不妊鍼灸ネットワーク東京研修に参加しました(1)

世間ではシルバーウィークという名の連休。

当院は診療しながら東京開催の不妊鍼灸ネットワーク研修会に参加してきました。

内容は・・・ http://www.kodakara.org/kensyu/2015tokyo_houkoku.html

9月22日、

午前中だけ診療し、昼過ぎから東京へ。

アキュラ鍼灸院で、徐大兼先生、木津正義先生と翌日早朝の会員研修の確認を行いました。

徐大賢先生をモデルにして、中リョウ穴刺鍼法を木津先生にチェックしていただき、ダメ出ししていただきました。

刺鍼法確認の後は、アキュラ鍼灸院のベランダにてくさやで一杯。焼いて真空パックになっているものですが。さすがに渋谷・青山のど真ん中でクサヤを焼く度胸はありませんでした。

アキュラ鍼灸院ベランダにて、くさやパーティをしました

その後、徐先生行きつけのアメリカンダイニングにて一杯!
途中参加の相模原の菅澤先生、大阪の西村先生と5人で盛り上がりました・・・が、翌日の研修はなんと!朝7時半から(;^ω^)
とはいえ、この後立ち飲みバーに行ってしまい、、ました。

 

翌朝7時半から、アキュラ鍼灸院にて実技の朝練を行いました。
とても眠~い(;^ω^)

まず中リョウ穴刺鍼法と陰部神経刺鍼法のレクチャー。
講師は明生鍼灸院・木津先生。

名古屋・明生鍼灸院・木津先生から、中リョウ穴刺鍼法・陰部神経刺鍼法の説明を受けるみな様

みなさま真剣です。朝の7時半ですよ!しかもシルバーウィークです。

アキュラ鍼灸院で、新入会員は必須、プラス希望者で実技の練習・確認を行いました
実技のチェック中~ 昨夜ダメ出しされたことは内緒(爆)

私はアドバンスコース担当でした。みなさま経験者でしたので、スムーズでした。

この後会場を移し、研修の開始となりました。

まずは正会員認定証授与でした

京都・なかむら第二針療所院長、中村一徳会長の開会あいさつの後、まず正会員認定証を行いました。
本会は年に3回ある定期研修会に2回以上でないとその年度の正会員資格を失います。
また2年度連続で正会員資格を失うと、退会となる厳しい規則があります。

それよりみなさん、強い研究心で入会しますので、まず会員資格を失う事はありません。

第一回定期テスト100点満点の櫻井先生の表彰式

今年度より、全会員対象に定期テストを行う事になりました。
試験内容は過去の医師国家試験の産婦人科、特に周産期医療、生殖医療分野から100問出題するというもの。
愛知県一宮市 なかば鍼灸院 櫻井 央 先生はただ一人100点満点で会長名で表彰されました。私は・・・92点でした(;^ω^) 平均88点とのことで、全員合格となりました。

研修1は、中村会長からのコミュニケーションスキルアップセミナー

授与式、表彰式を終えて、中村会長の患者さんへの円滑な説明を目指すコミュニケーションスキルアップセミナーを行いました。

常々学んだことや積んだ経験をしっかり伝えることにより、患者さんの信頼を得られると思います。自分だけ納得したのではダメですね。

(その2に続く)

東北鍼灸学会に参加しました

9月5日(土)、6日(日)の二日間は、治療室を息子に任せて第49回となる東北鍼灸学会仙台大会に参加してきました。

鍼灸師にとって、学会参加や研修会は寿司屋の仕入れと同じです。
常に新鮮な知識、技術を仕入れませんと、良い治療は提供できません。

毎年開催し49回続いている地方の学会とは、本当に大したものです。先人に感謝いたします。

一般口演発表で、福島県代表はいわき市のしゅう鍼灸院・柏原修一先生でした。私は座長をやらせていただきました。

いわき市・しゅう鍼灸院 柏原先生『一回の治療で焼失した右腰下肢のしびれ』写真提供は太田整形外科クリニックの白井和也先生
私は座長を務めさせていただきました 写真提供は一寸法師ハリ治療院 中沢良平先生

紺色一色の地味なスライドから、最近はちょっぴりカラフルになり、時代も変わったな~と実感いたしました。

実技供覧では、同じく福島県から、郡山市・はり灸 接骨 快生堂の鈴木暢弘先生から『障がい者の鍼灸治療』として、先天性疾患を持つ障がい者の方の腰痛治療について披露されました。

左は実技供覧の鈴木先生。ここでも座長をさせていただきました 写真提供は一寸法師ハリ治療院 中沢良平先生

鈴木先生の実技供覧でも座長をさせていただきました。

一日目のプログラムを終え、懇親会へ。懇親会の写真はありませんが、続いて福島県からの参加の皆様で二次会へ!

二次会スタート前でもこのノリです(;^ω^)

海の幸を堪能してきました!

この日はこれで終了しました。

大会二日目は、特別講演で小児鍼のお話でした。
講師は大師流小児鍼の谷岡賢徳先生でした。

昨日から参加されていた福島県鍼灸師会会長の中沢良平先生(一寸法師ハリ治療院)は、郡山の福島医療専門学校での教育編成委員会の会議があり、朝からお帰りになられました。お忙しいです(;^ω^)

小児鍼の名門 大師流小児鍼 谷岡先生 会場はぎゅう詰め!

いかに子供を泣かせないで効果的な治療を行うか、また子供へのきわめて軽い刺激を、大人への治療に用いる考え方などをお話しいただきました。

この後は学会総会で、これにて49回大会も終了となります。

この後は公益社団法人宮城県鍼灸師会創立65周年記念講演と祝賀会に参加してきました。

記念講演は脳科学者の茂木健一郎先生でした。
生活のスタイルやものの考え方、子供ではほめ方によって脳内にセロトニンを増やすことができる、とのことです。

セロトニンは体内に必要な生理活性物質で、『幸せホルモン』とも言われています。脳の活発さや前向きな思想などに関与しています。鍼灸の効果の一つに、セロトニンの分泌増加があるともいわれています。

テレビにもよく出演する脳科学者というだけあって、会場は超満員でした。

その後、夕方まで時間をつぶし、宮城県鍼灸師会創立65周年記念祝賀会。スペイン料理をいただきながら、お隣の席の宮城県鍼灸師会の樋口先生にいろいろなお話を伺ってきました。

帰りはワインで酔いながらも新幹線で本を久しぶりに読みました。

二冊とも福島県鍼灸師会会長の中沢先生のおすすめの本。

葛西龍樹先生の『医療大転換』と、堤未果さんの『沈みゆく大国 アメリカ』。

しか~し、ワインで酔っ払って寝てしまったのでした!

 

 

学会後・・・

学会の呪縛から解き放たれましたが、毎年恒例の学会・研修シーズンへ突入しました。

7月5日(日)には会津医療センターで鍼灸師会の夏季学術講習会と、前夜はふくしま大会の打ち上げを会津東山温泉・原瀧で挙行! 翌週は、盛岡で全日本鍼灸学会東北支部学術集会。

なぜかここでFJR1300がわがガレージに入籍。

FJ1200とFJR1300

さらに翌週はオフで仲間と秋田~岩手方面へ雨のツーリング。
比内地鶏を本場大館で味わいました!

小雨模様の八幡平アスピーデライン

翌週は名古屋での不妊鍼灸ネットワーク研修会。
その翌週?だったか、友人二人と裏磐梯方面へ軽く半日ツーリング。

内藤先生はアグスタ、小山君はこの日日納車のMT-09。
重量車のFJRでついていくのが大変です。
そもそもまだ慣れるほど乗ってませんが(;^ω^)

今週末は仙台での東北鍼灸学会と、今月のシルバーウィークは不妊鍼灸ネットワークの東京研修があります。

今月最終日曜はクラブFJの蓼科ミーティングですので、これはFJ1200で参加します。

第64回全日本鍼灸学会ふくしま大会(3)

この大会の目玉として、不妊症での鍼灸のシンポジウムを企画しました。

学会での掟、というものがあり、講演、シンポジウム、パネルディスカッションなどの企画は、エビデンス(効果の根拠)がはっきり明確になっているものについて行える、というものがあります。

鍼灸院による不妊症治療はすでに一般化しているものの、国内的にはその効果の根拠が乏しく、学会の企画にはそぐわないのでボツになりそうでした。

ただし国外にはエビデンスと言える論文がそこそこあり、またいまや一般化している鍼灸による不妊症治療の国内の現状を見ると、テーマとして取り上げざるを得ないであろう、、という事になりまして、シンポジウムを開催することになりました。

発案者としては、非常に安堵しました。

講師控室で出陣式! 左から中村先生、矢野先生、森本先生、鈴木先生、木津先生、田口先生、三瓶 7名中5名が不妊鍼灸ネットワーク関係者でした

シンポジストとして、

1)まず国内の最先端生殖医療を行うトップのドクターとして、日本IVF学会理事長である森本義晴先生(IVFなんばクリニック、IVF大阪クリニック、HORACグランフロント大阪クリニックの3つで世界一の規模を誇るIVFジャパングループの理事長でもある)。

2)国内外の不妊症における鍼灸の論文の分析で、明治国際医療大学鍼灸学部講師の、田口玲奈先生。

3)鍼灸の不妊症の研究論文数で国内随一を誇る名古屋・明生鍼灸院副院長の木津正義先生。

4)開業鍼灸師による不妊症鍼灸治療を研究する不妊鍼灸ネットワーク会長の中村一徳先生(なかむら第二針療所院長)。

座長は、W座長で、、

1)明治国際医療大学特任教授であり、全日本鍼灸学会前会長である矢野忠先生。矢野先生は形井秀一筑波技術大学教授とともに、『レディース鍼灸』という分野を作った先生です。

2)名古屋・明生鍼灸院院長の鈴木裕明先生。言わずと知れた、日本での鍼灸による不妊治療の草分けです。

以上、シンポジスト4名と座長2名の調整は、コーディネーターとして企画が通ってから約1年間私がやらせていただきました。

まさに生みの苦しみを味わった1年間でしたが、国内の鍼灸の最高の学会で不妊症がテーマに挙げられたことは、本当に画期的であったと思います。

シンポジウム会場にて。登壇前の1コマ

シンポジウムは、4人の先生が代わる代わる壇上で発表し、最後に全員が揃って登壇しディスカッションを行う、というものです。

座長の矢野先生(左)、鈴木先生(右)

シンポジウムの舵取り役の座長は、今回は2名の2枚看板でした。 この座長の先生どちらかお一人が講師をされても、満員の人が詰めかけますから、本当に贅沢な企画であったと思います。

しかも、ここは田舎の福島県郡山市ですから。

HORACグランフロント大阪クリニック、IVFなんばクリニック、IVF大阪クリニックの総帥にして、日本IVF学会理事長である森本先生がトップ講演

シンポジウムのトップ講演は、森本先生でした。 生殖医療最先端のトップにいらっしゃるドクターが、『私は鍼灸には特に期待している』と壇上で話すところはすごかった。

森本先生のクリニックでも、実は鍼灸を取り入れていて、とても効果を実感されるそうです。

卵巣、子宮、ホルモン、と、パーツごとに診ているのではなく、人間という体の複雑なシステムを改善できる鍼灸について言及されていました。

明治国際医療大学講師の田口先生

2番目は、明治国際医療大学講師の田口玲奈先生から。

海外と国内の論文を検討された内容からお話しいただきました。 世界に広く出回り、特に体外授精時に鍼灸を行ったら妊娠率が向上した、という論文については、効果があるともないとも言いにくい、としながら、国内で一般的に行われている体質改善などで長期にわたって行う治療などと異なる、と話し、国内から海外へ日本式治療の論文の輸出が必要である、ということでした。

興味あることに、体外授精などを行うクリニックでは、すでに25%くらいの施設では鍼灸などを取り入れているそうで、将来的に取り入れたい施設を合わせると40%くらいになるそうです。

まさに鍼灸が期待されているのだなぁ、と感じました。

明生鍼灸院副院長の木津先生は3番目

講演3番目は、わが不妊鍼灸ネットワーク学術部長でもある明生鍼灸院の木津副院長でした。

海外に提示できる国内唯一のエビデンスとなりうる、中リョウ穴刺鍼法や陰部神経刺鍼法の研究のこれまでの結果や、この治療法を導入するまでの経緯などについてお話しいただきました。

最後の講演は、不妊鍼灸ネットワーク会長・なかむら第二針療所院長の中村一徳先生

最後の講演は、同じく不妊鍼灸ネットワーク会長の中村一徳先生でした。

明生鍼灸院で行っている中リョウ穴刺鍼法や陰部神経刺鍼法に加え、独自の手法で低出力レーザーを治療に取り入れ、特に高齢不妊での体外授精などの補助治療に大きな成果を残しています。

中村先生からは、不妊鍼灸ネットワークでの研修の方向性と内容について主にお話しいただきました。

学会懇親会での1枚 左から木津先生、中村先生、森本先生、大阪・ガイア鍼灸室の堀口先生、アキュラ鍼灸院の徐先生

大会二日目には懇親会が開かれ、450名の参加者でビューホテルアネックスは立錐の余地もありませんでした。

ジャズのライブ、日本一の美声を誇る郡山市立第五中学校混声合唱団の合唱など、楽しいひと時でした。

私も森本先生と記念撮影(^^)

懇親会では森本先生を囲んでいろいろなお話を聴かせていただきました。ミトコンドリアの話は非常に興味深かったです。

いつの間にかアルコールも回り、記念撮影では畏れ多くも肩を組んで撮っていただきました。

この縁で、7月には不妊鍼灸ネットワークではHORACグランフロント大阪クリニックの見学にお招きいただき、培養室などのクリーンルームを見せていただいたり、クリニックの統合医療グループより『受胎鍼』治療などについて講義をしていただきました。

ふくしま大会より、日本での不妊鍼灸の世界がきっと変わります!

第64回全日本鍼灸学会ふくしま大会(2)

だいぶブログもサボってしまいました。

前回の2年越しの準備に携わった学会について今更ながら振り返ってみたいと思います。

2年にわたって準備し(当院は大会事務局でした)、大会は3日間。準備に全日から郡山入りしたので、実際には4日ですが、あっという間の4日間でした。

学会は、会員の発表が約280題で、主となるポスター発表はこのような感じで発表します。

仙台市・キュアーズ長町の小松範明先生

約200題がこのうようなポスター発表で、残り60題がパワーポイントを使ったスライド発表となります。

高齢不妊の症例集積発表の小松先生

写真は不妊鍼灸ネットワーク会員で、仙台市で開業するキュアーズ長町の小松範明先生による、高齢不妊の症例集積発表です。

体外授精の反復不成功患者さんに対しての、鍼灸による採卵成績向上、着床率向上などを多くの患者さんのデータを集積しての優れた発表でした。

ビッグパレットふくしまの広大な展示場を使っての発表です。
各先生方は、順番に自分の発表時間になるとポスター前で発表となります。

遠目で見るとこんな感じ

各先生方も貴重な発表をし、また聴講される先生方も真剣でした。
ポスター発表はスライド発表と違い、演者と聴講者の距離も短く、質疑応答などで座長を入れて演者、質問者の三者以外に外野(失礼な言い方ですが)の意見も飛び込むことがあり、とても活気ある発表となります。

横浜・せりえ鍼灸室の小井土先生(左)

写真中央の、国内でのマタニティ鍼灸では第一人者でもある小井土先生は、今回は軽度脳損傷での鍼灸治療で発表。
たしか不妊や周産期分野のポスター発表では座長をされていました。

遡って開会式の様子。

開会式

時間は遡りますが、開会式の様子です。
写真左でマイク前は、三潴忠道会頭(福島医大会津医療センター漢方医学講座教授)です。

思えば2年間、学会準備の会議で何回会津医療センターに通ったことか。
会議室は、三潴先生の居室である会津医療センター副院長室ばかりでした。夕方からの会議が多く、空腹を心配されて三潴先生はよくサンドウィッチなどをポケットマネーからおごってくれました。

写真右から5人目は、大会実行委員長の中沢良平先生(郡山市・一寸法師ハリ治療院)。地元福島県鍼灸師会会長でもあり、2年間ともに準備で奔走しました。

学会は発表だけではなく、様々な講演やシンポジウムでも構成されています。

写真は、大会特別講演での福島医大理事長で学長でもある菊地臣一先生(整形外科学講座出身)。

エビデンスとナラティブ、EBMとNBMから、『患者中心の医療』の大切さをお話しいただき、医療の先輩としての多数の助言をいただきました。

菊地先生は世界腰椎学会の会長も務められたことがある脊椎外科医として世界的な権威ですが、鍼灸にも大変理解が深く、会津医療センターや公立岩瀬病院で鍼灸を取り入れることは、この菊地先生のお考えによるものでした。

 

(つづく)

第64回全日本鍼灸学会ふくしま大会

約2年にわたって準備してきた、全日本鍼灸学会ふくしま大会が5月22日(金)~24日(日)の三日間の会期で開催されました。

全国から、また海外からの参加者も含め、3日間での参加者はのべ約6,000名

当院はこの学会の大会事務局として、この2年間は準備のため休診や診療時間短縮などで、患者様には多大なご迷惑をおかけしたことと思います。

しかし鍼灸業界では国内最高の学会で、もちろん世界的にも注目されている学会の準備に携われたということは、大変名誉なことです。また準備の段階から高名な先生方と交流を深め、当院での治療にも何らかの形で多数の良い影響を受けることができたと確信しております。当院の患者様にも大変有益な2年であったとご理解ください。

数回にわたって、この学会の模様を紹介いたします。

学会のテーマは『鍼灸の復興』と『福島の復興』をかけたものでした。
日頃から不妊治療を生涯のライフワークとして行なっていますから、準備に関わる身としては大会のシンポジウムに不妊症を取り入れるように働きかけ、いろいろ乗り越える壁もありましたが、シンポジウム2『不妊症と鍼灸治療』を企画し、開催できることとなりました。

不妊症については国内の鍼灸院で広く扱われています。
その効果についても、一定のものが知られていますが、学術的なエビデンス(科学的な根拠)となるもので日本から世界へ発信できるものは残念ながら一つもありません。

このような状況に鑑み、国内最高の舞台で鍼灸による不妊治療について論じる場を作りました。

もちろんこの学会では、このシンポジウムのほかに様々な多数の講演やシンポジウム、パネルディスカッション、実技セッション、パネル発表、一般口演などの催事がありますが、企画に携わり、開催まで育てたものとして、特にこのシンポジウムを紹介いたします。

 

・・・続く

5月・全日本鍼灸学会 公開講座のお知らせ

来る5月22日(金)~24日(日)の三日間にわたり、郡山市のビッグパレットふくしまを貸し切りで、全日本鍼灸学会(http://jsam.jp/)の第64回学術大会が開催されます。

大会ホームページ http://taikai.jsam.jp/
Facebook  https://www.facebook.com/64fukushima

地元鍼灸師会の役員でもありますし、もともとこの学会の会員でもあるので光栄なことに大会事務局を仰せつかりました。

その準備に2年前から会議や視察などをはじめ、実際の開催まで一か月を切りました。

福島県立医科大学会津医療センターの漢方医学講座の三潴教授が大会会頭で、わが福島県鍼灸師会会長の中沢先生(郡山市・一寸法師ハリ治療院)が大会実行委員長。大会の大蔵省である財務担当は同じく鍼灸師会の佐藤副会長(矢吹町・あけぼの鍼灸院)。

大会の内容は非常に質の高いもので、国内はもとより海外からの参加も多いようです。

この三日間で延べ参加数は約6500名。
この学会に参加しないでのんきに診療している鍼灸院が福島県内にあったら、それはもう『当院は勉強や研修はしないダメ鍼灸院です』といっているようなものです。

大会に参加できるのは、鍼灸師や医師、歯科医師、それらの学生となっていますが、最終日24日・日曜日の午後からは市民公開講座を準備しております。

市民公開講座 5月24日(日)13:00~16:00
どなたでも無料で参加できます!

クリックでPDFのパンフレットが表示されます

なお、大会運営に深く関わるものとして、不妊症のシンポジウムを企画しました。

大会二日目の午後のゴールデンタイムに、不妊症に対する鍼灸のエビデンス(効果の根拠)についてですが、たいへんな豪華キャストでお送りいたします。

シンポジウム2
「不妊症と鍼灸治療」
シンポジスト(発言順)

「統合医療を用いた生殖医療最前線」
HORACグランフロント大阪クリニック院長
日本IVF学会理事長 森本義晴 先生

「エビデンスからみた世界の不妊鍼灸の現状」
明治国際医療大学
臨床鍼灸学講座助教  田口玲奈 先生

学会指定発言
「不妊に対する鍼灸治療のエビデンスを求めて
~中リョウ穴刺鍼および陰部神経鍼通電を用いた鍼灸治療の効果~」
明生鍼灸院 副院長 木津正義 先生

「臨床現場における不妊鍼灸の質向上への取り組み」
不妊鍼灸ネットワーク会長
なかむら第二針療所 院長 中村一徳 先生

座長もW座長で非常に豪華です。

座長・明治国際医療大学特任教授 矢野 忠 先生
(形井秀一筑波技術大学教授とともに、日本に“レディース鍼灸”という言葉を作った先生)

座長・明生鍼灸院院長 鈴木裕明 先生
(おそらく国内外最多の鍼灸による不妊症の学会研究発表を行った鍼灸院グループの総帥)
なお、名誉なことに私・三瓶はこのシンポジウムのコーディネーターと司会をさせていただきます。

また、このシンポジウムは国内で初めて不妊症に関する鍼灸のエビデンスを論じるものとなりました。

これまで200万人の不妊症の方を診療された日本IVF学会理事長であり、世界最大の不妊診療グループであるIVFジャパン理事長の森本先生も、『不妊症には、特に卵子の改善には統合医療が必要で、とりわけ私は鍼灸に非常に期待している』と語られています。

学会の準備でこれまで当院の患者さまには多大なご迷惑をおかけしておりましたが、学会が終了しましたら祝祭日の診療も再開いたしますので、もうしばらくお許しください。

5月21日(木)午後から24日(日)までは、当院では副院長と参加しますので、休診とさせていただきますことをお許しください。

不妊治療にレーザー治療を取り入れました

平成27年4月1日より、当院ではこれまでの鍼灸治療に加え、低出力レーザーによる治療を始めました。

当院で使用するレーザーは、体内に豊富な血液や水分に影響されない波長の光(レーザー光)を目的とする神経節などに照射することにより、緊張している交感神経を緩和させ、その支配領域の血行を改善することができます。

頸部 星状神経節への低出力レーザーの照射

適応は実に多彩なのですが、当院では特に下記の治療に使用します。

  • 難治性不妊での、卵巣機能改善、子宮機能改善
    特に数回の体外授精などを行っている方
    採卵の成績が良くない方
    排卵障害、黄体機能不全
    卵子の質の改善
    胚移植時に子宮内膜が薄いなど
    卵巣機能不全高齢不妊(38歳以上)の場合
    多嚢胞性卵巣、月経不順
  • 耳鼻科系疾患
    突発性難聴、難聴、耳鳴り、めまい、メニエール病等
    花粉症、アレルギー性鼻炎等

たとえば、写真のように頸部の星状神経節へレーザーを照射した場合、ストレスなどで緊張した交感神経を抑制することにより、脳内の血行が大きく改善することが期待できます。

星状神経節へのレーザー照射前

レーザー照射前の脳の血行の状態ですが、レーザーを3分間照射すると、下の写真のように血行が改善します。

レーザー照射3分後の脳内の血行の改善状態 写真はいずれも東京医研株式会社・スーパーライザーでの効果

 

婦人科のホルモンで大切な卵巣を働かせる卵巣刺激ホルモン(FSH)や、卵巣内で成熟した卵胞から排卵を起こさせるための黄体形成ホルモン(LHホルモン)などは、脳内の脳下垂体から分泌されます。

また脳内にあって脳下垂体をコントロールしている視床などは、ストレスに大変弱いことが知られています。

脳内の血行改善があれば、こうしたホルモンの働きが正常になりやすいのです。

また星状神経節への照射のほか、患者さんによっては卵巣周辺の血管網への照射も行います。

通常、卵巣や子宮への血行の改善のための鍼灸は腰部から行うことが多く、腹部からは膀胱などが邪魔をして直接の治療ができません。

レーザーを使うと、鍼と違って直接に無侵襲で治療が可能となります。

特別な場合を除いて、この治療は通常の治療料金での範囲で行っています。(通常の鍼灸治療に、追加料金なしで行っています)

レーザーの刺激は全くの無痛で、腹部の場合は温感が少しあるくらいです。