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第5回日本伝統医療看護連携学会でシンポジウム講演と座長を務めました

12月・年末年始の診療案内
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※直近では12月3日(日)、10日(日)が日曜診療(午前中)です。
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11月25日(土)に、北九州市で開催された第5回日本伝統医療看護連携学会に参加し、シンポジウム講演と、鍼灸関連の一般演題発表の講師を務めてきました。

会場は北九州市・産業医科大学。厚生労働省が支援する、公設民営大学で一種の私立医科大学になります。

学会の大会長は立石和子先生(産業医科大学産業保健学部 教授)。

大会テーマは
Various Treatments(多様な治療選択)~人・場所・方法~

名誉なことに、昨年の第4回に引き続き、2年連続でシンポジウムに登壇せていただきました。

シンポジウム『東西の在宅医療、ケア』

座長は大沼由香先生(岩手保健医療大学 教授)
立石和子先生(産業医科大学産業保健学部 教授)
実に大学教授2人が座長という豪華ぶりでした。

発表順からシンポジストと演題は、

 1)在宅療養者の鍼灸利用について
~北九州市内(若松区/八幡西区)の訪問看護利用者の状況から~
野元由美先生 (産業医科大学産業保健学部 講師)

2)鍼灸師のプロフェッショナリズムを高めるために地方の組合(鍼灸師会)が頑張っていること
三瓶真一 (一般社団法人福島県鍼灸師会 代表理事・会長/三瓶鍼療院 院長)

3)鍼灸が介護と連携でできる訪問ケア
吉田 学先生 (鍼灸院心美堂 院長)

4)自立支援を目指して
及川敦子先生 (訪問介護ステーション火の鳥 所長)

5)医はき師からみた、医師・看護師連携の勘所
寺澤佳洋先生 (口之津病院 医はき師)※医師鍼灸師

シンポジウム後の記念撮影です。

一般演題発表

ほか、一般演題発表4題の座長をやらせていただきました。

1)江戸時代の按摩療法における施術手技と治療理論の文献検討
三保翔平先生(仙台赤門医療専門学校 鍼灸マッサージ東洋医療科)

2)脊柱管狭窄症手術後に発現した尿閉に対する陰部神経刺鍼の有効性について
北小路博司先生(宝塚医療大学 保健医療学部 鍼灸学科 教授)

3)事故情報データバンクを活用した“好転反応”に関連するトラブルの解析と社会的影響
宮本成生先生(立命館大学大学院 スポーツ健康科学研究科)

4)超音波画像診断装置を利用した筋・筋膜性腰痛に対する鍼治療の一症例
種市敢太先生(BODYREMAKER 鍼灸治療院)

いずれの発表も素晴らしい発表で、これらそれぞれの発表後に会場からの質疑を取りまとめたり、コメントを入れることが座長の仕事です。

特に、2)の高名な北小路教授の発表演題は、当院で不妊治療で卵巣機能改善や子宮内膜肥厚についてよく行っている鍼灸手技です。

もともとは北小路教授が前職である明治鍼灸大学鍼灸学部・泌尿器科学講座で創始研究した技術でした。

この鍼灸技術は泌尿器症状に悩む方への福音となっているほか、多くの妊娠・出産を希望されている方を救ってきた技術で、その創始者である北小路先生のご発表の座長を任せていただいたことは、大変光栄で名誉なことです。

またこの発表は優秀発表賞になり、立石大会長から表彰されました。

発表後に北小路教授と記念撮影させていただきました。

北九州市は福岡から電車に乗り換えて小一時間のところにあり、遠かったです。

しかし、得難い経験を積ませていただき、嬉しかったです。

参加の旅行記は後日に書かせていただきます。

東北鍼灸学会へ参加しました

コロナで3年休止していた東北鍼灸学会へ、和樹先生と参加しました。

今年で54回を数える、歴史と格式のある鍼灸の学会です。第54回は盛岡市で開催。

会場は盛岡駅直結真上のホテルメトロポリタン盛岡。

私は学会理事・副会長なので、まずは学会理事会へ。
大会の準備状況を報告いただきました。

順調な準備状況でした。岩手県鍼灸師会のみなさん、本当に苦労されたと思います。

理事会名物、豪華弁当をいただきました。

広い広い会場もほぼ埋まりました。

特別講演は『ハリウッド上田式美容鍼』の上田隆勇先生。
そして、この日は一般口演発表が3題。

明日も3題と特別講演が2題

懐かしい東北の先生方と懇談し、懇親会も十分楽しみました。

2次会では、『何か一言スピーチを』ということで、ご挨拶させていただきました。

東北の先生方にとって、育ててくれた母親のような学会です。100年続きますように、と話しました。

2次会は、川べりのオシャレな半屋台?ふうのお店に。
山形の奥山会長と杉沼先生。盛り上がりました。

翌日は早朝から学会総会でした。来年は仙台・宮城大会です。

続いて一般口演発表3題。2題目は、当院の和樹先生の発表でした。まぁまぁ、良く発表できたのではないかと思います。

先々月の講師デビューの次は、学会発表デビューです。

男性不妊の症例報告をしました。

会場内はこんな感じです。発表の座長は郡山の太田整形外科勤務の白井先生でした。

年に2回ほど全国規模の学会に参加し、東北規模の学会も2回くらい。この学会が一番好きな学会です。

私の学会発表デビューも和樹先生と同じ33歳の時の東北鍼灸学会でした。

 

神戸の話最終回

先週金曜日の夕方から行っていた学会の最終のお話。

当たり前ですが、月曜日から普通に診療に復帰しています。

神戸国際センターの、会場前で。郡山の中沢良平先生と。

入り口の写真では伝わらない、国際会議場だけあって、やたら広く、2日間でだいぶ歩きました。

学会のお楽しみの一つに懇親会があります。全国の友達と再会を楽しみにしていました。

獅子舞は、中国の獅子舞。神戸は南京町なんて中華街があります。

帰りの伊丹空港にて、スターウォーズのANA機。前に講演頼まれて行った佐賀空港で見たような。

帰りの飛行機の紙コップ。行きも帰りもANAあと共同運行のアイベックス航空。当院で使っている会計ソフトの会社が飛ばしている飛行機みたいです。

この学会は、来年自分たちが主催になり、仙台国際センター貸切で開催となります。

神戸にて

本日学会2日目。

昨日は、再生医療に関する鍼灸の効果など気になるセッションを見て周りました。

あと大切な役目、学会総会に出席し、高山会頭のサポートを。

学会発表者などが、スライドなどを預けて登録するPCセンターでメモリースティックに入れたプロモーションピデオを登録します。

総会が始まり、審議事項もスムーズにすすみ、次期大会挨拶も無事に終わりました。

続いて、高木健太郎・元全日本鍼灸学会会長を顕彰して創設された、高木賞の受賞式。

今年の高木賞は正賞の受賞はなく、奨励賞のみでしたが、二本松市の銀の森治療院の渡邊健先生が受賞されました。

受賞論文は、 坐骨神経鍼通電療法における鍼刺入路の画像解剖学的検討。

MRIなど画像診断装置を使っての坐骨神経への刺鍼点の研究でした。

渡邊先生は、中学の教員をされていて失明。鍼灸師になられた方です。

私が福島県鍼灸師会の会長になった年、福島県立盲学校(現在の福島県立視覚支援学校)に、不妊症治療の講義を頼まれ、学生として聴講され実技のモデルを引き受けてくれたのが、この渡邊先生でした。

岩手大学の大学院まで卒業され、教育の道を歩まれてから、視力を失うと言う大変な出来事がありました。

鍼灸師として再出発し、盲学校の後は、筑波技術大学で鍼灸研修生として厳しい研修をされ、今日に至ります。

人格も大変素晴らしい方ですから、鍼灸師会入会2年目で理事職に就いていただき、学術活動を支えて頂いています。

私と渡邊先生の出会いは、本当に数奇な巡り合わせでした。

鍼灸師会以外でも、当院主催の開業塾に積極的に参加して頂いています。

写真左は、指導教官の鮎澤教授。そして筑波技術大学の研究仲間の皆様。おめでとうございます。

この受賞式の模様は、福島テレビ?の取材チームがはるばる神戸まで取材に来ていました。

近々テレビで報じられると思います。

診療ガイドラインへの鍼灸治療の記載について

いつも拙文にお付き合いくださいまして、ありがとうございます。

6月は一切の日曜日が学会と重要会議で埋まっております。ブログが疎かになっておりますがお許しください。

6月3,4の土日は、所属している全日本鍼灸学会の研修で盛岡に行ってきました。

研修のテーマは、『頭痛』です。頭痛のように、固有の疾患などは推奨する標準治療から、あまり効果のない、薦められない治療まで記載している『診療ガイドライン』があります。

https://www.jhsnet.net/pdf/guideline_2021.pdf

頭痛にも診療ガイドラインがあり、日本頭痛学会で出版された頭痛診療ガイドライン2021には、『鍼』のキーワードが31回記載していて、特に片頭痛の治療では急性期・予防効果とも推奨度Bとなっています。

つまり、『鍼を勧めます』ということです。

トリプタンはいくつかの種類と薬剤名では様々なものがありますが、これを使えない頭痛の治療には、特に鍼治療は推奨できる、というものです。

また先週は、顔面神経麻痺のオンライン研修を平日夜に2日連続で受講しました。

顔面神経学会でも診療ガイドラインを出していますが、鍼治療は推奨度Cで、弱い推奨となっています。

約6割は自然に治る顔面神経麻痺ですが、鍼治療は後遺症を防止する効果があります。こうした点が評価されたのでしょう。

本日は、午後から神戸で開催される第72回全日本鍼灸学会へ参加します。明日土曜日の診療は、私の患者さんについてはすべてカルテの記載通りに副院長が診療しますので、ご安心して来院ください。

この学会は、来年5月に仙台で第73回全日本鍼灸学会として仙台国際センターを会場に、3日間開催されます。この学会で、私は大会実行委員長を務めます。

大会会頭は東北大の高山教授です。大会プロモーションビデオが出来上がりましたのでご覧ください。

大きな学会運営の記憶(3)

そろそろこのシリーズも終わりになります。

8年前の日本最大の鍼灸の学会、全日本鍼灸学会の64回大会、ふくしま大会です。

ビッグパレットふくしまを全館借り切って開催し、3階のプレゼンテーションルーム(一番会場費が高い部屋)では、医師向け鍼灸講座。

学会の会員は、鍼灸師だけではなく医師も多く参加します。

鍼灸に興味があるけど、どうやって治療するのかわからない、という医師向けに、鍼灸実技の初級コースを企画したのでした。

 

写真が小さいですが、昨年ご逝去された当時福島県立医科大学理事長兼学長であった、菊地臣一先生の特別講演もありました。師につくときは愚直に、、には、大勢の聴講者が感銘を受けたと聞きました。

 

下の写真は、私が企画した不妊症のシンポジウムの打合せ。
左から、中村一徳先生(なかむら第二針療所)、矢野忠先生(明治国際医療大学学長)、森本義晴先生(日本IVF学会理事長・当時)、鈴木裕明先生(明生鍼灸院)、木津正義先生(明生鍼灸院)、田口玲奈先生(明治国際医療大学)、三瓶、です。

当初、不妊のセッションを学会で開催したいという私の願望でしたが、64回も開催した大きな学会で、不妊症をテーマにした演題はなかったということで、学会本部から非常に難色を示されました。

しかし、すでに不妊鍼灸という分野もあり、専門にしている鍼灸院も多くある。そろそろ学会としても取り上げるころではないか、と、福田文彦先生(学会学術部・明治国際医療大学特任教授)から助け舟を出していただき、シンポジウムなら、ということで企画が通りました。

さて、では医師はどうするか? 鍼灸の学会に登壇してくれるドクターは?ということで、せりえ鍼灸室(日本でレディース鍼灸トップ鍼灸院)の小井土善彦先生に、IVFなんば、IVF大阪、IVFグランフロント大阪クリニックを経営し(この3つを合わせると世界最大の不妊治療施設になるらしいです)、しかも日本IVF学会理事長でもある森本義晴先生を紹介していただきました。

8年前の当時から、鍼灸院に来院する不妊症の患者さんは、何度も体外受精を繰り返しているような方が多かった、という事情がありました。

こうした対策で、卵子の若返り、子宮内膜の改善を鍼灸治療で行っていきますが、そもそもこうした難治性の不妊治療は体外受精などの高度生殖医療があってのものです。

鍼灸だけで難治性不妊患者が妊娠できるわけではないのです。

今ですと、シンポジウム打ち合わせはZoomを使ってリモートで行いますが、当時はそんなものはありませんでした。私がコーディネーターになり、登壇者の講義内容をすり合わせしました。

懇親会では、日本IVF学会理事長の森本先生と意気投合しまして(;^ω^) こんな写真が。。。

懇親会では、宴の始まりに日本一の美声と言われた郡山第五中学校の合唱を披露していただきました。この歌声がすごく、泣いた方もたくさんおられました。

準備3年。3日間の学会が終わり、大会実行委員会で記念撮影をしました。

来年の5月24日(金)~26日(日)に、第73回全日本鍼灸学会宮城大会となって、ふたたびこの学会が東北に戻ってきます。仙台国際センターを借り切って開催しますが、私は大会実行委員長を仰せつかりました。

もちろん、私からもセッション企画をいくつか提案させていただき、順調に準備が進められています。

来年、このブログで開催記を書いていきたいと思います。

大きな学会運営の記憶(2)

前回の続き、第64回全日本鍼灸学会ふくしま大会の1日目、朝のミーティングの続きですが。。。

当院に入職・嫁に入る前の美智先生です。

この数年後に、我が家に嫁に来るとは思わなかった(;^ω^)

実行委員のユニフォームはポロシャツですが、色分けで階級が決まっているという超カースト制度。

クローク係は鍼灸学校を卒業したばかりの、和樹先生。

緑色は最下級グレードでした(笑)

大会事務局で、しらかわんと一緒に学会会頭の三潴先生。すでに8年前の写真ですが、今も変わらないですよ。

本当にいろいろ面倒見ていただいて、大会開催までこぎつけました。

一般口演発表、学生発表は全部で300題近く。全部ポスター発表でした。

こちらもポスター。明生鍼灸院の鈴木院長が熱心に見入っています。発表者はIVFなんばで鍼灸を行っている粉川先生だったような。

実は、私も鍼のメーカーであるセイリンさんに依頼されて、セイリンさんの展示ブース前でミニセミナーをやらせていただきました。

たしか、パイネックスという貼り付けり鍼を使ったつわり症状の治療を披露したように覚えています。

今思い返しても、楽しかったなぁ、と思います。

このシリーズはもう1~2回あります。

大きな学会運営の記憶(1)

2024年5月に仙台国際センターを借り切って開催する、第73回全日本鍼灸学会の準備や運営に、昨年から深く関わるようになりました。

5月か来るともう8年前になりますが、そもそも第64回大会を郡山のビッグパレットふくしまを全館貸し切りで開催し、その際も私は準備、運営、開催に深く携わり、まぁ鍼灸師としてこんな大きな大会に関われて光栄だけど、この後、生きているうちにこういうことはないだろうと思っていたわけです。

全日本鍼灸学会 過去の学術大会https://jsam.jp/convention/congress/past-convention/

大会開催のため、2年以上前から企画を練り、会議を繰り返し。

会津医療センターの副院長室(大会会頭だった三潴先生の執務室)には、2年以上通いました。

下の写真は、大会間近になっての実行委員会。郡山商工会議所の別館だったと思います。

大会前日。
金・土・日の3日間の大会で、木曜午後に会場であるビッグパレットに事務局の荷物などを搬入。この大会では私は事務局長をさせていただいたので、こんな雑務が多かったのです。

このころ乗っていた車はトヨタのエスティマ。

3日間の実行委員約160名の飲料水など積み込んで、シャコタン状態。ぜったい過積載ですね。犯罪だわ(;^ω^)

大会1日目。朝のミーティング。

左から大会財務委員長の佐藤今一先生(矢吹町:あけぼの鍼灸院)、大会会頭の三潴忠道先生(会津医療センター漢方医学講座教授)、大会実行委員長の中沢良平先生(郡山市・一寸法師ハリ治療院)、三瓶(大会事務局長)、福田文彦先生(明治国際医療大学特任教授)、、などなど。

今思い返しても、大変な経験になりました。

私はにも口を挟ませていただけたので、『不妊』をテーマにしたセッションを企画してほしい、と意見させていただいたのでした。

不妊の鍼灸とは、当時はあまりエビデンスもなく、学会として取り上げる内容ではないと一蹴されそうになりましたが、福田先生『実態として不妊で鍼を受ける方も多く、そろそろ学会としても上級演題に取り上げるころかも』と言っていただき、シンポジウムなら、ということで正式なプログラムになった経緯があります。

不妊のセッションは人気も高く、これ以降の学会では毎回なにかしらの上級演題になっていったのでした。

はじめは、福島から始まったのでした。