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京都・第4回不妊鍼灸ネットワーク公開講座(通算15回)参加

お彼岸の連休は役員を務めている不妊鍼灸ネットワークの公開講座へ参加してきました。

毎度、福島空港から大阪・伊丹空港へ行き、そこからバスで京都に移動する、という行程です。

朝のANA1番機から見る富士山ですが、毎回楽しみに進行方向左側のA席を予約しています。

遅れて会場につき、すでに広島市で開業している田邊美晴先生(はる鍼灸治療室http://haruharikyu.com/)の講義が始まっていました。研修元である京都・なかむら第二針療所での突発性難聴のオージオグラムのデータから有効な治療法を選んでいくまでのプロセスの発表でした。

不妊症とは異なる疾患でのデータ集積から、効果的な治療法を選ぶためにいかにデータ集積が大切であるか、というものでした。

この講座のひとつ前には、福岡の遠藤彰宏先生(福岡市・田中鍼灸療院http://tanaka-harikyu.jp/)より、さかごの治療を実例に挙げての有効性に関するデータの取り扱いについて講義がありました。

つづいて、名古屋・明生鍼灸院副院長の木津正義先生(明生鍼灸院http://meiseiacp.com/)からは、誤解されやすいエビデンスについて短い時間ながら講義いただきました。

そべてデータや科学だけでエビデンスが語られるわけではない、という実例を挙げていただきました。

昼食後は、京都女子大学名誉教授の小波秀夫先生から、医学が科学となった転帰についての裏話で、クリミア戦争で活躍した看護師であるナイチンゲールのお話を伺いました。

ナイチンゲールの献身的な看護活動から、医療は科学の分野になったこと。積み重ねたデータが不利なものになったとしても、正しい方向を得るためには必要なものであることを示されました。

次の講義は、IVF大阪クリニック看護師長の小松原千暁先生でした。

生殖医療を行なっている医療機関での医療者が鍼灸にどのような印象を持っているか、また、鍼灸師に期待する不妊カップルへの関わり方、接し方について、大変濃いお話を聞かせていただきました。

鍼灸に理解のある森本理事長の率いるIVFジャパンだからこそ、このような特異な内容がお話頂けた事と思います。

また空路で大阪より帰りますが、、、
伊丹空港でかならず食べる中之島カレーをいただきました。

26日の日曜日は東京で開催される第12回日本レーザーリプロダクション学会へ参加して勉強してきます。

配布開始 原坊の朝顔の種

今年も『原坊の朝顔』の種の配布を始めました。

当院でのこの朝顔の起源は、東日本大震災のあった6年前にさかのぼります。

http://sanpei89.rakusaba.jp/diary/diary.cgi?no=908

毎年、この季節になると当院受付で配布しているほか、講演をお願いされたとき、聴講された方に配っています。
昨年は福岡で講演した際、お配りしました。
だいぶ全国に広めたと思います。

今年は11月に佐賀県鍼灸師会様に講演をお願いされました。
佐賀県でも配布してきます(^^)/

突発性難聴 難聴 耳鳴りのレーザー治療

当院は不妊治療専門ではなく、あらゆる疾患の患者様が来院します。

突発性難聴という、なかなか厄介な耳鼻科疾患があります。
ある日、突然に片耳が強烈な耳鳴りとともに聞こえなくなる、というものです。

ステロイドの点滴や入院による治療などをするようですが、鍼灸治療も非常に効果があります。
当院では鍼灸治療に併用してスーパーライザーなどのレーザー治療も必須で行っています。

写真は、耳孔に星状神経節用のプローブを挿入してスーパーライザーによるレーザー照射をしているところです。
内耳は人体最小の骨があるところで、また頭蓋骨などに囲まれていることから、突発性難聴の患部へは直接にハリ治療はできません。※モデルは当院副院長

ところが耳孔からレーザー照射をすると透過性の高いレーザー光は鼓膜を通して安全に内耳を刺激することができます。

上の写真で、耳介(耳たぶ)周囲に赤い光が漏れていますが、これは耳の周囲の組織を透過したものです。
このようにレーザーは非常に透過性に優れています。

この治療は不快な熱さはなく、耳の奥が穏やかに暖かくなる感じです。とても気持ちが良い、そうです。

写真は、低音が特に障害された50代男性の突発性難聴の聴力のグラフです。

発症から1ヶ月経ってからの当院への来院で、耳鼻科専門医からは、『難聴という軽いものではなく、聾(ろう)という非常に悪いレベル』と半ば匙を投げられておられたそうです。

週に2回治療し1ヶ月後の、低音500ヘルツの効果です。
60デシベル以上の大音量でないと聞こえなかったものが、40デシベルまで回復しました。

同じく1ヶ月後の中音1000ヘルツの効果です。
すでに治療4回目で効果が出てきました。

ある程度回復すると、そこからは回復がゆっくりになります。
今後は週に一回の治療とし、完全回復を目指します。

当院ではいろいろ試しましたが、レーザーだけ、鍼灸だけ、ではなかなか改善しません。
鍼灸を行いレーザーを併用すると大変に効果が高いです。

星状神経節レーザー スーパーライザー

当院では鍼灸治療の他に、不妊症特に体外受精における卵子老化に対する補助治療法としてレーザー治療を行っています。

写真では、星状神経節ではなく少し上部の上頸神経節を狙っています

 

写真は首の前にある交感神経節の一つである星状神経節へ低反応レーザーであるスーパーライザーを照射しているところです。

照射しているところは赤く一見衝撃的ですが、多少温かく感じる程度で、決して熱くはありません。

星状神経へレーザーを照射することにより、血管を収縮させている交感神経の緊張を緩め、手足の血行や脳内の血流量を改善する効果があります。

この治療法により、卵巣の働きをアップさせ、質の良い卵作りを目指します。

また星状神経だけではなく、腹部の特定の照射点からレーザーを照射することにより、さらに質の良い卵作りを目指しています。

これら星状神経節レーザー照射と腹部レーザー照射は卵の質の改善だけではなく、子宮への血行を改善し、子宮内膜を厚くしたり胚移植時の着床率を高めます。もちろん自然妊娠にも効果が高いです。

上記は無治療安静時、鍼灸治療後、温熱療法後、SGL後(当院と同じスーパーライザー照射後)の脳の血流状態をキセノンCTで断層撮影したものです。

いかにレーザーの効果が優れているかお分かりになると思います。

このレーザー治療法は、当院では不妊症のほか、突発性難聴や老人性難聴、耳鳴り、花粉症やアレルギー性鼻炎などの耳鼻科疾患にも応用しています。

不妊治療 ぜひご夫婦でご説明をお聞きください

お子様の妊娠、出産を希望されて来院した際、当院ではなるべくわかりやすく、またじっくり時間をかけてこれから行っていく治療などについて説明させていただいています。

たいてい奥様一人でこの説明を受けているのが現状ですが、なるべくご主人様も一緒にお聴きいただきたいと思っています。

ご夫婦そろって最初にお話を伺うと、ご夫婦間で気づかないなにかの問題点を見つけられることもありますし、その後の治療もスムーズで成績にも良い影響が出やすくなります。

ぜひご夫婦でご来院ください。

卵子老化に対する治療

体外受精を何度か行ってもなかなか良い結果が出ない方が当院にはよく来院されます。
その方たちは、卵子の老化に対する改善を希望されているわけですが、今年になって40代で体外受精での妊娠反応陽性で、しかも新鮮初期胚移植でも判定日に4ケタの高hCG値となり、双胎(双子)妊娠となったかたがいらっしゃいました。

高齢ゆえ2個の胚を移植し、どちらかの胚が着床し育ってくれれば良いという判断でしょう。またやはり高齢ゆえ、受精後の胚の分割培養は体内に委ねた方がより自然で育ちも良いとドクターは考えたのでしょう。これは当然のことでしょう。

移植した胚のほか、残り1個はそのまま培養を続けたのですが、とても良い胚盤胞に育って凍結できました。

双子の方は、判定日の翌週には胎児心拍も確認できました。
通常は翌週は胎嚢確認できればいいくらいですから、本当に生命力の強い卵だったようです。

高齢での双胎妊娠は、出産までなかなか気が休まることはありませんが、ぜひ元気な双子ちゃんを出産していただきたいと願っています。

今年初の研修会 全日本鍼灸学会東北支部A講座

1月15日日曜日は研修会で前日から郡山に行って参りました。

鍼灸師会ではなく、全日本鍼灸学会の東北支部の研修会でした。

講義1は、演題:「脳の構造と機能」
講師:東北大学 歯学部 口腔器官構造分野 教授 市川博之先生

脳の構造から疾病の起こる場所などの講義でした。
脳の解剖は学生の時以来だったような・・・
実習でウサギを解剖し、その小ささとシワのないつるっとした豆腐のような脳を思い出しました。

講義2は、「若手鍼灸師がのぞく未来(あした)の臨床」と題したシンポジウムでした。

鍼灸学校、大学を卒業後まもなく臨床の道に入った6名の先生から日常の臨床の話などを伺い、参加された学生さんに道しるべを提示する、という新しい試みでした。

わが福島県鍼灸師会からは、福島市で開業する「こおり治療院」の郡先生がシンポジストとして登壇されました。

郡先生は開業9年目を迎えます。もうだんだん中堅以上の先生などでちょっと浮いていました(;^ω^)
またバイタリティのある先生ですから、今後ますます治療院も発展されるでしょう。

福島市 こおり治療院 http://hari-kori.com/
(不妊治療もされております)

講義3は、「鍼灸臨床に必要な身体診察」
講師 福島県立医科大学 会津医療センター 漢方医学教室 准教授 鈴木雅雄先生

いつも公私ともお世話になっている会津医療センター准教授の鈴木雅雄先生から、頸椎疾患を主として診察などをテーマにしてワークショップを行いました。

ただ聴講するだけだと5%しか内容を覚えること事ができないらしいです。

こうして積極的に参加すると50%以上は身になるという事でした。

頸椎ヘルニアかな?頚椎症性神経根症、、、?
頚椎症性脊髄症は除外するか、、など、さまざまな意見があり、実に活発な講義となりました。