大きな学会運営の記憶(3)

そろそろこのシリーズも終わりになります。

8年前の日本最大の鍼灸の学会、全日本鍼灸学会の64回大会、ふくしま大会です。

ビッグパレットふくしまを全館借り切って開催し、3階のプレゼンテーションルーム(一番会場費が高い部屋)では、医師向け鍼灸講座。

学会の会員は、鍼灸師だけではなく医師も多く参加します。

鍼灸に興味があるけど、どうやって治療するのかわからない、という医師向けに、鍼灸実技の初級コースを企画したのでした。

 

写真が小さいですが、昨年ご逝去された当時福島県立医科大学理事長兼学長であった、菊地臣一先生の特別講演もありました。師につくときは愚直に、、には、大勢の聴講者が感銘を受けたと聞きました。

 

下の写真は、私が企画した不妊症のシンポジウムの打合せ。
左から、中村一徳先生(なかむら第二針療所)、矢野忠先生(明治国際医療大学学長)、森本義晴先生(日本IVF学会理事長・当時)、鈴木裕明先生(明生鍼灸院)、木津正義先生(明生鍼灸院)、田口玲奈先生(明治国際医療大学)、三瓶、です。

当初、不妊のセッションを学会で開催したいという私の願望でしたが、64回も開催した大きな学会で、不妊症をテーマにした演題はなかったということで、学会本部から非常に難色を示されました。

しかし、すでに不妊鍼灸という分野もあり、専門にしている鍼灸院も多くある。そろそろ学会としても取り上げるころではないか、と、福田文彦先生(学会学術部・明治国際医療大学特任教授)から助け舟を出していただき、シンポジウムなら、ということで企画が通りました。

さて、では医師はどうするか? 鍼灸の学会に登壇してくれるドクターは?ということで、せりえ鍼灸室(日本でレディース鍼灸トップ鍼灸院)の小井土善彦先生に、IVFなんば、IVF大阪、IVFグランフロント大阪クリニックを経営し(この3つを合わせると世界最大の不妊治療施設になるらしいです)、しかも日本IVF学会理事長でもある森本義晴先生を紹介していただきました。

8年前の当時から、鍼灸院に来院する不妊症の患者さんは、何度も体外受精を繰り返しているような方が多かった、という事情がありました。

こうした対策で、卵子の若返り、子宮内膜の改善を鍼灸治療で行っていきますが、そもそもこうした難治性の不妊治療は体外受精などの高度生殖医療があってのものです。

鍼灸だけで難治性不妊患者が妊娠できるわけではないのです。

今ですと、シンポジウム打ち合わせはZoomを使ってリモートで行いますが、当時はそんなものはありませんでした。私がコーディネーターになり、登壇者の講義内容をすり合わせしました。

懇親会では、日本IVF学会理事長の森本先生と意気投合しまして(;^ω^) こんな写真が。。。

懇親会では、宴の始まりに日本一の美声と言われた郡山第五中学校の合唱を披露していただきました。この歌声がすごく、泣いた方もたくさんおられました。

準備3年。3日間の学会が終わり、大会実行委員会で記念撮影をしました。

来年の5月24日(金)~26日(日)に、第73回全日本鍼灸学会宮城大会となって、ふたたびこの学会が東北に戻ってきます。仙台国際センターを借り切って開催しますが、私は大会実行委員長を仰せつかりました。

もちろん、私からもセッション企画をいくつか提案させていただき、順調に準備が進められています。

来年、このブログで開催記を書いていきたいと思います。

大きな学会運営の記憶(2)

前回の続き、第64回全日本鍼灸学会ふくしま大会の1日目、朝のミーティングの続きですが。。。

当院に入職・嫁に入る前の美智先生です。

この数年後に、我が家に嫁に来るとは思わなかった(;^ω^)

実行委員のユニフォームはポロシャツですが、色分けで階級が決まっているという超カースト制度。

クローク係は鍼灸学校を卒業したばかりの、和樹先生。

緑色は最下級グレードでした(笑)

大会事務局で、しらかわんと一緒に学会会頭の三潴先生。すでに8年前の写真ですが、今も変わらないですよ。

本当にいろいろ面倒見ていただいて、大会開催までこぎつけました。

一般口演発表、学生発表は全部で300題近く。全部ポスター発表でした。

こちらもポスター。明生鍼灸院の鈴木院長が熱心に見入っています。発表者はIVFなんばで鍼灸を行っている粉川先生だったような。

実は、私も鍼のメーカーであるセイリンさんに依頼されて、セイリンさんの展示ブース前でミニセミナーをやらせていただきました。

たしか、パイネックスという貼り付けり鍼を使ったつわり症状の治療を披露したように覚えています。

今思い返しても、楽しかったなぁ、と思います。

このシリーズはもう1~2回あります。

大きな学会運営の記憶(1)

2024年5月に仙台国際センターを借り切って開催する、第73回全日本鍼灸学会の準備や運営に、昨年から深く関わるようになりました。

5月か来るともう8年前になりますが、そもそも第64回大会を郡山のビッグパレットふくしまを全館貸し切りで開催し、その際も私は準備、運営、開催に深く携わり、まぁ鍼灸師としてこんな大きな大会に関われて光栄だけど、この後、生きているうちにこういうことはないだろうと思っていたわけです。

全日本鍼灸学会 過去の学術大会https://jsam.jp/convention/congress/past-convention/

大会開催のため、2年以上前から企画を練り、会議を繰り返し。

会津医療センターの副院長室(大会会頭だった三潴先生の執務室)には、2年以上通いました。

下の写真は、大会間近になっての実行委員会。郡山商工会議所の別館だったと思います。

大会前日。
金・土・日の3日間の大会で、木曜午後に会場であるビッグパレットに事務局の荷物などを搬入。この大会では私は事務局長をさせていただいたので、こんな雑務が多かったのです。

このころ乗っていた車はトヨタのエスティマ。

3日間の実行委員約160名の飲料水など積み込んで、シャコタン状態。ぜったい過積載ですね。犯罪だわ(;^ω^)

大会1日目。朝のミーティング。

左から大会財務委員長の佐藤今一先生(矢吹町:あけぼの鍼灸院)、大会会頭の三潴忠道先生(会津医療センター漢方医学講座教授)、大会実行委員長の中沢良平先生(郡山市・一寸法師ハリ治療院)、三瓶(大会事務局長)、福田文彦先生(明治国際医療大学特任教授)、、などなど。

今思い返しても、大変な経験になりました。

私はにも口を挟ませていただけたので、『不妊』をテーマにしたセッションを企画してほしい、と意見させていただいたのでした。

不妊の鍼灸とは、当時はあまりエビデンスもなく、学会として取り上げる内容ではないと一蹴されそうになりましたが、福田先生『実態として不妊で鍼を受ける方も多く、そろそろ学会としても上級演題に取り上げるころかも』と言っていただき、シンポジウムなら、ということで正式なプログラムになった経緯があります。

不妊のセッションは人気も高く、これ以降の学会では毎回なにかしらの上級演題になっていったのでした。

はじめは、福島から始まったのでした。

4年前の昨日は何してた?

私、スマホはiPhoneを使っています。

そうすると写真のアルバムを見ると、?年前の今日撮った写真なんか、トップに出てくるのですが。

4年前は、さて

ユキちゃんと散歩でだいぶ高いところに登ってます。
おそらくここは、三菱ガスの近くの山かな?と。

そのころ、時々行っていた散歩コースでした。

ユキちゃんも食が細く、瘦せていたころです。
よく豆柴と間違われていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

今は太ってマグロに手足を付けたみたいですが(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

それで、蕎麦の写真が。

おそらく晩御飯は、自家製手打ち蕎麦の晩御飯だったのでしょう。太いの細いのいろいろ。素人蕎麦ですね。

ねぎは、天栄村の赤ねぎ。家内の実家で作っている、ねぎです。

あと、青森のじゃっぱ汁をまねて作ったタラ汁です。

タラのアラを入れて、肝も入れると最高に旨い冬のごちそうです。山形・庄内あたりですと岩海苔も入ります。

タラの頭やアラを見つけたらまた作ってみようと思います。

新年最初の研修会 全日本鍼灸学会郡山講座 1月15日

1月15日の日曜日は、所属している全日本鍼灸学会の郡山研修でした。

14日夜に学術委員会があり委員の先生方が集まるので、私は自腹を切って会場近くのホテルに前泊でした。

遠方の委員は宿泊費が出るんですが(;^ω^)

ホテルのフロント前の、正月の飾り。賑やかでいいもんですね。

翌日は、福島県立医科大学 地域・家庭医療学講座の豊田先生の講座を拝聴しました。

会場は学生さんもいて、リモートを入れれば100名以上の参加者でした。

私は学会役員でもあるので、Zoomのリモートの参加の管理をしました。

第2講座は、森之宮医療大学の仲西教授による、嗅覚・味覚障害の鍼灸治療でした。

右が仲西教授、左は座長の福島医療専門学校の手塚先生でした。

実技は非常に多くの時間を使い、明日から使える技術のオンパレードで、見ごたえたっぷりでした。

令和5年 2月の診療案内

<休診>
2月26日(日)

<日曜・休日診療について>
2月11日(土・建国記念の日)
8時~正午まで診療いたします。

2月5日(日)、12日(日)、19日
いずれも8時~正午まで診療します。

※予約は2週間前から受け付けます。
日曜日は予約枠順に早い時間帯から予約を取らせていただきますのでご理解のほどお願い申し上げます。

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・月・火曜日(完全予約制)
朝8時30分~正午/午後2時~6時30分

・水・金曜日(完全予約制)
朝8時30分~正午/午後2時~7時00分

・木曜日(完全予約制)
朝8時30分~正午/午後は休診

・土曜日(完全予約制)
朝8時00分~正午/午後2時~4時00分

・日曜日・祝祭日(完全予約制)
朝8時00分~正午/午後は休診

 

原坊の朝顔の種 配布を始めました

今年も妊活・子宝の縁起ものである『原坊の朝顔の種』の配布を始めました。

サザンオールスターズの原由子さんのご懐妊にまつわる、正真正銘の本物の種となります。

当院には2011年の東日本大震災の年にこの種がやってきました。
https://sanpei89.rakusaba.jp/diary/diary.cgi?mode=view&no=119
当時のブログの記事です。

それから患者さんに里親になっていただいて種を増やしていただき、ご懐妊や出産したらその種を分けていただき、また患者さんにお分けして里親になっていただく、というシステムです。

育て方は、ネットなどで調べてみてください。

もし子宝に恵まれましたら、当院に収穫された種の半分をいただけましたら、来院する患者様に配布いたします。

残りの半分は、ご友人や知り合いに配布されるとか、お子様の成長を願ってまた育ててみてください。

当院に掲示させていただいている、お子様の写真などですが、下の2枚のパネルは昨年ご出産された方たちです。赤ちゃん連れでご挨拶にいらっしゃるのは、妊娠・ご出産された方の10人に1人くらいです。

ですので、実際にはこの10倍くらいの方が妊娠・出産されていることになります、

この方たちの想いの籠った種を差し上げますので、大切に育ててみてください。

不妊治療は1回1回の積み重ね効果にて

平成28年の3月、今のJISRAM(一般社団法人 日本生殖鍼灸標準化機関)の前身の不妊鍼灸ネットワークの公開講座で講義を行った記事を見つけたので再度掲載したいと思います。

鍼灸の流派はたくさんあり、さまざまな治療法が存在します。

効果的な治療は学会などで報告され、だんだんと流派を越えてスタンダードになり、標準治療として広く国内で行われていきます。

鍼と鍼を電極でつなぎ、微弱な電気を流す電気鍼などはこの最たるものです。

不妊治療にはそれがなく、全国で行われているものも共通点がなく、当時、標準治療になりうるのは名古屋の明生鍼灸院の中リョウ穴刺鍼法や、陰部神経刺鍼と通電法でした。

この手法を明生鍼灸院の鈴木裕明院長、木津正義副院長が全日本鍼灸学会で発表し、再現性の高い治療法であると全国で用いられています。当院でも基本治療として行っています。

この手法を共通手技にして、全国レベルで質の高い不妊鍼灸治療を追究して共有しようと、京都のなかむら第二針療所の中村一徳院長、東京のアキュラ鍼灸院の徐大兼院長と三瓶で、不妊鍼灸ネットワークを作りました。今もこの二人は私の無二の親友です。

仲間だけで技術や知識を独占せず、年に1回は下記の写真のような公開講座を行い、全国の先生方に披露しました。

その公開講座の第2回目で三瓶が講師に登壇させていただいた時のもので、業界の新聞に掲載された記事です。当時の私は不妊鍼灸ネットワークも福島県鍼灸師会も副会長でした。

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排卵誘発 → 卵胞発育確認 → タイミングや採卵

こうした周期ごとに現代医学的な治療は『1単位』として完結します。単位とは言わず、周期と言いますが。

鍼灸治療は体質の改善です。

1回ごとの治療を繰り返し、次の治療の時は、前回よりも改善した状態から今回の治療の効果を重ねて、というように、1回ごとの治療の効果を重ねていきます。

これには、数か月から1年と時間がかかる場合があります。

その代わり、薬を使わない治療ですから、薬に慣れて例えば卵胞が育たなくなるとか、そういう心配はありません。また月経の際の体調悪化(PMSや月経痛)などが改善し、肩こりや腰痛、冷え症などが改善することもあります。

例えば排卵障害という状態があります。脳下垂体性ならストレスなどが原因となります。そうならば肩こりや首こりの治療も行うと効果的です。

卵巣性の排卵障害であれば、多嚢胞性卵巣(PCOS)などが割合多いです。これは西洋医学的にはクロミッドなどによる排卵誘発が第一ですが、繰り返していくとだんだん薬が増やさないと卵巣が反応しなかったり、薬では効果が出なくなったため注射で排卵誘発を行ったら、卵が出来すぎて多胎妊娠を防ぐために、その周期は子作り禁止・治療は中止とか、があります。

こうした場合などは数周期体を休め、鍼灸治療で体調を整えるとまたクロミッドが効き出すことが良くありますし、それで妊娠される方も多いです。

日本人のPCOSは、糖代謝の異常体質(インスリン抵抗性)が絡む方が多いそうで、鍼灸治療は糖尿病の方も治療に来られるくらい、こうした体質に良い高効果があります。

自然妊娠されるかな、と思われた方で、1年2年となかなか妊娠せず、とうとう体外受精まで来てしまった方がおられました。ただこの方は良い卵も採卵で来たし、胚移植直前の現在は、子宮の内膜も十分厚く、よい結果が得られるのではないかと期待しています。

まじめに根気よく頑張ったので、神様も味方するのだと思います。