習慣性流産の患者さん

昨年の夏頃、とある病院で人工授精を受けているけど、なかなか妊娠できない、と言う方が鍼灸治療で来院しました。

問診票には、過去に2回流産した事がかいてありました。

聞けば無治療での自然妊娠てあったと。

脈診すると明らかな腎虚で、まだ若いけど先天の精が薄いようで、卵巣予備能であるAMHも年齢に比して低く、主治医も治療を急いでいるのだとか。

とにかく、腎を補いつつ、子宮と卵巣の機能改善を狙った鍼灸とレーザーを続け、2か月過ぎると自然妊娠されました。

しかし、妊娠したのを喜ぶ間も無くすぐに流産してしまいました。

胎嚢確認以上の流産2回で習慣性流産といいます。3回繰り返すと不育症といいます。

流産を繰り返すには理由があるのですが、初期の流産の大部分、7割くらいは偶然の染色体の異常で、受精の時に運命は決まるようです。

当院では、流産を繰り返す方には、鍼灸治療を初めて一回目の妊娠時には流産しやすいので、諦めないこと、と最初に良く説明します。

なかなか妊娠出来ない状態が、自然妊娠できるようになった事で、まずは改善したわけです。

さらに体が改善すれば、つまりこのかたの場合、さらに腎虚が改善すれば、出産につながる妊娠ができるようになりますから。そんな説明をしっかりしました。

流産後、3週期過ぎてまた自然妊娠されました。

今度は順調なようで、2週続けて胎児心拍も確認出来ています。

今度は、脈状も良く、胎児の生命力を表す命門の脈もしっかりあります。

出産まで大丈夫と確信しています。