会長の講義の後は、会員発表でした。
口演発表1
東京都町田市 中村希求子はり灸治療室 中村希求子先生
演題:受精卵が向上した超高齢不妊患者46歳と45歳の2症例
40歳以上になってから鍼灸を開始し、年次ごとの採卵成績の向上があった2症例についての発表でした。
通常、40歳以上からの治療では卵巣の反応性もどんどん悪くなりますが、発表では年次ごとに胚盤胞到達率が高くなり、46歳9ヶ月で妊娠(現在妊娠28週)がありました。鍼灸の効果の可能性が強く示唆されました。
口演発表2
福島県いわき市 はりきゅうはしもと 橋本修一先生
演題:続発性不妊症の1症例 母子の睡眠障害の改善により妊娠したと思われる1症例
福島県いわき市で開業する橋本先生は、長子の夜泣き症を小児鍼で改善することにより母親の睡眠不足によるストレス状態を緩和し、二人目の妊娠に成功された症例を発表されました。
治療の方法や方針、考察に至るまでよく練られた症例報告でした。
口演発表3 栃木県宇都宮市 きむら鍼灸 木村雅洋先生
演題:多嚢胞性卵巣による不妊症の症例
栃木宇都宮市の木村先生は、なかなか手こずる多嚢胞性卵巣(PCO)による不妊についての解説と、ご自身の治療についての発表をされました。
前半のPCOの病態解説は症例発表の範疇を越えたものながら、大変勉強になるものでした。
三題の会員発表の後は、お楽しみお昼ごはん。
アキュラ鍼灸院の徐先生が手配してくれたオシャレなお寿司でした。
午後は、特別講演が2つ続きます。
特別講演1 「晩産化が進む今、産みたい女性を支えるために」
河合 蘭 先生 (出産ジャーナリスト)
『卵子老化の真実』の著書であり、本邦唯一の出産ジャーナリストとして高名な河合蘭先生からは、「晩産化が進む今、産みたい女性を支えるために」 と題しながら、国内で乗り出した出生前診断・NIPTに関する話題について、豊富な情報からさまざまなお話を伺いました。
→ 河合 蘭 先生 webサイト
この日は会員の従業員であれば聴講可能でしたので、息子も参加しました。
河合蘭先生のご著書は当院にありますので、貸出いたします。
できたら書店でお求め頂くとよろしいかと思います。
特別講演2 「不妊治療後に出産までいたらなかった方へのケア」
菅野 伸俊 先生 (ファティリティークリニック東京 看護師長・明日の不妊症看護を考える会 代表世話人)
国内に260名しか認定されていない、日本看護協会不妊認定看護師であり、『明日の不妊症看護を考える会』の代表世話人でもある菅野先生からは、不妊治療で出産に至らなかった患者へのケアとして、主として流産された方へのケアをテーマにしてお話しいただきました。
→ 明日の不妊症看護を考える会 webサイト
これにて、東京研修2015終了となりました。
この後はみな様で時間の許す限り、懇親会を行いました。
次回は来年3月20日で、びっくりする内容で京都で開催いたします。