うれしかったこと 2024年7月3日

今日は蒸し暑く、朝からエアコンを入れてました。

いよいよ梅雨に入ってしまったのでしょう。

午前中のんびり診療を行い、午後の1人目の、中華料理屋さんの

ご主人を治療している最中、

『無沙汰してます』と、小柄な女性が入ってきました。

もう何年も前。何度も何度も体外受精を行ってもなかなか妊娠できなくて鍼灸に通っていた方でした。

隣県の大学病院に通い、何度も採卵を行っていましたが、妊娠できないばかりか卵も採れなくなって、困っていた方でした。

鍼灸は真面目に通い、また採卵で卵が採れなかった。もうダメなのか、と気落ちする姿に慰める言葉もなく、できる限りの治療を行っていました。

今であれば、有効な鍼灸治療の技術もいくつかありますし、採卵の成績が飛躍的に良くなるレーザー治療も行っていますが、その当時は今ほど当院の治療も誇れるものがなかったのでした。

高単位のhMG注射の注射でダメ、クロミッドでの低刺激もダメ。当時、使い始める施設が出始めたフェマーラを使い、なんどか採卵し、やっと胚移植まで漕ぎつけました。

無事胚移植後、患者さんの来院がすっかり途絶えました。

当然、結果はダメで、やっと採卵できて移植ができて、もうあきらめたのだろうと思っていました。

ところが、その時に妊娠して無事出産し、その子が5歳になったそうでした。どうしても鍼灸に通っていたことが忘れられず、今日はお礼に来てくださったのだそうでした。

私はすぐ人の名を忘れるのですが、その方の名はずっと気になっていて忘れていませんでした。

知子さん、今日はお子さんの写真を見せていただき、ありがとうございました。このことを励みにして、これからもいろいろな治療法を研究していきます。