が亢進した腹水がもたらす影響の一つとして、卵子のピックアップが悪くなり、また卵管内を泳ぐ精子の運動が阻害されるそうです。(参考文献1)

子宮内膜症の不妊要因3つ

また子宮内膜症は、進んだものになると卵巣でチョコレート嚢腫ができ、卵管内で繰り返し発症すると卵管が閉塞することが知られています。

今回のテーマは、子宮内膜症患者の腹腔内環境が不妊・特に着床にどういった影響があるか、についてでした。

 

子宮内膜書と着床障害

受精卵が子宮の内膜に接触しただけでは着床は始まらず、インテグリン、トロフィニンといったサイトカイン類の作用があって着床が開始されます。

その後、受精卵からはさまざまな信号や物質の移動が子宮内膜に向けて行われるそうです。

なお、着床の初期の接着を強固にするものとしては、精漿中に存在するケモカイン類が挙げられるそうです。
精漿中のケモカインが子宮の内膜に局所的な炎症を起こし、着床の準備状態が作られる可能性があるそうです(参考文献1)

 

ウサギを使ったHahnの実験(1)

子宮内膜症のウサギを作り、人工授精すると、通常の妊娠ウサギよりも大幅に胎児が少なかった、という実験。
アメリカの産婦人科雑誌に発表されました。

子宮内膜症ウサギの腹水を正常ウサギに腹腔内投与した実験

また子宮内膜症のウサギの腹水を、正常なウサギの腹腔内に投与して人工授精をしたところ、同様に平均胎児数より大きく減少した、そうです。

illeraの2000年に発表された実験

子宮内膜症患者(人間)の腹水を100倍に薄め、妊娠したマウスの腹腔内に投与したところ、胎児が大きく減少した。
(参考文献からは、妊娠前に投与とは書かれていませんでした)

以上はすべて子宮内膜症の腹水に、着床や妊娠を阻害する原因があることを示しています。

 

Edwardsの子宮内膜の実験 Lanset誌 1991年

一方、腹水ではなく『規則正しい周期で(妊娠せずに)月経が起こる子宮の内膜』に、着床や妊娠を阻害する要因があることを調べた実験もあります。

Edwardの仮説と、堤治先生の子宮内膜症の罹患率の説

Edwardsは、周期的に機能している子宮内膜には、着床や妊娠を阻害する因子が蓄積するのではないか?と仮説を立てました。

周期的に(妊娠せずに)月経がある子宮で、子宮内膜症が起こりやすい、とは、山王病院院長で元東大産婦人科教授の堤先生も言われております(文献3)

一方、子宮内膜症の主な症状は不妊のほかには強い月経痛があります。

鍼灸はその月経痛には大変良い効果があり、2~3周期の間、週に1~2回の治療を行うと服薬の必要がなくなったり、生活の質が大変向上します。

当院の考える、『妊孕性の向上

月経痛は子宮の収縮によるもののほか、骨盤内での炎症性病変が起こしているものだとすれば、これが改善するのはそういった炎症が少なくなることであり、すなわち着床・妊娠をを阻害する炎症性のサイトカインが少なくなるのではないかと当院では考えます。

子宮内膜症にはさまざまな重症度があり、アメリカの不妊学会ではそのステージを4つに分類しています。

重症度が高いほど、着床・妊娠を阻害するサイトカインが働くというのではなく、比較的軽症のⅠ期、Ⅱ期のものが、そういった生理活性が強いという報告もあります。(文献4)

月経痛があるかたは、その改善も妊娠しやすい体にするために大切なものとなります。

 

 

<参考文献>

後日掲げます

 

 

第2回 オンライン不妊症セミナーを開催します

まだ先の話ですが、2月に開催した第1回に続き、第2回オンライン不妊症セミナーを開催します(^^♪

当院からZoomを使ったオンラインで不妊症の講習会を開催しますが、第1回はなんと70名近くの参加申し込みがありました。

アーカイブは2週間。第1回目のセミナーのアーカイブは、Youtubeで237回の視聴がありました。

237視聴ではユーチューバーにはなれませんが(;^ω^) 福島県鍼灸師会で開催した大学教授や全国の有名鍼灸師のアーカイブの視聴数に比べるとダントツのトップでした。

予告 令和6年 7月14日(日)開催 第2回不妊症オンラインセミナー 学会C講座2ポイント 生涯研修(臨床)4単位

それで、過去に私は鍼灸学校の非常勤講師をしていたこともあり、全日本鍼灸学会の講師基準を満たしているので、学会認定のC講座として開催できます。

全日本鍼灸学会の会員の先生は、このセミナーに参加すると2ポイント取得できます。

内容は、

・内容
第1部 午後1時30分~午後3時00分(90分)
・なぜ痛む月経痛
・月経トラブルの社会損失
・普通の月経痛と不妊になりやすい月経痛
・痛み止めからの解放が妊娠体質へ
・あらゆる不妊の原因・子宮内膜症とは

第2部 午後3時10分~午後4時40分(90分)
・排卵障害について
・若い女性に多い多嚢胞性卵巣について
・欧米と違う日本人・アジア人種の多嚢胞性卵巣
基礎体温の見方とタイミング指導について
・月経痛、排卵障害(多嚢胞性卵巣含む)の鍼灸実技

経営ミニ講話
・ベテラン鍼灸師を蝕むマンネリの恐怖

こんな内容で90分を2コマ、合計180分しゃべります。

特に当院では排卵障害、中でも多嚢胞性卵巣(PCOS)の自然妊娠率が高く、昨日も2人目不妊の多嚢胞性卵巣の方が自然妊娠しました。福島医大生殖医療センター様を紹介させていただき、連携しての和樹先生の治療でした。

当院での治療ノウハウを交えて、お話ししたいと思います。

流産について

日常的に不妊症の方を治療していると、必ずと言っていいほどの流産の患者さんを経験します。

不妊の原因は様々ですが、結婚して数年間も妊娠の経験のない方が鍼灸治療を根気よく続けてやがて妊娠できると、喜ぶまもなく失意のどん底に突き落とされることがあります。

初期の流産のほとんどは精子と卵の受精の瞬間に決まってしまうという偶発的なものがほとんど、と言われています。初期の流産の約7割はこうした染色体の異常によるものだそうです。

そのほか3割に黄体機能のが弱かったとか、ホルモンの不調を原因とするものがあるそうです。また原因不明なものもあることでしょう。

2月のオンラインセミナーで、流産の場合の患者さんへの対応についてほんの少しですがお話をしました。

E,キューブラー・ロスの『死の受容過程』を提示して、どう術者は対応すべきか、をお話します。

『また妊娠できるから大丈夫』などと軽々しく患者さんを励ましてはいけない、と皆さんには話します。

流産したことをどう受け入れるか迷われているときには、どんなことを言っても旨く伝わることはないでしょう。

ベストな対応はありませんが、女性であれば誰しも流産は経験している可能性があることを当院ではまずお話します。

お話するタイミングは、妊娠前がベストで、妊娠直後にもう一回お話します。『もしそのまま妊娠が継続すると、大変体が弱い、重い障害があるお子様が生まれてしまう可能性があるのです』、というような説明をします。

また、妊娠できるかどうかわからない、先が見えない状態から、妊娠できた事実を受け止めるべきでしょう、というようなお話をします。ただし流産前に。

次のオンラインセミナーは7月14日に開催しますが、その際にまた説明しようと思います。

 

 

 

米国生殖医学会による、鍼灸治療の推奨について

5月24日から26日にかけて開催される、第73回全日本鍼灸学会宮城大会の準備に追われておりまして、今日は帰宅してからネット会議が2つ。

ひとつは私が企画した学会のシンポジウムのシンポジスト、座長の顔合わせ会です。

シンポジウムの演題は↓

シンポジウム1「多職種連携企画 生殖医療における鍼灸の役割(難治性不妊の治療の現状と未来)」

座長は、
木津正義先生
不妊鍼灸では日本で最も早く学会発表を繰り返してきた名古屋の明生鍼灸院の木津正義先生。現在は明生鍼灸院副院長の傍ら、静岡の俵IVFクリニックでも生殖鍼灸を行っている先生です。

なおこのシンポジウムの司会進行は三瓶です(名目上、座長ですが)

シンポジストは、
1)菅沼亮太先生
言わずと知れた福島医大生殖医療センター長で、病院教授。当院でも最高齢妊娠出産された方がお世話になっておりました。個人的には助産師の私の娘も勤務先でお世話になっておりました。凄腕ドクターでしかも優しくて大人気の先生です。

2)本田(宇仁田)明奈先生
長らく会津医療センターで研修し、その後、福島医大生殖医療センターへ配属となりました。三潴忠道教授、鈴木雅雄教授に鍛えられ、非常に優れた鍼灸の先生ですが、生殖医療カウンセラーとして活躍されていて、今後は生殖医療センターでの鍼灸も受け持たれるのでしょう。

3)松田尚香先生
香川県丸亀市にある厚仁病院という、高度生殖医療をおこなう有名な病院内で鍼灸を行っている先生。京都のなかむら第二針療所の中村一徳先生の推薦なので、これまた凄腕の鍼灸師の先生。

上記3人のシンポジストと、座長の木津正義先生、あと、このシンポジウムの前に、私が『不妊鍼灸の特別演題入りとこれから』という教育講演を行うのですが、その座長の益子勝良先生も入れて、6名でZoomによる顔合わせ会を行います。

教育講演1「不妊鍼灸の特別演題入りとこれから」
演者 三瓶真一(三瓶鍼療院
座長 益子勝良先生(郡山市 鍼灸サロンLibera)

 

これから先、福島医大生殖医療センターと医療連携が進むことを願って、今夜のZoom会議を開催します。

 

もう一つのネット会議は、上記の顔合わせ会が終わってから、全日本鍼灸学会宮城大会の懇親会の相談会です。

 

 

びっくりした採卵成績

<3月の休日診療>
3月20日(水・祝)朝8時30分~正午まで診療します。
3月24日(日)朝8時00分~正午まで診療します。
3月31日(日)午後3時~5時まで診療します。

17日(日)は学会会議のため休診になります。

—–

長らく不妊治療で来院されていた患者様の、初めての体外受精を控えての初めての採卵が最近ありました。

そも多嚢胞性卵巣気味の方で、卵巣予備能は高めだった筈ですが、その採卵成績にびっくりしました。

21個採卵し、15個をなかなかのグレードの胚盤胞で凍結されたそうでした。

通常、多嚢胞性卵巣気味の方はたくさん際らされても凍結まで至る卵が非常に少なくなる傾向があります。

過去の患者様には30個以上採卵されて、凍結できたのは1個とか2個などと言う方が多かったです。

卵巣過剰刺激症候群という、卵巣が腫れる事も多く、非常に体には負担がかかります。

良いグレードの胚盤胞が15個あれば、おそらくもう採卵しないで済むでしょう。

鍼灸とレーザーは良い効果があったようです。

修了証を作成しました

<3月の休日診療>
3月10日(日)午後2時~4時まで診療します。
3月20日(水・祝)朝8時30分~正午まで診療します。
3月24日(日)朝8時00分~正午まで診療します。
3月31日(日)午後3時~5時まで診療します。

3月3日(日)、17日(日)は休診になります。

ーーーーーー

2月23日のオンライン不妊症セミナーでは、なんと福島県鍼灸師会会員外で60名超の申し込みがあり、しかも海外(日本人)からの参加がありました。

『ぜひ参加したことの証明として、修了証を作ってほしい』と依頼があり、頑張って作りました。しかも英語で。

英語圏で鍼灸院を開業されていて、もちろん英語はご堪能なのでしょう。

だから文面は作っていただきました。

今や全世界で鍼灸が医療として用いられていますが、経絡治療、経筋治療、奇経治療、トリガーポイント治療、中医学式、現代医学式、鍼灸には実に様々な流派があります。

これらすべての流派を日本式の細い鍼で繊細に治療する、この多様性が日本鍼灸の特性です。

ぜひこの修了証を掲げ、日本鍼灸を世界に広めてほしいと願っています。

申し込まれた海外の先生には、本日郵送でお送りしました。約15日で届くそうです。

喜んでいただけましたらうれしいです。

不妊症オンラインセミナー終了しました

2月もそろそろ終わりになります。

1年は早いものですね。

2月23日の天皇誕生日は、午前中診療し、午後からは当院からZoomをつかった不妊症のオンラインセミナーを開催しました。

なんと参加申し込みは60名超!

3時間超のセミナーで、3回予定のうち第1回。

しかし、開始からアーカイブ用に録画するはずが、、忘れてました(;^ω^)

3時間超講義で話し終わり、録画しなかったスタートから1時間をもう一回話し、録画しておいて編集して仕上げるという荒業に。

しかもどこまで話したか覚えておらず、多めに話して録画したので、合計で1人で5時間を話しました。

我ながらよくやりますな(^^♪

次回は夏に、子宮内膜症と多嚢胞性卵巣(PCO)を重点的にしたセミナーを開催します。

 

2月23日午後はオンライン不妊症セミナーを開催します

令和6年 2月の診療案内
https://sanpei89in.com/blog/?p=4207

2月23日(金・祝)は午前中診療いたします。

25日(日)はいわきサンシャインマラソンボランティア参加のため休診になります。

日曜診療は、原則前日までの予約をお願いいたします。
(日曜当日に電話いただき、私が電話に出れば当日予約でもOKです)
————————————————————————–

2月23日は、午前中診療し、午後1時半から全国の鍼灸の先生を相手に不妊鍼灸のセミナーを主催します(^^♪

やっとこスライドが出来上がりました。

時間までの待ち受けは、このスライド。
zoomで皆さん参加するオンラインですが、このスライドのBGMは、東京ディズニーランドのメインエントランスのBGM。

心ウキウキするようなBGMを心がけました。

スライドのトップ。表紙は↓こちら。

わが治療院受付にあるフェルトのコウノトリです。

今回全国の鍼灸師が対象ですが、すでに50人以上参加申し込みがありました。

海外の鍼灸師の先生も参加申し込みがありました。

講義頑張りますよ~(^^♪